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第20回春一番伊達ハーフマラソン
第20回春一番伊達ハーフマラソン
2007年4月15日(日)
『体調不良の冬』
そもそも練習量が多いとは決して言えない私。月間200km突破は年の半分もありません。しかし今年は正月明けから精力的。1月には2度の小樽ランを含む210kmを走破。それも全て外ランで。真冬に小樽手宮湯の花まで40kmを走破したことで気分を良くし、アノ大会にまでエントリーしてしまいました。
去年10月の旭川マラソンで痛めた右膝腸脛靱帯炎の影響も幸いにして気にならず、冬の間も旺盛に走り込みをしようと考えていた2月3日、ホームコース方面を行き当たりばったり走っている最中に左膝の外側に痛みが発生します。沿道にいた犬が物珍しげな視線を私に投げかける中、屈伸をして様子を見つつどうにか自宅まで辿り着きました。
氷嚢に氷を詰めてキンキンになるまで膝を冷やしながら就寝。一晩明けた朝は大雪でした。それでもヘンなところが楽観的な私。アイシングをしたおかげで膝の痛みが治まったように勘違いをし、よせば良いのにしっかりと着込んで走り出します。しかし程なく膝の痛みが再発し3kmでスゴスゴと退散。このときばかりはしばらく休養しようと決めました。
1週間後の日曜日、気分を変えるためにいつものコース逆周りを選びスタート。走路(と言えるのか?)の大半は除雪されていない歩道で、足を滑らせて転倒も。それにもめげずに走っていた石狩市役所付近で再度左膝に激しい痛みが起こりました。潔く公衆電話に入り女房に車で迎えに来てもらうよう依頼。しかし一度痛みが治まったので次の公衆電話から迎えは不要と再度TEL。ところが今度の故障は本物でした。走り出した直後にまた膝痛再発。いつものコースは田舎道。その先に公衆電話はもうありません。携帯電話の普及で激減している公衆電話。このときほどこの事実と携帯電話を持たずに外ランしたことを恨み悔やんだことはありませんでした。結果2週間のランオフ。2月はわずか82km。
3月は3月で生まれて初めてのA型インフルエンザ発症。最高体温は39.7度を記録し大袈裟に言うと瀕死状態へ。3月の初ランが11日の有り様で月間走行距離は113km。
がしかし、私には所属している走友会と心酔するK整骨院の存在があります。冬のランナーの聖地「つどーむ」での特別練習会と鍼治療とでなんとか伊達ハーフマラソン当日を迎えることができました。
『カーテンを開けてビックリ』
給水という名の晩酌を欠かさない私ですが、『フルは2日、ハーフは前日を休肝日にする』掟を破ったことはありません(1度ぐらいはあったかも)。 今回も遵守します。しかし前夜は上手い具合に夕食後程なく睡魔が。そして起床は4時20分。薄暗い中、居間のカーテンを開けてビックリ。雪が降っています。モチベーションは下がる一方。一瞬DNSが頭を過ぎりましたが今日は走友会の人2名を愛車に乗せて現地へ向かう約束になっているのでそんなことは許されません。女房がこしらえるハムエッグをおかずにした温かい朝食を済ませ家を出たのは6時10分。おにぎり大2個をしっかり携えて。札幌の奥座敷の定山渓、天気が良ければ羊蹄山を望める中山峠、北海道有数のリゾート地のルスツ高原を通過するたび衰えるモチベーション。だって光景はモロに真冬なんだもんなぁ。車中の会話は「我々はこれからマラソン大会に出るんですよね?スキーに行くんじゃないですよね?」 そんな2時間半の雪中ドライブの末、会場のだて歴史の杜総合公園に到着したのは8時40分。そこには雪ではなく冷たい雨がそぼ降っていたのでした。
好天ならば芝生に陣を広げるところですが今日は×。参加者でごった返す建物。右の画像でランナーの着衣にはどれほど危険防止用の反射物が貼り付けられているかがわかりますね。
まずはおにぎり大1個で腹ごしらえ。続いて素甘。そうこうしていると走友会のメンバーが続々到着。出張先からマイカーで駆けつけた人や大会側で用立てしたバスで会場入りした人etcで総勢は12~3名になったでしょうか。着替えを済ませて建物入口でストレッチをしていると走友会のエース、S口さん登場。あの暑かった2006北海道マラソンで3時間20分を下回る素晴らしいタイムでゴールしたS口さんがスタート前にどんなアップをするのか興味津々の私はあとを追います。するとこの方はロクにストレッチもせず(でもないのかな)10分間のジョグを始めます(驚)。次に約50mのダッシュを5本。最後に準備運動を。私が今までしてきたこととは順序が後先だらけで驚くばかりでした。
