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2007北海道マラソン
2007北海道マラソン
2007年9月9日(日)
『4年連続4度目の参戦』
参加者本人である私も含めて誰も予想し得なかった6月24日開催の第22回サロマ湖100kmウルトラマラソンのゴール。苦しくも楽しいワッカを抜けてから2km強のヴィクトリーロードは一生の思い出となることでしょう。最後の血の一滴まで使い果たしてのゴールは完全燃焼以外の何ものでもありませんでした。しかしその後の私を待ち受けていたのは完全燃焼がもたらす重篤な燃え付き症候群。故障とインフルエンザに苦しみほとんど走ることができなかった2~3月を経て4月は220km、5月と6月は大会込みで各々321kmと272kmを走破した私の走行距離は7月わずか131km。(気が抜けた) (走る気にならない) (走りたくない) etc。今思い出してもそれはひどいものでした。その前までは毎晩熱心に続けていた筋トレもサボり続き。
ようやくその惨状から脱出するきっかけとなったのが7月28日の走友会練習会34km走と8月5日の北海道マラソンコース試走会。特に後者は真駒内競技場外周をスタートして今年初設定された5km付近の第一折り返し地点を確認するとても有意義なものとなりました。酷暑に見舞われた8月のお盆休み6連休も1回あたりの走行距離はさほどではないにせよ1日を除く5日間を走り込みに当て、また月末前日30日の帰宅後に灯りひとつないダチョウコースを16km走り、どうにかこうにか月間走行距離が最低目標の200kmに到達しました。
大会が近づいてくるとこういった看板が札幌市内のあちこちに目立ってきます。
これらを目にすることで(2007北海道マラソン近し)を知る札幌市民も多いことでしょう。と同時に内心(また交通規制で札幌市内がマヒするあの迷惑な大会が開催されるのか!?)と感じる人も多いはず(汗) そして我々参加者は2007北海道マラソンに対する意欲が充填される実感を覚えるのです。
サロマ湖100kmウルトラマラソンと同様にナンバーカード引替が大会前日のパークホテル内に限られるこの大会。最大の懸念事項である関節痛の防止と鼻がグスグスする風邪に似た症状をどうにかしてもらうべく心酔するK整骨院での治療を終えてから今年もご近所の仲良し走友であるジュンジュンさんとそこに出向きました。ご近所とはいってもサロマ湖100kmウルトラマラソン以降なかなか逢う機会がなく、彼女とはその大会当日以来の再会。午後から各々所用のある我々なので地下鉄中島公園駅で下車したのが午前10時前。引替開始はその10時なのでまずは完走のイメージトレーニングをするべく中島公園内をブラッと散策。ゴールゲートも大会後に荷物を渡される場所もまだこの状態でした。
ゴールのイメージを充分膨らませてからパークホテル地下2階「パークプラザ」へ。誘導する看板と引替場所。そして即売所までもが設置されています。これは初めてのこと。商魂たくましいなぁ(笑)
帰宅してからはとにかくグータラ生活。なにしろ食っちゃ寝、食っちゃ寝。前日金曜日から始めた2日間の忌まわしき休肝日の怒り?をぶつけるかの如く怠惰dayに終始しました。温めの風呂に浸かって夕食はサンマの刺身と肉じゃが。ギュッと一杯飲りたくなるメニューでしたが封印。私はフル以上の場合3日間、フルの場合2日間、それ以下の距離の場合でも最低前日だけは休肝日設定にするのが迷信という名のおまじないなのです。「不慣れなことは止せ」という雑音を排してでも。
大会当日は6時半に目が覚めました。常日頃からの習慣としてまずはPCを起動し、拙ブログの管理画面へ。しかしその日は唐突な感の否めないメンテナンスday。それも終了予定時刻は午後とのこと(涙)。2007北海道マラソンにかける意欲をこの場で世間様に公言するつもりでいた私はさっそく肩透かしを食らった格好。しかしこればかりはどうにもならないため卵納豆の朝食を済ませて午前8時45分に自宅を出発。毎年恒例で女房子供とガッチリ握手を交わしてから。自宅から一番近い地点を通過する新琴似一番通りの往復に今年も女房にいてもらい、痙攣防止用の塩水とエネルギー用のロールケーキを2切れ手渡してもらう段取り済み。
