第8話・ラビットVS偽彼氏


 T村さんが無線部に入部してくれるかもしれないという喜びでいっぱいのラビット。
 その勢いで彼女に電話をしたのはいいのだが、思わぬ状況に・・・。
 はたして彼はこの試練を耐え抜くことができるのだろうか?
 T村さんに真意はいかに!?


第8話 「ラビットVS偽彼氏」


「今彼氏と一緒にいるの・・・」
 ラビットは困惑していた。
(俺はどうしたらいいんだ??????)
 しばらくラビットが無言の状態でいると、急に電話の声が変わった。
「もしもし?」
 明らかに男の声である。
「あなた誰ですか?」
 電話の相手が聞いてきた。
 ラビットはこの男の言動に少し怒りを持ち始めた。
「そういうあなたこそ誰なんですか?」
 穏やかながらも怒りのこもった口調でラビットは言った。
「ああ?俺はこいつの彼氏なんだけど」
 ・・・?ラビットはさらに混乱した。
(どういうことだ?何もかもわからんぞ!) 
「は、はぁ、そうなんですか・・・。んじゃ、僕はお邪魔みたいなんで電話切りますね」
 と言って弱気になったラビットはすぐに電話を切った。
(いったいどうなってんだ・・・)
 とりあえず向こうから電話が掛かってきてはかなわないと思い、電源を切った。
 そしてすぐさまラビットは海ちゃんの部屋に向かった。
--コンコン--
しかし海ちゃんはでない。
--コンコン--
 一向に海ちゃんはでる気配がない。
 ラビの状況など知るはずもない海ちゃんは沈黙を保っていた。

 しょうがないのでその場はあきらめたラビット。
「俺、どうしたらいいんだろ・・・」
 途方に暮れたラビットはその夜、いつまでも見えもしない月をみていた。
 すでに夏の暑さが引き始めた頃の出来事だった。

--後日談--
 どうやらこの彼氏と名乗った男性は、T村さんの彼氏ではなかったようだ。
 少しうざいと思ったT村さんがとっさに仕掛けた罠だったのである。
 その事情をデラッチから聞いた海ちゃんは、
「なかなか悪どい事をするねぇ」
 と言った。
「だから、俺は彼女と付き合うような事をしないし、興味も持っていないんだよ」
 とデラッチが言った。
 なるほどね~と海ちゃんは思ったが、そういう性格だと知っていて、ラビに教えないとは・・なかなかデラッチも悪よのぉ。
 肝心のラビはというと、あまりT村さんと顔をあわせないようにしている。
 よほどあの事件がこたえたのだろう。
 ちなみに結局T村さんは無線部に入りませんでした。

[次回予告]
 ついに「玉ちゃん」という女性だけにターゲットを絞ったラビット。
 しかし玉ちゃんという女性はどんな人なのだろうか?
 そんな哀れなヒロインをラビットから救い出すことは可能なのか?
 いよいよその実態に迫る!

 第9話 「ラビット、玉ちゃんを語る」にご期待ください


※この物語は事実を元に構成されたノンフィクションです

     総監督 海ちゃん




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