各々意欲を高めてスタート地点へ。偶然S口さんの横へ位置します。この方がどんなスタートダッシュを切るのかも興味津々。それはそれはひどい天気だったと耳にした去年のこの大会。それに比べりゃ今年はまだマシだとも聞く。腸脛靱帯炎とインフルエンザで散々だったこの冬。ひところはエントリーすらあきらめたこの大会のスタートに俺は立っている。緊張はゼロ。テーマは完走。なにせ2006さっぽろさよならマラソンのラスト5kmは走っては歩き、歩いては走るの繰り返しだったのだから。でも5分/kmの1時間45分はせめて下回りたいものだ。
号砲一発。
『身体が重たく手も重たい』
ま、程々にダッシュ(笑)。だって転んだら危ないし痛いもん(爆)。ロスタイムは10秒程度か。自己ベスト更新に息巻いていた一昨年は猛?ダッシュして胸のナンバーカードがパタパタたなびいた記憶があるけど風が弱いからか私のスピードが遅いからか(悲)、今年はさほどでもなし。それでもあの号砲ってヤツは人格を豹変させるもの。前を行く背中が邪魔で邪魔で(笑)。天気が良ければ走路を外れて芝生の上を走りたいところなのに(ルール違反)、そこは今日の雨でグチャグチャ。大切で高価なスカイセンサーJAPANカスタムインソール仕様を汚すわけにはいかん。
とっくの昔にビッチャビチャなのにね。
1km地点通過:4分50秒。練習では5分/km未満で走れないのに。大会とはかくも不可思議なものなり。
内浦湾に向かってなだらかな下り。しかしこの自然が織り成す傾斜に惑わされてはいけないので自重します。長い直線なので前走者の姿が一望できます。国道37号線を横切るときに大きな建物の横を通過。地場の信用金庫本店です。立派だなぁ。右折すると種々世間を騒がせた不○家のピンク色の店舗が。しかし世間を騒がせたのは1年前の私の勤務先とて一緒。心機一転・汚名挽回じゃなく返上・名誉挽回・捲土重来。沿道には地元のお年寄りの姿が大勢。年に一度のこのイベントをさぞや楽しみにしてくれているのでしょう。「おじいちゃん、おばあちゃんありがとう、。俺、きっと来年もこの大会に戻ってくるよ。それまで達者でいて下さいね。」
ついさっきまで降っていた雨によりできた水溜りを極力避けて疾走?します。伊達武者太鼓を横目にしつつ給水所をパス。我が走友会と良好な関係にあるチームの人が颯爽と私を追い抜いていきます。この人は結局90分切りを余裕で達成したよう。年も近く私と同様ズングリした体型なのに天晴れ。ところどころに小学生駅伝の中継点が。鼻息荒い小学生達で冷たい雨を吹き飛ばさんばかり。右折してサイクリングロードに入って間もなく国道37号線下を通過したところが5km地点。
5km地点通過:22分29秒。(4分30秒/km) まぁこんなものか。
伊達温泉とまだ堅いつぼみの桜並木を横目に敢えてペースを抑えた走り。遥か彼方に見える道央自動車道。齢43にして見通せてしまうのです。さっきまでとは対照的に緩やかな上りのサイクリングロード。ここはかつて日本国有鉄道(国鉄)胆振線だったところ。ところどころ交わる車道にはしっかり大会スタッフが配置され事故を防いでくれています。ありがたいことですね。
私と似た走力の一団が形成され始めました。その数約10名。気になるほどの風が吹いていたわけではないので、誰を風除けにする意図ではなく偶然の産物だったのでしょう。追いつ追われつ抜きつ抜かれつ、4分30秒/kmの低?レベルな争いが繰り広げられます。
ここでようやく自らの現状に気付き理解します。それは『身体が重たく手も重たい』 筋トレをサボってばかりいたツケがこういうところで如実に現れるのでしょう。呼吸も苦しくなってきました。反省。
2ヶ所目にして初めての給水ポイント。喉にわずかに、走路にほとんど。晴れていればキレイに望める昭和新山も今日はペケ。
10km地点通過:45分00秒。この5kmのラップ:22分31秒。(4分30秒/km) まぁこんなものだろう。
軽く下った先の左側には小学生駅伝のゴール地点が。先頭集団がすぐ後方に迫ってきているのか保護者の声援が熱い。軽く左カーブして北の湘南橋を越えるとこのコース随一の難関伊達トンネルへ。グッとペースが落ちた実感あり。私はいつもスタミナ残量を腹筋の奥に感じるのですがやはり筋トレをサボっている報いなのか心許ない。苦しい苦しい苦しい苦しい。ピンネシリ登山マラソン程ではないにせよこれはつらい上り。つい3時間前に車でここを通ったときでさえ愛車は苦しげだったもんなぁ。噂に聞く夕張のコースはどんななんだろう。ひところは存続が危ぶまれたがうまいこと今年も開催されるらしいし興味があるので今年は初参加してみようか。
ようやくトンネルを抜けたところが12km。この1kmは5分09秒かかっていました。その先を左折して軽い右カーブへ。ダラダラ延々と続く上りに前走者も苦しんでいることでしょう。給水ポイントで紙コップ一杯を手にしますが呼吸が苦しく口に少し含んだだけで残りは首筋へ。残る上りは約2km。さぁ気合いを入れなきゃ!