昨日も行動を共にしたジュンジュンさん、同じくご近所走友のchocorunさん、そしてさいたま市に(終の)ではなく(仮の)棲家を構えておいでのNO.71さんと同道。途中の中島公園駅からはムコレンジャーことOgamanさんも地下鉄に乗り込んできます。あ~でもない、こ~でもないと弾む会話は終点の真駒内駅まで続きます。このリラックスムードが完走のおまじないなのです。そこからは走友のtanさんとも合流しスタート地点の真駒内屋外競技場を徒歩で目指します。途中でトイレに立ち寄ったり水分や食料を補給したりでゆっくり30分の行程。そこでそうたママさん、けんいちさんと言葉を交わします。到着した真駒内公園ではタケダファミリーマラソン開催の真っ只中。2006北海道マラソン完走記にも書いたように2003年8月31日には私もこの大会10kmに参加後そのままゴールの真駒内競技場に居座り、スタートを前にしてズズッズズッと整列する2003北海道マラソン参加者の帯を目の当たりにし、身体中に鳥肌を立たせて(来年は絶対に俺もこの大会に出るんだ!)と決心したものです。
懸命に駆けるタケダファミリーマラソン参加者の邪魔にならないよう注意しながら走友会集合場所を目指します。すると早いうちに会場に乗り込んでいたメンバーが陽を遮ることのできる最高の場所を今年も確保してくれていました。感謝。時は10時過ぎ。まずは女房手作りの梅干おにぎり1個をガブッ。続いて素甘。その間も4日前から飲み続けているクエン酸たっぷりのメダリストをチビリチビリ。今回のナンバーカードは四隅に穴が開いているのでサロマ湖100kmウルトラマラソンスタート地点の湧別町で購入した
が役立ちました。これは前夜のうちに自宅で取り付け済みなので安心。皆さん、これはお勧めです。ランシャツに穴が開かずに済む上に安全ピンで錆びつきもしないため重宝しまっせ~。
トイレに近い集合場所だったので往来の人が多くいろいろな旧知の人との再会も果たせました。これもまた大会の楽しみでもあるもの。パパさん、おおひろさん、ユウトパパさん、シーハイルさんetc。お互いの健闘を約束し、中島公園での再会をも約束してそれぞれの陣地へ。メダリストをもう一度飲みアミノバイタルプロを1袋服用。発汗による下半身(特に太腿)痙攣防止のアスリートソルトを5~6粒。更には股ズレ防止のためにワセリンをたっぷり内股へ塗り込みます。毎度おなじみ赤いビニール袋に手荷物を詰め込みそれを移動用のトラックに預け入れて競技場内へ。その少し前ににわか雨がサーッと降りましたが走路は早くも乾いています。与えられたナンバーカード順にプラカードが立てられ自分の集合位置を確認してから軽いアップ。ゆっくりと2周しただけで滝汗が噴き出してきます。いつもフル以上のレースではアップを一切しない私ですが今回は敢えて序盤をハイペースで突っ込む予定だったので。そうこうしているとテレビリポーターを務める千葉真子さんが関係者に導かれて私の至近を横切ります。小柄で華奢な体躯に愛くるしい表情が印象的でした。
今年は初めて陸連登録者と一般競技者のスタート地点が分けられた。約1,900名の前者は真駒内競技場で後者約3,500名は真駒内公園内の走路。俺を含む陸連登録者が集結した真駒内競技場は去年まで約5,000名の参加者で膨れ上がった状況と一変し、整然そのもの(でもないかな)。与えられたナンバーよりも前に潜り込むけしからん族の姿は見かけない。前には走友会の大先輩ランナーK谷さん。右に目をやれば色鮮やかな黄色のウェアに身を包んだsibaさんとカッチさんの姿が。筋トレを2ヶ月以上もサボってしまった俺だけど、ここまできたら四の五の言ってなんざいられない。サロマ100kmをゴールした己の走力を信じよう。場内に「正午の気温は27度です」とアナウンスされ参加者からどよめきが洩れた。イエローチップは装着済みだな。シューズの紐を念のためにもう一度縛りなおそうか。おっと後方から参加者の帯がズズッと前へ迫ってきた。ありゃ~、K谷さんの姿を見失っちゃったよ。これで完全なる単独走を覚悟だな。観客席を見渡してもいつものブラスバンドがいない。どうしちゃったんだろう。スタートを2ヶ所に分けられたことにより観客数も圧倒的に去年までより少ない。ヘリコプターと太腿をペシペシ叩いて気合を入れる音だけが響く。ここにきてようやく意欲が充填された。やってやる。絶対に俺は中島公園に辿り着く。なんとしても4年連続4度目のゴールを果たしてやるんだ。
号砲一発。
『スタート』
