Running&Climbing

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第28回北海道ロードレース

第28回北海道ロードレース


2007年10月21日(日)



『今シーズン10km最終戦』


幼い頃から走るのが速かった長男は途中2度ほど洩れた学年がありましたが運動会の花形リレー選手で親としてそれは楽しませてもらいました。2年前の春中学に入学するとさっそく陸上部に入ります。当然短距離を志すのだろうと思っている私の予想を裏切り、彼は中距離を専門種目に2年とちょっとの選手生活を続けました。6月の中体連以来これといった運動をしていないらしき彼なのである日私はこう誘います。「S(長男)。10月21日はお父さんとお母さんの結婚記念日だから何か美味しい晩ご飯でも食べようと思っているんだけど、その前に日中お父さんと一緒に北海道ロードレースの10kmに出てみないか?この大会は中学生もハーフの参加資格があるけどそれはつらいだろうから10kmに。どうだ?」 数秒沈思黙考の末「うん、きっとゆっくりとしか走れないけど中学最後の記念に出てみる」 その週末土曜日に彼を伴ってスポーツショップで合計4,000円のエントリーフィーを払い込みました。

秋はマラソンシーズン真っ盛りで練習会に大会にと華盛り。私は週末ほとんど家にいません。須らく家族との会話も希少極まりない有り様。ましてや中学3年生の長男ともなれば思春期真っ只中で父親との会話など日に数えるほど。一度もない日さえ。ある晩給水をしている私に彼が「お父さん、今度の日曜日のマラソン大会なんだけど、その日に僕が通っている学習塾の学習テストがあるんだ。なのでそっちに今回は出ようと思うんだけど。お父さんがお金を出してくれたのにごめんなさい」 おずおずと、しかしキッパリとこう切り出した彼の考えに私は賛同しました。これで6年連続6度目で今シーズン道内最終戦となる北海道ロードレースには単独参加となることが決まったわけです。ちょっぴり残念ですが高校受験生ともなれば優先順位を考えれば賢明な判断です。そしてまた呼吸困難の息も絶え絶え状態に陥るのを恐れて回避し続けていた10kmレースに3年ぶり3度参加したこの秋はとても良い経験が出来ました。

当日はご近所走友のchocorunさんを助手席に乗せてさし上げ会場の真駒内競技場に到着。時は8時30分。狙っていた真駒内競技場側の駐車場は既に満員で五輪通りを挟んで反対側の真駒内アイスアリーナ横に駐車しました。今にも泣き出しそうな天気の下を5分程度歩いて真駒内競技場へ。ここでハーフに参加するchocorunさんとお互いの健闘を誓い各々の集合場所へ。私はいつものように走友会の面々が待つ待ち合わせ場所。ここで外に目をやると、とうとう雲から冷たいものが落ちてきました。程なくそれは本降りに。先が思いやられます。

雨スタートライン1


この時季の大会ではウェア決定に悩む私ですが今日は即決。上は白い長袖Tシャツに走友会のランシャツを重ね着し下は愛用のCW-X、手には薄いランニンググローブとしました。10時スタートのハーフ参加者を見送りいよいよ我々の順番です。やや小降りになった中、軽くストレッチをしてから競技場内をアップします。ゆっくりでも走り出せば感じるのは風。それもとても冷たい風。長袖Tシャツを纏ってこれは正解でしょう。

5年前マラソンを始めた年にもこの大会に参加し、千歳JAL国際マラソン~札幌マラソンに続き10kmレース3度目にして初めて50分を切りずいぶんよろこんだものだった。今シーズン12度目の大会は道内最終戦。呼吸困難状態に陥るのが恐ろしく、参加を見送ってばかりいた10kmレースにこの秋だけで3度出場。こんな悪天候じゃタイムなんざ望めやしない。なので今日はファンランに徹しよう。目標タイムは50分切り。

号砲一発。



『ずぶ濡れ』


警戒してはいたもののスタート直後の水溜りに足を踏み入れ、愛用のスカイセンサーJAPANはさっそくずぶ濡れ。無駄なあがきと知りながらそれでも次の水溜りを避けるべくピョンピョンと跳ねながら競技場内を1周と4分の3。2007北海道マラソンと同じく真駒内競技場南門から退場します。左折する地点でS水さんとGOさんが声援を贈ってくれています。GOさんは今日10km初挑戦の奥様へ並走をすると聞いていたので内心(オヤッ?)と思いました。

ファンランを決意しているとはいえ、やはりあの号砲と前を行く人の背中はアドレナリンを噴出させる何かがあります。私はペースアップを図ります。走友会の人2名を交わし、軽くスラローム走法で(笑)徐々に前へ。走友会のスーパーエースSさんの黄色い帽子は遥か彼方。I会長の特徴ある後ろ姿は2~30m前方に。それではこの後ろ姿を目標にさせていただきましょう。

