Running&Climbing

Running&Climbing

2006年旭川マラソン

2006年旭川マラソン


2006年10月8日(日)



『風邪だけはひかぬように』


ハッピーマンデーを利した月曜日に開催されていたこの大会。せっかくの3連休の最終日開催がネックとなって一昨年までは参加を見送っていました。すると上手い具合に去年からその中日に変更になったことと、女房が夏に手術を受け家族で休みらしい休みをとらなかったため北海道有数の観光地旭山動物園見学を兼ねて1泊の日程で初参加しました。しかしこと調整下手では右に出る者のいない私はその3日前から風邪をひき体調は最悪。当日の朝も焼けるように喉が痛み旭川ラウンドウェイを1周してリタイヤの予定でした。ところが風邪薬以上に効果的な(号砲)という名の特効薬のおかげでフルを走破したのです。タイムは3時間29分38秒。ギリギリサブ3.5の達成でした。体調を考えると出来すぎのタイム。旭川には過去6年間居住した経験も加わりとても好印象の大会です。そんな大会だけに今年はなんとか風邪をひかず万全の体調で参加しようと禁給水過多・禁うたた寝・うがい手洗い励行を心掛けました。その甲斐があってか体調を崩すことなく、また自分自身に課している(フルマラソンの前は2日間肝臓を休める)テーマも無事クリアして大会当日を迎えたわけです。



『スタートまで』


7月に入会させてもらった走友会。当日は入会の橋渡しをしてもらったO沢さんの大型車に便乗させていただき札幌を出発しました。時は朝5時。この時季はほぼ真っ暗です。総勢5名が乗り合わせて会場の旭川花咲陸上競技場に到着したのは7時過ぎ。時間は早いものの去年と対照的に悪天候。それもそのはず、台風接近で北海道東部には甚大な影響を及ぼした大型台風だったのですから。
受付を済ませて競技場内をグルッ。即売会も行われておりなかなか盛大な大会です。

大会本部売店


小雨なのはありがたいとしても風が強くとにかく寒い。20kmと25kmのエイドにマイスペシャル(アミノバイタルプロの顆粒を貼り付けた小さなペットボトルとゼリー飲料)を預け入れ、隣接する旭川市立体育館がバドミントンの大会で塞がっており小体育館と武道場らしき場所が開放されていてそこに逃げ込みます。スタッフが柔道の畳の上にブルーシートを敷くのを手伝い荷を解きホッと一息。

畳ブルーシート


早くもランパンしか持参しなかった愚挙を悔やみつつ、高速ランナーのK村さんにご挨拶。フルマラソンのスタートは9時30分。それに先駆けて開会式が開催されますが好天だった去年と違い今年は不参加。ただひたすらに陣地にてストレッチ。開会式の終わり頃ようやく競技場内に入るとちょうどリレハンメル冬季五輪複合金メダリストの阿部雅司さんが選手宣誓の最中でした。走友会のU山さんにお借りしたランニング用グローブと持参した長袖シャツの上に重ね着したチームユニフォームとでどうにか寒さを凌いでいますが、返す返すも失敗だったのがロングタイツを持参しなかったこと。この大失敗が後々響いてしまったわけです。軽くストレッチして去年同様トラックを3周。この段階で汗だくになった去年と違って汗ひとつ掻きません。この汗っかきの私が、です。こんなことそうはありません。それぞれの目標タイムを胸にスタートラインへと立ちます。私は夏の大一番2006北海道マラソン終了直後は、ある特別な大会を除いた3時間と一桁の自己ベストをこの大会で狙った時季もありましたがそんな野望はこれっぽっちもなし。強いて挙げるならば体調最悪で臨んだ去年のタイムは最低でもクリアしたいな、と。そのためには前半の1周を4分45~50秒/kmで入り、後半のペースダウンをカバーしなくては。楽走旭川の女性ランナーS々木さんが私を見つけてニコッ。相変わらず、そしていつもに増して素敵な笑顔。