ロスタイムは自己計時で17秒。帯の中央付近にいる私の視線の先には疾風のごとく駆け去っていく先頭集団の姿。陸連登録者と一般参加者のスタート位置が分けられたせいで例年よりも明らかに少ない観客席の人の数と、やはりブラスバンドの姿が今年は見当たらず少々寂しいスタート風景。競技場内に「スタート時の気温は29度」と発表があり、私を含む日本語を理解できる全員からさっきよりもっと強い溜息が漏れるのを耳にします。競技場から真駒内公園へ出る走路を駆け上がり左へ。ここは思いの外混雑せずに済んでいます。札幌マラソンのときには最後に我々を苦しめる競技場横の上りを今日は駆け下ると今回私が懸念していた陸連登録者と一般参加者との合流地点が見えてきました。しかしここも予想以上にスムーズに進んでいます。
アイスアリーナを左に見ながら五輪通りを右折。去年から採用になったダラダラ上りコースです。1km通過は5分20秒程度。ここで走友会のT野さんを交わします。T野さん、今年は中島公園で逢えると良いのだけれど。良く目立つウェアに身を包んだおまちゃさんの後ろ姿が見えてきました。見事に絞り込まれた体躯。「絞れてるよ。だから大丈夫」と声をかけ前方へ。Ogamanさんの姿も見えていますが我々は帯の左右反対側に位置しているので声をかけるのは控えました。なんとか3年ぶり3度目のゴールを果たされますように。
どうも馴染めない右側通行。センターライン上に置かれた赤白のコーンを越えて反対車線を走る族の姿も。そうこうしていると先頭ランナーの姿が。速いっ! ダラダラ上りを終えてセブンイレブン前を左折し、今大会から採用になった中央分離帯のあるコースへ。少々下っておりスピード超過を防ぐべくブレーキをかけながら走っています。対向車線側には高速ランナーの帯が延々続いていますが、それを全て目で追うと人に酔ってしまいそうなのでまっすぐ前だけを見て走ります。といいつつもこの至近で商売をしている6月まで担当していた得意先の人の姿がないかチラチラ沿道に目をやる余裕はあるのです(笑)
ここで私の勘違いが発覚します。私は事前に入手していた交通規制マップで第一折り返し地点の位置をセブンイレブンから2~300m先にある小学校付近と判断していましたが、実際はその遥か先の行き止まりになるT字路がそれだったのです。私の勘違いと思い込みで複数の方にガセネタを提供してしまったことをここで深くお詫びします。
またここで号砲寸前の行為を悔やむ出来事が発生します。それはシューズの紐。紐が解けることでイエローチップが落下するのを防ぐべく最後にギュッと縛り直したことが裏目に出て足の甲、特に左のそこに痛みさえ覚えるほど。アップ前にもしっかりと結んだのに余計なことをしたもの。バカですねぇ。
三角錐の物体に軽くタッチしてUターン。今度は軽い上りです。チラッと反対車線に目をやると続々ランナーが来るわ来るわ。しかしその後は視覚に異常を来たさないようまっすぐ前だけを向いて走ります。走友会のSさんの姿が見えてきました。追い越しざま「暑いっすね?」「うん、暑いわ」 真駒内競技場の走友会集合場所で一服点けていたSさん。(タバコを吸いながらフルマラソンかぁ。すごいなぁ)と妙に感じ入ってしまいました。
5km地点通過:25分35秒。関門封鎖まで6分24秒の余裕。誤作動疑惑を払拭できずとも今日の友と決めたカシオPHYS500ラップは今のところ順調。
右折して初の給水。給水所前の看板にはテーブルの数を示す(8-1)だの(8-3)だのと書かれています。これは水不足で大混乱を招いた2006北海道マラソンの反省を活かしたもので、ランナーからの要望を取り入れた大会事務局の誠意が感じられました。ここから先はしばらく下り。それを利したハイペースを(調子が良い)と判断するのは愚の骨頂なのでここでも少々ブレーキをかけながら。アイスアリーナの横で走り慣れた左側車線へと導かれると前を行くランナーはみな木陰を求めて歩道側へ。しかし私は密集状態が苦手なのでセンターライン側に走路を求めます。
8km付近で走友会のキレイどころがドリンクを差し入れしてくれる手筈になっているので歩道橋をくぐった辺りから歩道側へと走路変更。大勢のランナーと歩道の観客とでなかなかその女性を見つけられずにいましたが、ようやく懸命の応援をしてくれるキレイどころからキンと冷えたアクエリアスを手渡されます。イヤ、沿道からの補給行為はご法度のこの大会だけにキレイどころの手からアクエリアスを私がもぎ取ったということにしておきましょう(笑)
ミュンヘン大橋付近で去年応援してくれた職場の同僚の姿は見えません。「当日は休日出勤だったんですよ」:後日談
ここいらでなんとも言いようのない違和感を覚え始めます。1年1度の大一番北海道マラソン。なのに・・・こう・・・なんというのか・・・、どうにも意欲が漲ってこないのです。いつもは鼻息荒く駆け抜ける中の島通りなのに。なんでだろう。後半つらいレースになる予感が・・・。
10km地点通過:49分17秒。この5kmのラップ:23分42秒。10分42秒の余裕。走友会のスーパーエースSさん直伝のラップを順調に刻んでいます。
平岸街道と合流する個人医院前でいつもジーンとくる演奏をしてくれる平岸小学校の生徒達の姿が今年は見えません。おやっ!と思っているとその先の店舗駐車場に今年も彼等彼女等はいてくれました。相変わらず熱いその演奏に私の鼻の奥がツンとなり涙腺が緩みます。(ありがとう。みんな今年もありがとう。みんなのおかげでようやく意欲が漲ってきたよ。俺、今年も頑張って絶対に中島公園に辿り着くよ)
給水ポイントのある西友平岸店前通過。6月まで担当していた20年来の付き合いの得意先女性が今年ここにいないのは承知しています。ラベンダーで有名な富良野市の実家で法事だそうなので。
打ち合わせどおりその先すぐに母の姿が見えてきました。まだまだ団子状態で私の姿を見つけられずにいる風情なので大きく手を振りバナナを半分渡されます。「サンキュー」と一言。父の姿は何故か見つけられませんでした。
大歓声の地下鉄平岸駅前通過。ドンドコドンドコとその前から聞こえていた太鼓の音の発信元がようやくわかりました。平岸小学校ブラスバンド同様に店舗の駐車場で太鼓を叩いている人がいたのです。私はふと2005北海道マラソンの札幌工業高校応援団を思い出しました。暑い最中、真っ黒い学ランに身を包み太鼓を打ち鳴らしてくれた彼等。彼等のおかげでガス欠状態に陥りながらも私は2年連続2度目のゴールを果たしたのです。
北海学園大学前を通過。その先のセイコーマート前に同じ勤務先の人がいてくれることになっています。この人は私と同じ2004年に歓喜の北海道マラソン初参加初完走を果たした人。しかし2005年・2006年と連続リタイヤし、今年は春先の体調不良もあって今日の大会エントリーを見送った私より10歳年長の人。するといました、この人が。私はかなり前から大きく手を振って自分の存在をアピールし、大声で「中島で待ってて下さいっ!」と叫びました。大きく頷くこの人の姿に私はとてつもない動機を与えられました。
バッチリと交通規制された国道36号線を横断する際はいつものように両サイドを視認。遠くで警官が天下の往来を規制してくれていてありがたいこと。(迷惑している人も多いことでしょうが、お願いします。どうか1年1度だけ(だけでもないが)我々ランナーに公道を使わせて下さい)と手を合わせながら。 菊水整形外科の窓から毎年声援を贈ってくれる入院患者の姿が今日は見えません。勤務先本社の看板を横目に一条大橋への軽い起伏。
15km地点通過:1時間12分48秒。この5kmのラップ:23分31秒。15分11秒の余裕。演奏と母と太鼓と同僚とでペースアップしています。
『痙攣発生』
いづみさんとかおちゅうさんを交わします。走力が私を上回るいづみさんがこの位置にいることが不可解で「いづみさん、ガンバです」 かおちゅうさんにも「かおちゅう、ガンバ」 今年も中島公園で逢いましょう。
国道12号線を横断し、ねっとらんのウェアを着て応援している女性を横目にセピア色のアンダーパスをくぐり鉄北地区へ。しかしこの上りが意外と堪えて右足中指の付け根に早くも痙攣の兆候が生じてしまいます。5年半のランニング歴でもここが痙攣するのは初体験。去年ほどではないにせよ気温の上昇により体内に変調が発生したのでしょう。この先の東8丁目通り(通称:北光線)はほとんど記憶に残っていません。後方から照りつける激しい陽射しから首筋を保護して熱中症にならないよう注意しただけ。それともう1つ、走友会のMさんが沿道のMさんサポーターから差し入れをされている姿。そこでMさんを交わします。「Mさん!」 「先に行って下さい」 こんな短い会話を交わして。
左折して北24条通りを西進。左から照りつける陽射しがやはり強烈です。去年よりも手前でまたバナナを差し入れてくれる母の姿発見。ドニチカキップはこういうとき便利。お盆らしき物体の上にはバナナと小さなおにぎりらしきものが見えていますがここでもバナナを拝受します。
創成川を渡って北区へ。市内有数の繁華街である北24条付近はいつも違法駐車で埋め尽くされていますが今日は片側2斜線の道が整然となっています。ここでも両脇から大声援がかかります。私は走りながら指の骨をポキポキ鳴らす妙な癖がありますが、ここでそれをしたところ左の親指が攣ってしまい少々慌てました。この癖を今日は封印しましょう。
20km地点通過:1時間37分13秒。この5kmのラップ:24分25秒。18分46秒の余裕。高い気温と右足先の痙攣が気になってペースダウンしています。
走友会のMさんに交わされます。「調子はどう?」 「走り込みが足りなかったのでキツいです」 この辺りに住む私の従兄弟が家族を伴って応援に来ているかな?と思い、ちょいと周りをキョロキョロしましたがその姿はなし。というのかお互いに気付かなかっただけかもしれません。広大な北海道大学の構内を左に見ながらひたすら西進し、それが終わりを告げたところで右折。その手前でユウトパパさんの姿を発見し驚き。
ハーフ地点通過:1時間42分44秒。このままで行けばサブ3.5は有望だが・・・。
今日2度目の走友会キレイどころからの差し入れ、じゃなく強奪(笑)。 今回はパワーバーでした。開封しやすく適量。直後に給水ポイントもあり理想的なサポートでした。身体に力が漲るのを実感します。感謝。 右折して琴似栄通りに入るところも大観衆。真駒内駅から競技場への道すがらお話しした高速ランナーけんいちさんが苦しげに。故障明けで調子が上がらない様子。ここで先導車が見えてきました。そしてその後間もなく日本人先頭ランナーが。帰宅後にビデオを観るとこの直後、後続に抜かれたようです。
それにしても不思議なもの。私はこの大会に初参加した2004年から今年まで先頭ランナーと必ずこの琴似栄通りですれ違います。それはただの一度も例外なく。5分30秒/kmを遵守した2004年・2005年も5分/kmよりも速いラップを刻んでここまで至った2006年も今年もです。琴似栄通りのコースはせいぜい1km強程度なので奇遇な何かを感じずにはいられません。
左折して本大会最長直線区間(約3.8km)の新琴似一番通りへ。程なく昨日手渡してあったロールケーキと塩水を持った女房の姿が見えてきます。しかしスピードを緩めずに受け取ろうとした、じゃなく強奪しようとしたのであえなくそれは蟻のエサへ(涙) まぁいいや、塩水を手にして空きコップを次男に戻せたし蟻助けもできたし。
仏頂面でどうにもならない職場のオヤジが今年も愛用のデジカメ片手に沿道へ。「○○、頑張れ!」 「オイッス!」 後日手渡されたSDメモリーカードにはいかにも機械に不慣れなオヤジが撮影したらしく斜めに写っている私の姿がありました(笑)
食堂とスーパー銭湯と靴屋と薬局が密集した地点を通過。(ここでOgamanさんと感激で一瞬の初対面を果たしたのは2003北海道マラソンだった。あれからもう4年か。早いものだ)
アキレス腱痛で無念のDNSを選択した私が敬愛するランナーの走太郎さんが沿道から声援を贈ってくれたのはこのすぐ先。(走太郎さん、ありがとうございます。必ずここまで戻ってきます)と内心手を合わせます。
25km地点通過:2時間02分07秒。この5kmのラップ:24分54秒。23分52秒の余裕。そろそろシンドくなってきた。
給水ポイントに見覚えのある女性の姿が。naruさんです。「naruちゃん!」 しかし懸命に作業を続けるnaruさんにはその声が届きません。ハンドルネームが良くないのかもと判断し本名を思い出そうとします。とても必死に。(うーんと・・・なんていったっけなぁ。naruちゃんの本名はなんていったっけなぁ・・・。えーーっと・・・) ここでピーンと来ました。「Mさん!」 無事にnaruちゃんは反応してくれました(笑) naruちゃんこの暑い日にどうもありがとう。ここで同じように給水ボランティアをしてくれているはずのyokkoさんには残念ながら気が付きませんでした。
この前後で私が知り得るナンバー1高速ランナーのソンスさんとすれ違います。迷惑と思いつつ「○○さん!」と叫ぶとソンスさんは手を挙げ応えてくれました。感激。こういうあたりがソンスさんの人格者たる所以なのです。
この先で「○○さん、頑張って下さい!」と明瞭な声で私にエールを送ってくれるかなり高齢の女性がいました。視線をそこに向けて「ハイッ!」と返事をしましたが全く見覚えのない顔。しかし先方はかなり親しげに笑みを湛えて私を見つめています。(誰だろう??? いったいどこの誰なんだろう???)
去年は追分通りを1度右折して200m先の中央分離帯が途絶えるところが第一折り返し地点でしたが、今年は序盤の真駒内で距離を稼いでいるので左折します。その先右側には「これが俺の生き甲斐なんだわ」と真駒内競技場で公言していた走友会の大先輩Yさん率いるエイドテーブルと幟が見えてきました。私は大きく手を振り出走前に預け入れたアミノバイタルプロのゼリータイプ(がんばろう!夕張マラソンフェスティバルの完走賞)を手渡されます。ニュルニュルっと口へ流し込み、ふんだんに用意された給水ポイントで水を飲むと身体に元気が甦ってきました。しかし今年も我々の行く手を阻む障害物がその先にデンと構えておいでです。それは稲積橋。どうということのない角度であり距離なのに27kmを走破してきた己にはとてつもなく高いハードルに感じるもの。それは今年も同じでした。頭から水を被り、肩から二の腕にもジャンジャン。去年の轍を踏むことなく大量の水が用意されていると聞いていたので体温上昇と太腿の痙攣を防ぐべく。
第二折り返しの赤いコーンに軽くタッチしてUターン。ここで「アザラシさん!」と声援がかかります。ちかたんです。全く思いもよらないところでの声援だったので私は「オオッ!」となんとも無粋な反応しかできませんでした。そろそろ体力を気力でカバーする頃合に差し掛かるここいらでの温かい声援に私はとても力付けられました。
2度目の稲積橋を渡り切り、平坦になったところが30km地点。
30km地点通過:2時間27分44秒。この5kmのラップ:25分37秒。24分15秒の余裕。ついに5分/km以下の維持ができなくなりました。
今大会私の最大目標ゴールタイムは3時間と一桁。努力目標は3時間10分台。最低目標をサブ3.5に設定していました。しかしその前者2つは右足中指の痙攣が発生した段階であきらめ、サブ3.5死守に替わっています。ですがその目標クリアまで残された時間は1時間02分と少々。25kmから30kmまでの5kmに25分以上を要した以上、この先12.195kmを5分/kmで走り通すのは甚だ困難。ここで私は目標を柔軟に変更し2006北海道マラソンで記録した大会自己ベストタイム3時間35分49秒の更新に置き換えたのです。それでも残りタイムは1時間08分あまり。筋トレサボりによる太腿前面の痙攣気配が著しくなってきた今なので、決して余裕があるとは言えません。そこで今こそサロマ湖100kmウルトラマラソン時に考案したスタスタペタペタ走る方法(通称:スタペタ走法)に切り替えるべし、と判断します。足を必要以上に前後に振らず、地面を蹴ることで増加する太腿への負担をとにかく減らすべく努力します。
復路の新琴似一番通りはとにかくつらかった。単独で奮闘するmamikさん。気付くのが遅れたため通り過ぎたその後ろ姿に「mamik頑張れ!」 mamikさんからは振り向きざまに反応がありました。走友会のMさん(先述のMさんとは別人)苦しそう。ますたーがこちらに気付いて手を振ってくれます。走友会のI会長も苦戦模様。chocorunさんの姿も。 「○子さん、ガンバ!」 「もうダメ~!」 「最後まで頑張って!」 そしてついに終末車が。パトカーが「はい、何番の選手。歩道へ上がって下さい」 その先にはナンバーを外して立ちすくむ人、しゃがみ込む人、嘔吐している人、精魂尽き果て横になる人、収容バスが1台・2台・3台。その中には無念そうな顔・顔・顔。冷酷で残酷、しかしこれは大規模な交通規制を必要とする今大会に不可欠な行動なのです。
私の周りでもやはり精も根も尽き果てる人が大勢。電柱に手を付いてふくらはぎを伸ばす人。路肩にしゃがみ込む人。完全に横になってしまう人。ついさっき颯爽と私を抜いていった見覚えのある人もほんの20分後にはへたり込んでいます。恐るべし夏の大会。夏の大会恐るべし。
(でも俺は負けないぞ!絶対に中島公園に辿り着いてやるんだ!4年連続のゴールを果たすんだ!)
この辺りだったかで少年野球の子供達が整列してハイタッチを求める姿が。彼等に元気を与えられ、また与えることができるならばと全員とハイタッチをする私。
往路でも声援を贈ってくれた高齢の女性がまた「○○さん、頑張って下さい」とエールを贈ってくれます。やはり見覚えのない人。後日この謎は解けました。母の昔の仕事仲間だった人だそう。昔の仲間の息子がこの大会に出ると聞き、母に私のナンバーを事前に聞いておいたというのです。私がこの人を知らないのも無理からぬ話でした。
太腿の痙攣予兆は顕著になってきました。いつそこがピーンと痙攣しておかしくない状態。少しでもその状態に陥るときを先送りすべく給水ポイントで紙コップを手にして頭と太腿とに被ってきた私。しかしそれが逆効果になる瞬間が訪れます。受け取った水を太腿前面と裏面とに浴びせかけると右の裏面がついに完全痙攣を起こしたのです。ところは32km付近(記憶曖昧)。手にしていた紙コップを放り捨てて路肩に退避。内心(クッソ~! 俺はもうダメなのか?) 必死に痙攣部位を伸ばすストレッチを約5秒。すると実に幸い、幸甚なことにそれは治まってくれたのです。気力を振り絞って再び走り出す私。サロマ湖100kmウルトラマラソン80km過ぎのワッカを思い出す光景です。
(あきらめないぞ、絶対に! 絶対に俺はあきらめないぞ!)
女房がまだいてくれました。手にまたロールケーキを持って。しかし手先が覚束なくなっている私はまたもやそれを蟻のエサにしてしまいます。しかし塩水はしっかりと拝受。かなりの濃度の塩水のはずなのに全く塩っ辛く感じないのです。
左折すると我が走友会と友好関係にあるチームの高速ランナーYさんがトボトボと歩いている光景が。無意味な声かけは控えて横を抜き去ります。この辺りから目立ってくるのが善意の第三者による食料の差し入れ。私の左前方にいる人がバナナを1本拝受し、私に「半分食べませんか?」 この段階で空腹感は皆無でしたがせっかくの申し出を素直に受け入れることにしました。
ユウトパパさんに再び追い付きます。私:「大丈夫ですか?」 ユウトパパさん:「大丈夫です。1度追い抜かれて追い抜き、今また追い付かれたんですよ」 私には追い抜かれた記憶がありません。 「ムリしないで下さいね」 と言い残し前へ。内心(アナタは我々の希望の星なのですから)
35km地点通過:2時間53分56秒。この5kmのラップ:26分12秒。26分03秒の余裕。急な失速があった割りに健闘か。
水を並々満たせたたらいが置かれています。嗚呼この中に浸かってこの太腿を冷やすことができたらどんなにかラクだろう。新川通りに左折する交差点はまだ大観衆が。先頭が通過してから優に1時間以上が経過しているのに何故こうも札幌市民は温かく優しいのか・・・。
集団で来た私の周りでしたが、ここでとうとうそれがバラけ始めます。ガクンとスピードが衰える人。ついに立ち止まる人。歩道へ退避する人。歩き出す人。しかし私は耐えています。太腿の前後がまたいつ痙攣を起こしても不思議じゃない状況。苦しい苦しい苦しい苦しい。しかし自分の意志で歩き出したり止まったりだけは絶対にしたくなかったのです。武蔵女子短期大学前~札幌工業高校前~エルムトンネル前を通過すると北海道大学の農園横の長い長い直線。去年よりも沿道の人の数が少ない気がします。軽く左カーブをすると右側に札幌市立病院があるはずですがその記憶は皆無。さっきよりも更に長い直線に私は苦しみ抜いています。それは参加者全員が同じこと。
JR桑園駅で下車してまたここに母がいてくれるはずですがその姿が見当たりません。おかしいな?と思いつつ北大横の走路からJR線をくぐるあたりまで来るとようやく母がいてくれました。紙のお盆を手に「チョコがあるんだけど」 速度を緩めて「うん、じゃそれをもらってくわ」 ビニールの袋に包まれた小さなチョコ2個。すると瞬時にして身体中にそのエネルギーが行きわたる実感があり残り4kmと少々を走り切る意欲もが湧き立ったのです。
