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がんばろう!夕張マラソンフェスティバル
がんばろう!夕張マラソンフェスティバル
2007年8月19日(日)
『夕張と私』
さいたま市岩槻区在住、明治43年生まれの祖母は今年97歳で存命です。その祖母の出身地は夕張。祖母がうら若き頃それはそれは興隆を誇ったという夕張の話をよく耳にしたものです。私が記憶している最も古い夕張。あれは何歳ぐらいだろう。おそらくや3~4歳。祖母と母に手を引かれ夕張を訪ねたことがあります。石炭を運ぶトロッコの線路に付着していた炭で私の白い靴下が汚れてしまい悲しかったことをうっすら憶えています。大学生の頃だったかに、さいたま市から避暑に来ていた祖母を車に乗せてドライブに行ったことがあります。廃れた生まれ故郷の姿を目の当たりにして祖母が寂しそうな表情を浮かべていました。その後は社会人2年目に勤務先の行事でこの地を訪ねたことがありますが、宿泊したホテルで飲んだくれた印象しか残っていません(苦笑) マラソンを始めてから興味だけはあった7月開催のゆうばり高原ジョギングですが、その時季と山坂だらけの記憶が邪魔してどうにもエントリーに踏み切ることができずにいました。そこにもたらされた吉報が今回の「がんばろう!夕張マラソンフェスティバル」です。参加費用がなんと1,000円と超格安の上に札幌駅から無料送迎バスが運行されるという夢のような話。第22回サロマ湖100kmウルトラマラソン以降大会枯れに陥っていた私だけにこれに乗らない手はない!とRUNNETでエントリーを済ませました。社会人2年目以来の訪夕は19年ぶりのことです。
『スタートまで』
当日は走友のNO.71さん、そうたママさんと札幌駅南口で待ち合わせ。いち早く満車となった我らがバスは警備スタッフを乗せたバスに続いて6時50分に出発します。最後方に陣取り、あ~でもないこ~でもないとペチャクチャおしゃべり。NO.71さんとそうたママさんの会話が初対面と思えないほど盛り上がっていたのが印象的でした(笑)
日曜朝の道路は閑散としておりスイスイと会場到着。時は8時過ぎ。正午の号砲4時間前です(汗)
まずはナンバーカードを引き換えるべくこの場所へ。
自陣をどこに設けるか考えながら歩いていると、いち早く会場に到着していたOgamanさんの姿を発見したのでその至近にシートを敷かせてもらいます。その時はまだ閑散としていたその場所が2時間後にはこの状態へ。
予めお願いしておいたステッカーも拝受します。Ogamanさん、ありがとうございました。
やはり幟とは目立つものです。
少々散歩を。バナナをもらったりウェアや野菜の即売会を覗いたり、「24時間テレビ愛は地球を救う」の一環の大会らしく募金コーナーも。札幌テレビ(STV)の有名アナウンサー2人の姿も見えました。第22回サロマ湖100kmウルトラマラソンの
(売れ残り)
半袖Tシャツを1,000円にてゲットしホクホク。
手作り感溢れたゴールゲートや土の競技場トラックも新鮮ですが、コース図をもっとしっかり確認しておくべきだったとあとから後悔することになりました(意味深長)
この大会でもいろーんな仲間との再会を果たせました。順不同に、Ogamanさん、カッチ&トモさん、おまちゃさん、(スタート直前に)ちかたん、tanさん、YANCOさん、NAOJIさん、genさん、yagiさん、いづみさん、我が走友会と良好な関係にあるYさんetc。最もしばらくぶりの再会がichanさんで最後にここに登場したのが真っ赤な目をしたヨーイチさんでした(笑) アップをしているaonoさんと歓談して自陣に戻ろうとするとUGさんが駆け寄ってくれます。大失敗レースだった
2006さっぽろさよならマラソン
以来の再会です。走友会のOさんともご挨拶できました。仲間っていいな。
今日のウェアは2004年・2005年と号泣・歓喜のゴールを果たした北海道マラソンで身に着けていたmizunoのランシャツランパンと、6月24日の第22回サロマ湖100kmウルトラマラソンで100kmを共にしたライトレーサーに決めています。持参したバナナと会場で拝受したのを合わせて3本平らげ、素甘も3個完食。アミノバイタルプロも服用したところで内股にワセリンをたっぷり塗り込みます。3時間以上炎天下の黒いリュック内においでになっていたワセリンは半ば液体化していました。
ハーフに参加するメンバーとスタート位置へ向かいます。4~500mほど歩いたでしょうか。途中で高速走友のpuaさんと目と手で挨拶。サロマの54kmエイドで逢ったときは体調が優れないようなことを言っていたが今日は大丈夫だろうか。イヤ、サブスリー経験者だものきっと大丈夫さ。5kmレースで自己ベストを樹立したちかたんとも再会。色白の肌が力走で日焼けしていました。先頭にはこれまた高速ランナーのけんいちさんの姿が。軽く会釈して(さて、どこに潜り込もう)と隙を窺っているとカントクさん発見。我が意を得たりでtanさんと共にその横に分け入ることができました。カントクさん、ありがとー。
5kmレースに参加した
荻原健司さん
がスタート前の挨拶をしています。さすがは国会議員だけあり軽妙なトークで笑いを取っています。上空にはヘリコプターが旋回中でまるで北海道マラソンのよう。「がんばれ!」ではなく「がんばろう!」という冠に惹かれてエントリーを決めたこの大会で夕張市民を励まし、また自分もが励まされたいもの。目標タイムは未設定。
号砲一発。
『起伏&起伏&起伏』
ロスタイムは27秒。軽い上りをクリアして右折を2度。さっそくの下りです。まだ団子状態でもあるしここで転倒でもしたらつまらないのでジョギングを受け入れ。センターライン上には赤いコーンが置かれて対向車線へのはみ出しを防止していますが、このジョギング状態に耐えられなくなったランナーはそれを守りません。反対側の歩道にいた警官がドスの効いた声で「対向車線にはみ出すんじゃないっ!」と叫んでいます。まるで犯人を追い詰めるか如く(笑) 覆道を通るときはまるで箱根駅伝5・6区のようで気分だけは1月2日&3日。敬愛する走太郎さんと走友会のOさんを交わします。距離表示が一切ない大会のようでペースが掴めず悪戦苦闘。体感的には4分40~50秒/kmといったところでしょうか。ヨーイチさんのコース試走レポートの内容(刺激のあるコース。最後の上りは喘ぐことになるだろう)というのが一種のトラウマになっていて先が思いやられます。何故ならばひたすらに下っているここを帰りには上らないといけないのだから。
ここでちょいと一息つき視線を周りへ。山々の間でヘリコプターがホバリングしているのが見えています。カメラクルーが同乗して帯のように連なっている我々の様子を撮影していることでしょう。
軽く左折して国道452号線にしばしの別れを告げ、更に下って清水沢市街地へ。明らかな無人駅が右側にあり道の両脇からは思いの外多い声援がかかります。「頑張れ~!」「頑張ってよ~!」しかしそれらの声の主は高齢者がほとんど。これが紛れもない現実なのでしょう。老人保養施設らしき建物からも温かい声援がかかり私は鳥肌を立たせていました。そして出来得る限りそれらの声援に手を振りつつ「ありがと~!」と叫び返していました。
ようやく第一給水ポイントが見えてきます。コップの絶対数が不足でもしているのか足を止めないまでもかなりスピードを落とさないと手に取れないほどそこは混乱しています。これもまた初開催の成せる業。いちいち目くじらを立てるつもりはありません。しかしここで思いっ切り目くじらを立てたいアクシデントが発生。4月24日にヨド○シカ○ラで購入し、6月11日に不具合による現品交換をしたカシオPHYS500ラップが突如意図せぬラップを刻み始めたのです。時は号砲から31分20秒後。全く本体には触れていないのに1秒後にピッ。今度は2秒後にピッ。1.5秒後にピッ。結局7回無意味なラップを刻んでしまい、ただでさえ距離表示がなくペースを把握しづらい点に拍車がかかってしまいました。
キツい上りが1km弱続きスピードがガクンと落ちてしまいます。その横を快調に走り去っていったのは前述のYさん。私と同様ズングリした体躯ですがとにかくこの人は速い。ここに至るまで私の後方にいたこと自体が不可解なぐらい。あっという間にその背中は遥か彼方へと遠ざかっていきました。
第二給水ポイントを経てから右折して国道452号線へ。ここから走路は軽い上りへと変わります。Wooooooo~と白バイが反対車線側を猛スピードで走り去って行きます。この先で何かアクシデントでも発生したのでしょうか。しばらく行ったところでランスカの女性を追い抜きます。この人は私と対照的で見事にシェイプアップされた体躯をしており、思わず追い抜くまでしばらくストーカーランをしてしまいました(笑)
坂を上りきったところで2km程平坦な道が続きます。嗚呼助かった、太腿のキツさをわずかばかりでも解消できるかも。ここで前述のランスカ女性が一気に私を追い抜いていきます。しかしあまりの急激なペースアップにこちらの方が心配になるほど。そしてその予感は的中し、まもなくこの人は歩道へフラフラと進み行ってしまいます。熱中症でしょう。その直前に抜き去った教祖様Sさんが沿道のスタッフに「あの人熱中症!だから早く搬送してあげて!」とアドバイス。さすがですね。
夕張高校を左に見て進む南清水沢でも予想を遥かに上回る声援が贈られ私はついに秘蔵の反応を返します。それは、
「一緒に頑張ろうね~っ!」
クサかったかな?(笑)
私の目に特別養護老人ホーム
「清光園」
の看板が飛び込んできます。瞬時にして脳裏に記憶が甦り、ジーンとなった出来事をここでひとつ。
秋10月の結婚が決まっている1990年夏、その前年からここに入居していた女房の父方の祖父をお見舞いに夕張を訪ねたことがありました。道東の有名観光地在住の義父母(当時はまだ赤の他人だが)と夕張で待ち合わせ、園内の車いすに身体を委ねる祖父と初対面。脳軟化症の症状が出ているわけではない祖父は明朗な声で「初めまして」 その声は張りがあり驚かされたもの。それもそのはず、後年聞くと若い頃は民謡で鳴らした人だというのです。義父(当時はまだ赤の他人だが)が「この秋に○○(女房)が結婚するんだぞ」と伝えると「あの小さかった○○が結婚するのか」 そして顔をクシャクシャにして泣き出したのです。
結婚3年目にして男の子を授かった年にも見舞ったことがありました。夏に義姉を伴って女房の実家を訪ねる際、義父母が祖父の見舞いを兼ねて夕張まで向かい、そこで合流してUターンしたことがあります。0歳児を初お目見えすると祖父は目を細めて「おお、そうかそうか。可愛いなぁ」 そして「でもこんな不自由な身体じゃ抱いてやることもできないしなぁ」とまた大泣きしたのです。
左の丘の上にハッキリと見通せる特別養護老人ホーム「清光園」の建物を見ると、不自由な身体で最晩年を過ごした祖父の姿が思い出され力が湧いてくるのを感じました。冒頭夕張を訪ねるのは19年ぶりと記しましたが、正解はこのとき以来の14年ぶりだったのですね。
『ウソだべや~』
「残り5km」の看板通過。初めての(私が気付いた)距離表示。タイムは1時間09分16秒。16km強を通過してそのタイムということは残り5kmを5分/kmまで落ちたとしてもゴールタイムは1時間34分台。去年から絶不調のハーフなので私にとっては満足いくタイムです。
以下残り1km毎のラップ:5分27秒、5分01秒、5分06秒、4分43秒と来て、残り1kmのスプリットは1時間29分33秒。(よしっ!これで34分台は確実だから33分台を狙ってやろう。 呼吸が苦しく足も重たい。だけど33分台を何が何でも記録してやるんだ!)
(by:読売新聞)
球場が左に見え真っ直ぐ先には我々を慰労しゴール地点へといざなう横断幕が。(我ながらよく頑張った。この暑い時季に33分台は誇れるタイムだ)
が、しかし・・・
延々と続く先行者はそこを左に曲がってくれません。曲がらないどころか見通せないぐらい先まで直進しているのです。(ん!)と不安になり始めた私(達)にいち早くゴールしたランナーが大声で「あと2km!」と叫んでいます。(え~~っ!マジぃ~っ!ウソだべや~)
その先はあまり記憶がありません。左に団地らしき建物があったか、と。この段階で残り1kmの看板から優に1km以上は走らされています。マグマのように赤く激しい怒りが沸々と込み上げてきます。そして誰に言うともなく「な~にが残り1kmだよっ!」と叫んでしまいました(猛省)
左折を2度してまた団地を左に見ながら直進。これがまたとてつもなく長い。左折するとちょっとした上り坂。これがまたシンドい。右折してから競技場までがまた遠い。テントなどが張られている中を走り抜け、やっとの思いで右折して競技場内に入れば土のトラックに入れてくれずにアスファルト路面を1周。呼吸が限界で大袈裟じゃなく私はもう死にそうでした(苦悶) ゴールまでまだあと1周もあるのです。しかしここでpuaさんが「○○さん、頑張って~!」と声をかけてくれたので少し息を吹き返し、自陣付近に佇むトモさんの姿を見て平静を取り戻しました。ようやくようやく、ついに
ゴールゲートを潜ることを許され土のトラックへ。心臓が口から飛び出そうになるのを必死に抑えつつ4分の3周。悪あがきで1秒でもタイムを縮めてやろうと思うのですから我ながらさもしいですねぇ(笑)
そしてゴール。息も絶え絶え 青息吐息 呼吸困難 酸素欠乏 全ての言葉を重ねて100倍しても覚束ない苦しい苦しいレースが終了した瞬間です。9月2日、3年ぶりに参加する10kmレースはいったいどんなことになるのでしょう。それでも喘ぎながら走る我々の姿を見た夕張市民が少しでも元気になってくれたなら幸甚です。私も元気を分け与えられましたし、来年ももし開催されるなら(たぶん)参加の運びとなることでしょう。
~残り5km?:1時間09分16秒。
残り4km??:1時間14分43秒。 5分27秒。
残り3km???:1時間19分44秒。 5分01秒。
残り2km????:1時間24分50秒。 5分06秒。
残り1km?????:1時間29分33秒。 4分43秒。
ゴール:1時間43分19秒。 13分46秒。
ラスト1kmも一生懸命走ったんだけどおかしいなぁ・・・(爆)
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