しかし気合いは空回り気味で(笑)サイクリングロードから続く私と似たような走力の一団同士で抜きつ抜かれつの攻防が繰り広げられます。見覚えのある背中を抜くとさっき抜いたはずの人に抜かれる、の繰り返し。みんな私と同じように苦しんでいるはず。なので私も頑張ります。
ここいらのコースは大きなクランク型なので目が良い(今でも両眼1.5 別名:軽遠視)私は45度前方の人も90度前方の人も見通せます。コースをショートカットしようとするけしからん族を阻止する意図なのか大会スタッフが配置されています。長い直線が終わり右折して短い直線がまた終わる直前が15km。
15km地点通過:1時間09分01秒。この5kmのラップ:24分01秒。(4分48秒/km) 予想以上のペースダウン。
『無心の下り坂』
更に右折したところからいよいよ始まりました。待望久しい下りです。目一杯(でもないか)ぶっ飛ばし始めます。その先に左側にある建物から正午を告げる「Wooooooooo~」のサイレンが鳴り響きます。スタートが10時50分で15km通過が1時間09分01秒後なのでピッタリですね。しかし2年前この大会に初参加したときは建物の真横で私はそのサイレンを聞いたのでやはり今年はタイムが遅いよう。来年はここを過ぎ去ってからサイレンを耳にできるようにしたいものです。
2度目の左折ポイントに小学校がありました。名前は『関内小学校』。「俺が大学4年間を過ごした横浜にも関内という地名があったけど何か関係があるのだろうか」などと考える余裕?があります。10km折り返しポイントのコーンが立っています。残りは5km。1時間14分弱だったと記憶しています。故にこの先の下りを5分/kmで行っても1時間40分は下回れる計算。スタート前に『でも5分/kmの1時間45分はせめて下回りたいものだ。』と思っていたのも今は昔。この段階で目標タイムは1時間35分未満に変わっています(笑) 大会とはこういうもの。
この先はあまり記憶がありません。高速道路の下を潜ったことと4つ目の給水をパスしたこと。そして変電所の横を通ったぐらい。あ!あともう一つ、雨上がりの高湿度の成せる業なのか草地から白い煙のようなものが沸き起こり我々を包み込んだこと。臭いはしないので野焼き等をしていたわけでもなさそう。自然界が織り成す不思議な光景でした。
走友会のメンバー一人を抜いた長い直線が終わり右折すると海に向かっての直線。
20km地点通過:1時間30分53秒。この5kmのラップ:21分52秒。(4分23秒/km) 思ったほどペースアップできていない。
同じような走力の一団はほぼ全員が後方へ。膝痛とインフルエンザでひところはこの大会のみならず今シーズンを棒に振ることさえ覚悟した冬。しかし今日のこの日を迎えることができ、なおかつゴールは間近。良かった良かった。走友会とK整骨院、そして大会スタッフに感謝しよう。
周りを取り巻く人達に純粋に感謝する気持ちを抱きつつ、
オールスポーツ
のカメラマンがいないかと沿道に目を配る邪念もチラホラ(笑) 目を配りつつも最後だけは猛ダッシュ。右左折を繰り返し大会会場のだて歴史の杜総合公園内へ。ほとんど乾いた走路を懸命の走り。最後の右折地点では走友がその姿をカメラで捉えてくれていました。感謝。
後方へ消えたはずの人の足音を聞き最後のダッシュ。そしてゴール。
ゴール:1時間35分23秒。この1.0975kmのラップ:4分30秒。
私はハーフマラソンで過去1時間35分20秒、21秒、22秒を記録したことがありますが、今回はそれに次ぐタイムでした。偶然の産物とはいえ不思議なものを感じます。
~5km:22分29秒。
5km~10km:45分00秒。(22分31秒)
10km~15km:1時間09分01秒。(24分01秒)
15km~20km:1時間30分53秒。(21分52秒)
20km~ゴール:1時間35分23秒。(4分30秒)
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