号砲一発。

隣りに並んだO沢さんが「じゃ、ゴール後に!」 はい、ゴール後元気にお逢いしましょう。



『旭川ラウンドウェイ1周目』


ロスタイムは15~6秒。競技場から出るところにできた雨の水溜りをピョンピョン跳ねて交わしつつ外へ。右側には愚かな私のためにランニンググローブを貸してくれたU山さんの姿が。大きく手を振り感謝の意を表します。徐々にペースアップしますがすっかり人気大会になり参加人数も多いため無駄なジグザグ走行は封印。何かの官舎らしき建物横を通り過ぎ河川敷へ。思ったよりも風は強くありません。1km表示を見落とし2kmでタイムチェック。10分30秒程度だったと記憶しています。(ちょっと遅いぞ、ペースアップだ)
寒さと雨対策でビニール袋をスッポリ被っている人も多数。その袋が風でバタバタバタバタと激しくなびいています。余計なお世話だけど鬱陶しくはないのかなぁ。3km通過は15分ジャスト程度。(こりゃ絶対に距離表示がおかしいな(^.^))
金星橋~北海道の名橋旭橋~新橋の下を快調に進むうちに尿意発生。出走前に4度ぐらい済ませているのにやはりこの寒さのせいなのでしょう。しかしこの旭川ラウンドウェイは豊平川と異なりトイレがあちこちに設置されているので安心感があります。まるで洞爺湖を1周する洞爺湖マラソンのように。尿意はともかく快調にペースアップ。行けるところまでトイレタイムを先送りしてやろう、と。
旭西橋へと向かう急なクランクと上り坂。この両方が今日のこの大会に影響を及ぼすことになると私はこのとき露ほども知らずに、そして気持ち良く走っていたのです。


5km地点通過:24分30秒。(4分54秒/km)


エイドステーション通過。水を一杯手にして喉へ。ダンボール箱へナイスシュート。ここで気付きました。今日は上流に向かって向かい風。ついさっき対岸で風を思いのほか感じなかったというのは妄念だったのです。これは旭西橋から永山橋へと向かう石狩川左岸が今日のポイントとなりそう。風と喧嘩しても始まりませんし大股でノシノシ走るのではなくピッチ走法を心掛けます。
先程と逆に新橋を抜け旭橋へ。その市街地側付近はカラータイルがきれいに埋め込まれています。その継ぎ目に足を取られたり滑らせたりしないよう注意して進みます。金星橋から花咲大橋へ。その周辺で鼻息荒く待機しているのは10時15分に花咲陸上競技場をスタートする駅伝の選手達。大声で声援を贈ってくれています。みんなもこの寒風の下頑張ってよ~。
ペースアップ。快調快調。北海道マラソン後の燃え尽き症候群気味症状による練習不足もなんのその。次々と前を行くランナーを捉えていきます。


10km地点通過:48分36秒。この5kmのラップ:24分06秒。(4分49秒/km)


秋月橋通過。
「ハーフの選手が来ま~す!前を空けて下さ~い!」 自転車に乗った前走者が叫びつつ我々を追い抜いていきます。そしてその直後をすごい勢いで3人が抜き去っていきました。体型走法から判断しておそらくセミプロ。たぶん自衛隊員ではないか、と。
北旭川大橋接近。
初参加だった去年は遠くに望むこの橋が折り返しの橋だと勘違いしてガッカリしたものですが今年は大丈夫。更にその先の永山橋が折り返しの橋だと予備知識があるから。
ペースアップした私と抜きつ抜かれつ実に元気な女性ランナーがいます。こういう対象がいるとこちらまでもが元気になるもの。やっぱり大会っていいなぁ。
楽走旭川の女性ランナーS々木さんの背中が近づいてきました。よくぞここまで私を先行したもの。見上げた走力です。さすがは北海道マラソン参加完走数度の実績を誇る猛者です。声をかけるか否か迷いましたがお互いに調子が乗ってきているところで無用なコミュニケーションをとるべきではないと判断し一気に抜き去りました。

右上の堤防を見上げると先程猛烈な勢いで我々を追い抜いていったハーフの先頭集団が見えています。相変わらずのスピードで見惚れてしまうほど。彼等が辿った河川敷から堤防へと上る道を進み左折して永山橋へ。待ちに待った折り返しの橋です。ここを右折すると28年前まで私が居住していた地域です。橋上でチラリと後方に目をやると延々続く人の列。俺も負けないように頑張らねば。気力意欲充実中。
左折して河川敷へと駆け下りると程なく感じたのは後ろからの風。川下に向かって若干下りつつ後方からの風。この先10kmは押せ押せで行きタイムを稼がねば。


15km地点通過:1時間12分16秒。この5kmのラップ:23分39秒。(4分44秒/km)