植物園横の直線。反対車線では交通規制にウンザリした表情のドライバーの顔・顔・顔。ごめんなさい。もう少し、あともう少しで交通規制が解除されるのでそれまで勘弁して下さい。左折して北大通りへ。南側の木陰を走り直射日光を避けます。去年はここで沿道の人の声援に応える余裕がありましたが今年は全くダメ。ただひたすらに足下に視線を落として地獄に耐えている私です。
40km地点通過:3時間21分20秒。この5kmのラップ:27分24秒。26分39秒の余裕。体感では6分/kmペースなのだが。
『ヴィクトリーロード再び』
右折して札幌駅前通りへ。遠~~くにゴールである中島公園の緑色の木々が見通せます。遠いなぁ(涙) 旧第一勧銀の前にも三越の前にもパルコの前にも観客が鈴なり。去年は(声援がかかる)~(手を振り返す)~(また応援される)~(気分を良くして今度は両手を振り返す)を繰り返した私ですが今年は全くダメ。一切のパフォーマンスを封印せざるを得ないのが実情です。千秋庵前に用意された最後の給水で紙コップを摂り、少々喉を潤してから空きコップに母から差し入れられたチョコのビニール袋を忍ばせて戻します。
すすきの交差点を過ぎた辺りから私の前方を走っているランナーの友人らしき3~4名が歩道で大声を上げて並走をし始めました。年の頃なら二十代前半というところ。「ギャ~ッハッハッハッ!」 「走ってるぞ~、おい!」 「おめー速え~よ。もっとゆっくり走れよ」 ハーフマラソンぐらいならばこのけしからん族を一喝してやるところですが今日はダメ。逆に(これは友人に対する彼等なりの乱暴な祝福なのだ)と考える私。きっとこの考えが正解なのでしょう。
北海学園前で応援してくれた10歳年長の職場の先輩がここにいてくれました。物静かで大きな声を出すことなどないその人が「○○!ラストだ!頑張れ!」と大声で熱き声援を。私は思わず鳥肌が立ちジーンとしてしまいました。
走友会のベテラン女性3名がボランティアで沿道整理をしてくれています。その全員に軽く会釈をして懸命の走り。右側にはこの7月から新しく担当することになった得意先が。その先にようやくこの光景が見えてきました。
まさに待望久しいこの風景。今年もここに戻ってきたぞ!
石畳のところで、
走友会のキレイどころが「○○さ~ん!」 それに呼応して「(大会)自己ベストだ~」 「キャ~ッ」 これはうれしかったなぁ。
ボート乗り場の横を過ぎ、
軽くカーブすると北海道文学館が見えてきました。
そしてその先には4年連続となるゴールゲートが。
私の胸には様々な思いが去来します。
(サロマ後の重い燃え尽き症候群から立ち直るのには苦労したっけなぁ。7月は燃えカス同然だった。20kmから早くも生じた痙攣兆候と実際に痙攣した32km地点以降はつらかったなぁ。ひところはこの大会で3時間一桁を目指していたがそれは来年の目標としよう。故障や持病で走りたくても走れない人がいる中で4年連続ゴールできるのだから満足じゃないか。走友会の人、母、(この時は)見知らぬ女性、大会スタッフ、ボランティア、そして普段から好き勝手やっている俺に何も言わない家族に感謝だ。)
機は熟しました。ラスト約80mの直線で帽子とサングラスを外します。左手に帽子とサングラス。そして両手を高々と上に挙げ満面の笑みを湛えて4年連続4度目の北海道マラソンゴール。
よっしゃ~~~っ!
『2004年:号泣』、『2005年:歓喜』、『2006年:気合』に続くキャッチコピーは、『2007年:感謝』
全ての人と事象に感謝しています。
~5km:25分35秒。
5km~10km:49分17秒 (23分42秒)
10km~15km:1時間12分48秒 (23分31秒)
15km~20km:1時間37分13秒 (24分25秒)
20km~25km:2時間02分07秒 (24分54秒)
25km~30km:2時間27分44秒 (25分37秒)
30km~35km:2時間53分56秒 (26分12秒)
35km~40km:3時間21分20秒 (27分24秒)
40km~フィニッシュ:3時間33分08秒 (11分48秒)
~ハーフ:1時間42分44秒
ハーフ~フィニッシュ:1時間50分24秒
大会自己ベストタイムを2分41秒更新。
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