公園内走路の1km付近にガンと存在する上り坂。今年は真駒内公園内での練習を1度もせず、また去年まで連続参加していた豊平川ラン&ウォークが不参加、アコムマラソンが大会消滅で当然不参加だった私にとってこの上り坂は去年のこの大会以来ちょうど1年ぶりのことです。散策する人を横目にして早くも喘ぎ気味にここを駆け上ります。下りで幾分ペースアップし中央橋付近へ。

いつもは野球少年で賑わう太陽の広場もこの悪天候で閑散としています。そこを通り過ぎると河川敷へと続く緩やかな下り坂。この緩やかに思える下り坂が復路ではその刃を我々に向けるのですが。ここにS水さんがデジカメを手に待ち受けていてくれました。後日拝受した写真では私はにこやかな笑みを浮かべ手を挙げています。

走路は水浸し。真駒内競技場を退場した段階で靴はずぶ濡れ。雨はそれなりに収まってきていますがその頃もう私は汗だくの濡れ鼠。水溜りを避けるといったムダな行為はもうしません。セコいと言われようがなんだろうがとにかくコース最短距離を選んで走ります。


5km地点通過:20分57秒。宣言どおりのファンランですね(笑)


ミュンヘン大橋が近づいてきました。走友会のM尾さんが熱血応援をしてくれています。その横には両親の姿が。札幌市内での大会には必ず応援に来てくれる両親ですが、スタート前に実家に電話して「今日は寒いし天気も悪いのでくれぐれも応援には来ないでよ」と伝えてあったというのに・・・・・。ありがとう、親父&お袋・・・・・(涙)  名前を呼ぶ声に振り向くと福ちゃんの姿が。福ちゃん、去年はいろいろとあったけど応援してくれてありがとう。僕は今でも元気に走っているよ。どうもありがとう。

雨は一向に止みません。水溜りを避けるべく草むらを走るとそこはもっとたっぷり水を吸っている始末。折り返し地点では前方を行く人に目を向ける行為を控えます。私のモットーとして(誰に勝ちたい)のではなく(敵は自分自身)というのがあるからです。まもなくまたミュンヘン大橋。相変わらずM尾さんと両親、そして福ちゃんが声援を贈ってくれています。私はその全てに声にならない声で応えました。

走友会のI会長の姿が近づいてきました。私よりも20歳も年長のこの方はスリムな体躯を目一杯利して快調な走り。しかしさすがにペースが落ちてきたようです。交わす際には一応一言「ガンバです!」と声をかけました。

GOさんが向こうから迫ってきます。今日は奥様の初10kmのサポート役。お二方ともにこやかに笑みを返してくれました。ご夫婦で共通の趣味なんて私には羨ましい限りです。

河川敷から堤防への上り坂。何度となく、そして幾度となく経験してもここを私は心底苦手にしています。まして今日は息も絶え絶え&呼吸困難&心臓爆発状態に至る10kmレース。苦しい苦しい苦しい苦しい。だけどここを上り切ったところが残り1km地点だったはずだ・・・。

鮭の科学館へと至る橋をくぐるところは更にひどい水浸しですがもうそんなこと構っちゃいられません。フォームも気にしちゃいられず非効率な走法なのを承知の上で脚を後ろへ蹴る蹴る(笑) 太陽の広場を左に見ながら急な右折をして五輪通りの下をくぐるとゴール地点の真駒内競技場からスピーカーを通じたアナウンスが聞こえてきました。(もうすぐだ。もう少しでこの苦しい道内最終戦のピリオドだ・・・) するとそこに声援を贈ってくれる人がいます。走友のヨーイチさんとひでさんです。「○○さん、ガンバ~!」 「はいっ!」 やっとの思いでこう返しました。ヨーイチさん、ひでさんどうもありがとう・・・。

中央橋の上りがまた苦しい。しかしこの大会は2週間前に挙行された札幌マラソンの底意地の悪いコース(笑)と異なりこの橋を渡り切って真っ直ぐ先がフィニッシュ地点。ラストの頑張りどころ。少々キツめの下りを経て真駒内競技場へ入場。

フィニッシュライン2


ただでさえ走りやすいとは決して言えない緑色のマットが今日は水を含んで更に走りづらい。しかしこの条件は参加者全員に共通するもの。文句を言わずに最後のダッシュ。雨の降る中、両サイドで応援してくれる人へ感謝しながら。5km地点以降は全く時計を見ない。見る余裕がなかったと言うべきか。

遅れて会場へ到着しても集合場所で充分なスペースを確保してくれていた走友会の人に感謝。わざわざ応援に来てくれたS水さんにも感謝。途中で応援してくれたM尾さん、両親、福ちゃん、ヨーイチさん、ひでさん、本当にありがとうございました。つくばマラソンではもうひと踏ん張りしてきます。

そしてフィニッシュ。時計をピッ!


~5km:20分57秒。

5km~フィニッシュ:21分15秒。

~フィニッシュ:42分12秒。


5年前の記録を6分23秒短縮した2007年道内最終戦です。



フィニッシュライン






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