エイドポイントで水を一杯手にして喉へ。夏の大会と異なり首筋へかける必要は全くなし。一心不乱に石狩川右岸を駆け抜けます。呼吸も太腿の疲労感も関節痛も一切なし。先週の札幌マラソン10km以降あれだけの大失速を喫してしまったので、ペースは違えど長い距離を走る行為そのものに不安があったのですが幸い杞憂に終わったよう。
北旭川大橋を渡り右側から合流してきたハーフの選手達と一緒に快調に駆け抜けます。やはりペースがハーフとフルでは格段に違う現実を知らしめられつつ。そこでポンと肩を叩く人がいます。同じ走友会のMさん。この方はチームで1・2を争う高速ランナー。「ウッス!ガンバ!」と声を返しエールを送るとその姿はたちまち遠のいていきました。
秋月橋をくぐり激しいクランクのところで走友会のS水さんから応援をもらいそこを越えると旭川北高校の校舎が見えてきました。小学6年から中学2年までをここ旭川で暮らした私。もう1年長くこの地に暮らしていたら私はおそらくこの高校を受験していたことでしょう。


20km地点通過:1時間35分34秒。この5kmのラップ:23分18秒。(4分40秒/km) 快調といいつつさほどペースが上がっていませんね(笑)



『旭川ラウンドウェイ2周目』


楽走412所属のH野さんとM田さんの姿を確認しました。M田さんとはスタート前に話をして体調不良につきDNSと聞いていましたが、H野さんが走っていないのを見て意外に思い「どうしたの!?故障!?」と尋ねるとH野さんはうなづいていました。
花咲大橋のたもとにエイドステーション発見。ここには280mlのペットボトルにお手製アミノバリューを入れその周りにアミノバイタルプロの顆粒タイプを貼り付けた物を預けています。上手いこと見つけられるのかちょいと不安でしたが前日の夜、女房が目立ちやすいようにと飾りをつけてくれていたため一発でマイスペシャル発見。感謝。まずはアミノバイタルプロを剥がし切取口をシュッ。顆粒を口に流し込みペットボトルのふたをギュッと開けアミノバリューで胃袋へ。粉でちょっとむせてはしまったもののまずは上出来でしょう。一滴も残さずにアミノバリューを飲み干すと次のエイドまで空のボトルを持ったまま走ると決意します。旭川ラウンドウェイへせめてもの謝意。そうこうしていると走友会のY本さん発見。「Y本さん、お願いします!」と空ボトルを託します。ありがたかった。

ここで異変が生じます。右膝の外側に(ピリッ)とした痛み発生。かつて左の外側が痛んだことは何度かありましたが右は初めてのこと。不安が胸を過ぎりますがここは走りながら右足を振ったことで痛みは消えてくれました。

旭橋~金星橋通過。痛みはなくなりますます快調。この辺りに来るとガクンとペースがダウンする人が大勢いて次々と前走者を捉えていきます。対岸の石狩川左岸が若干の上りで向かい風で私もペースダウンするのは明白なのでここで少しでもタイムを稼いでおきたい。

旭西橋通過後右クランク~軽い上り坂。ここで異変再発。先程と同じ右膝が今度は(ビリッ)とした痛みへ。右手で痛む部位を撫でながら坂を駆け上がり橋上へ。さっそくの向かい風を感じながら数百メートル下流の鉄橋を走る特急列車に目をやります。右折を2度して河川敷へ。ここでまた痛みは消え去ってくれたように思います。ラッキ~。


25km地点通過:1時間58分32秒。この5kmのラップ:22分58秒。(4分36秒/km)


ゼリー飲料を預け入れてある25kmのエイドステーション発見。20kmのそこと違い目立つ工夫を施していないので、自分のスペシャルを見つけるべくガグンとスピードをダウンさせてどうにか手にすることができます。しかしそこで右膝の痛み再発。今度は前2回とは明らかに異なる激しい痛み。思わず脇道へ逃げ込み屈伸数度。苦痛で顔が歪みます。瞬時に、そして本能的に感じ取りました。(これはダメだ)と。スタッフが用意してあったエアーサロンパスを数秒患部に吹き付けてみますが一向に痛みは消えません。更に屈伸をしたのち数歩歩いてみましたが×。後方から楽走412のK柳さん、走友会のS井さん、O橋さんに声をかけられたことを記憶しています。が、ここで潔くスタッフに「膝が痛み出したのでリタイヤします」と申し出ました。

素晴らしいスポーツ、マラソンと偶然出逢って以来4年半経過。平均すると年に10度は参加してきた大会。合計で49回目となるこの旭川マラソンで私は初めてのこととなるリタイヤを喫しました。

ゴール2


ここはとても遠かった。無念。






© Rakuten Group, Inc.
X
Create a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: