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第27回北海道ロードレース
第27回北海道ロードレース
2006年10月22日(日)
『出場できるのか?』
10月8日に開催された旭川マラソンの25km地点で激しい腸脛靱帯の痛みに襲われ、マラソン歴5年目にして初めて味わった途中リタイヤ。それはそれは無念でした。北海道マラソン後の自堕落な生活ですっかりふくよかになってしまった腹回りと、最高気温が10度ちょっとの強風というコンディションの下をランパンで出走したことが裏目に出た結果です。旭川から帰宅する車中では身体がブルブル震えるほど膝の外側が痛み、直感的に2週間後に開催されるエントリー済みの北海道ロードレースハーフ不参加を悟りました。
その後の完全ランオフと鍼を中心とした治療を経て恐る恐る走り始めたのが10日後の夜ラン。ごくごくゆっくりではあるものの走る行為をできたことがうれしくてうれしくてジーンとなるほど。その後もう1度近所をゆっくり走りましたが痛みを覚えずに済みました。すると希望が浮かんできます。「これはハーフまでならイケるかもしれない」と。そして前日と当日の膝の具合を見て参加or不参加を決定することにしました。
大会前日の10月21日は16回目の結婚記念日であり、25年ぶりに進出した北海道日本ハムファイターズの日本シリーズ初戦。本来ならばベロベロに酔いつぶれるのが必然?の夜でしたがこの日ばかりは酒を封印します。一度は諦めた翌日の大会参加が現実的になった今、(ハーフ大会の前日は休肝日)というなすべきことだけはなそうと思ったから。(飲まずに眠れるのか?)という不安は掻き消され翌朝までグッスリ。大会当日の朝は実に晴々としています。決めました。参加します。暖かろうが寒かろうが下にはCW-Xを穿いて膝を冷やすことを避け、上を半袖or長袖は会場に行ってから決めると。
会場の真駒内公園に到着したのは8時15分頃。号砲1時間半以上前のこと。幸い公園内の有料駐車場に車を停めることができました。徒歩で20分程かかるスーパーの駐車場に停めざるをえなかった札幌マラソンとは大違い。ここで無為に体力を使いたくはなかったのでラッキーです。
即売会は盛況の様子。
競技場内の控え室に荷を解き、まずはエネルギー補給。札幌マラソンの時にレース前の定番(おにぎり)を摂取せずに出走したことも大失速につながった原因の一つと反省したため今日はしっかり補給します。逆にみたらし団子はレース後のお楽しみとしました。
かなり考え迷った揚句にチームのユニフォームは着ずに長袖シャツだけ。あの寒かった旭川マラソンの時ほど今日の体感気温は低くないだろうとの判断から。出走20分前の9時40分に競技場内へ。ストレッチと3周のアップで身体を温めます。
去年はこの大会で念願の90分切りを狙ったっけなぁ。スタートも一番前のアウトコースからだったよなぁ。でも今年はそんな野望は皆無。ひところは不参加が濃厚なほど膝の痛みがひどかったのだから参加できることだけで今年は満足。旭川マラソン後の丸2週間で走った距離はわずか14km。でも故障もあったとはいえハーフまでなら今までの財産でなんとかなるだろう。タイムは全く無視して今年の最終戦になるであろう、そして通算参加回数50回目となる節目の大会を楽しもう。
号砲一発。花火がドド~ン!
『最初はジョギングペースで』
全体の3分の1ぐらいの場所からスタートすると前後左右がとにかく人人人・・・。歩くのじゃなく麦踏み状態から始まります。それでもロスタイムは15秒。こんなものでしょう。競技場のトラックを左回りに1周と4分の1走って紅葉の真駒内公園へ。ここで前方に走友会のO橋さんの姿発見。追い付いて挨拶します。「今日はこんなペースで行きます」「遅くないの?」「故障明けですから」 こんな会話をしていると真駒内公園名物の上り坂へ。ペースが遅いせいでスンナリとクリアします。頂上から先の緩やかな下り坂で混雑が少し緩和されペースアップ。それでも5分/kmといったところ。でもいいのです、こんなもので。今日は参加することに意義があるのだから。中央橋手前には大勢の応援者がいます。自分に対しての声援じゃなくともありがたいものです。左折すると太陽の公園では相変わらず少年野球の試合中。保護者が燻らせる紫煙がとても迷惑です。子供達もさぞイヤだろうに。
堤防から河川敷に下るところでようやく人がバラけたのを確認してペースアップ。5分/kmをちょっと下回る程度ですが今の私にはこれぐらいがちょうど良いのです。
5km地点通過:24分14秒(4分51秒/km)
我が走友会と良好な関係にある某走友会の高速ランナーY崎さんを追い抜きます。「どうしたんですか?!」「今日は伴走なんですよ」「なるほど、それでね」「だから先に行って下さい」「わかりました」 続いてご近所走友の女性ランナーS々木さん捕捉。今日は車に乗せてさし上げ会場入りしました。速い速い、立派です。「Sカキさんはどうしたんですか?」「自己ベストを狙うと言い残して先に行きました」「でもS々木さんも良いペースですよ。このまま保って下さいね」「はい」
坐骨神経痛の快復が思わしくなく応援に回ったH坂さんが札幌マラソンに続いて今日も応援に来てくれています。「膝の具合は?」「どうにか」「ムリしないでよ~」「はい!」
豊平川河川敷を利用する大会にはほとんど応援に駆けつけてくれる両親。ですがこの日は事前に電話を入れ「寒いから応援は無用」と伝えてありました。そうはしつつも目で追ってしまう私。すると母親がいてくれました。寒いんだからムリしなくても良いのに。
肉親の応援を受けて猛然とペースアップ。幌平橋下流通過。4週間後の今日、ここにはツワモノとスキモノが集います。もしも今日の大会を完走できたら私もこの大会へのエントリーすることを決めています。なんとか5年連続の参加を果たせるようこのあとも頑張らなきゃ。
ようやく初の給水ポイント。大変な汗っかきの私ですが今日は大して発汗量が多くありません。腹痛の元になっては、と少量の真水を胃に流し込みます。
10km地点通過:45分47秒。この5kmのラップ:21分33秒(4分19秒/km)
『ペースアップ』
ようやく調子が上がってきました。幸い爆弾の右膝も違和感なし。更なるペースアップを図ろうとすると前方からバイクに乗った前走者の姿が。この方は知り合いなので軽くハイタッチを交わします。そしてトップの選手が通過。速い速い。後続ランナーまで優に2~300mは差が開いていたことでしょう。いわゆるダントツ。後続も続々現れます。快走するトップランナーに負けじと私もペースアップをしようとしますが前がつかえてしまいます。大会史上最多人数が参加したらしい今大会ハーフ。なおかつスタート直後のジョギングペースが完全に災いして抜くに抜けないのです。それでもどうにかこうにか知り合い4名を抜き去ります。
中間点通過:48分05秒。
ここを過ぎるとその先が折り返し地点。(往路は軽いアゲインストの風だったので復路は追い風になるはず)との読みは見事にハズれてしまい、やっぱり復路も向かい風。この豊平川河川敷ってところはいったいどうなっちゃってんでしょう。しかしボヤいていてもしょうがないのでコースを逸脱して前走者を追い抜きにかかります。ラップはともかくこの辺りを走っている時が今日一番のランナーズハイでした。
サロマサブテンランナーのY田さんが応援に駆けつけてくれています。旭川マラソンで完全に膝をヤッてしまった直後はこの方に今日の参加資格をお譲りしようかとさえ思ったほど(ナイショ) 再来週のフルマラソン挑戦会ではご健闘を。
去年までは大会で自分が折り返すと後続の知り合いを見つけては手を振ることばかり考えていた私ですが北海道マラソン後自粛しています。もしかすると手を振られて振り返す行為が先方の負担になっているかもしれないから。なのでただひたすらに前だけを見て走っています。
その先、少し人並みが途切れかけた頃に今日は視覚障がい者の伴走を務めているH野さんの姿が見えてきました。「お疲れさまです」と声をかけるとH野さんはもちろん視覚障がいをお持ちの方までが「ありがとうございます!」 生半可なコメントは差し控えますがお2人ともご立派な志だと思います。
15km地点通過:1時間07分46秒。この5kmのラップ:21分59秒(4分24秒/km)
『あえなくペースダウン』
過去を振り返っても仕方がありませんが私は去年のこの大会でようやく90分を切りました。シーズン通じて体調が良く、故障とも無縁だった去年。並々ならぬ意欲を抱きつつこの大会に臨みました。結果、苦しい苦しい15kmから先の区間の落ち込みを最小限に抑えることができ目標を6秒下回ったのです。しかし今年はこの大会に参加すること自体危ぶまれた時期さえありました。今日も故障明け。苦しくなってきた時の粘りが去年とは雲泥の差だったのです。
以下にその事実を物語るここから先のラップを記しましょう。
残り5km(16.0975km):1時間12分37秒。この1.0975kmのラップ:4分51秒。
残り4km:1時間17分04秒。この1kmのラップ:4分27秒。
残り3km:1時間21分35秒。この1kmのラップ:4分31秒。
残り2km:1時間26分10秒。この1kmのラップ:4分35秒。
寒い中を母とH坂さんがまだ応援してくれていたにもかかわらずジリ貧ですね。悲しいかなこれが今年の現実でした。
河川敷から堤防へと駆け上がる坂の頂上付近が残り1km地点。
残り1km:1時間30分42秒。この1kmのラップ:4分32秒。
いつの大会もラスト2km付近から猛然とラストスパートをかける私ですが今日はダメ。気力も体力も続きません。せめて一昨年のタイムである1時間34分43秒を下回りたいと思いましたがそれにはあと1kmを4分01秒で疾走しなくてはいけません。これは事実上不可能。しかしここで力を抜くのは自分にも大会関係者にも失礼にあたると判断し懸命の、そして目一杯の走りを心掛けます。
太陽の広場を左に見つつ右折。短いトンネルを過ぎると中央橋の姿が。ここを駆け上がるのがまた苦痛なんだ。もう時計には目をやりません。今現在の力を出し切ればそれでいいじゃないか。高速ランナーU田さんの応援をいただいたまっすぐ先には、
両脇にいる人に一瞥もくれずただひたすらにスパート。そしてフィニッシュ・・・。
4週間後のさっぽろさよならマラソンへのエントリーが決定した瞬間です。完走して、完走できて本当に良かった。
~5km:24分14秒。
5km~10km:45分47秒(21分33秒)
10km~15km:1時間07分46秒(21分59秒)
残り5km:1時間12分37秒(4分51秒)
残り4km:1時間17分04秒(4分27秒)
残り3km:1時間21分35秒(4分31秒)
残り2km:1時間26分10秒(4分35秒)
残り1km:1時間30分42秒(4分32秒)
フィニッシュ:1時間35分20秒(4分38秒)
~中間点:48分05秒。
中間点~フィニッシュ:47分15秒。
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