漫画家・写真家玉地俊雄 紫煙のゆらぎ

漫画家・写真家玉地俊雄 紫煙のゆらぎ

2014.09.08
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カテゴリ: こんな夢をみた



オーディオ









           こんな夢をみた






金縛りなのか臨死体験なのか。

このまま真っ暗なアトリエのオーディオ設備をを前にして人知れず死んでゆくのだろうか。
アトリエ内部には人が居ない。
アトリエの付近には向かい側の壁の奥に老夫婦が住んでいる。
その方面には防音設備として雨戸が閉められている。

体が動かない。
目は見えているのに体が動かない。
当然声も出ない。

もっとも声が出ても雨戸の防音壁でどこにも聞こえね筈が無い。


ブルックナー



音楽が鳴り終わったのである。
余韻が素適なのでそのまま少しの間はじっとして居る事が多い。

やおらコントロールユニットでCDを取り出そうとして体が動かないという事態におちいった。
余韻が素適なのでそのまま少しの間をじっとしているから目ははっきりと見えている。
目が見えていると言う事は生きているはずだ。
目ははっきりと暗い中でのオーディオ設備をしっかりと認識している。

蛍光灯は毎秒スゴイ速さで点滅を繰り返しているから交流電源ノイズを発信して音楽を濁している。
だから全ての電源を消して音楽を再生して聴いている。

朝比奈隆のブルックナー第7交響曲は第4楽章を2度繰り返して聴いた。
第1楽章が鳴り始めてすぐに第2楽章と第3楽章の合間に有る、
マリモアザールの外から響いてくるやや高めの鐘楼の鐘の音が4つとやや低い音が5つ鳴り渡る。

合計がいくつだったっけ。

第4楽章はよく聞き取れなかったのか2度繰り返した。
第3楽章を聴いた記憶が無い。
これは夢幻だったのかまさか居眠りをしていたのかもしれない。



春の祭典



ピエールブーレーズの春の祭典は強烈な音楽を響かせる。
ちゃんと聴こえている。
ティンパニと大太鼓の低音部は ONKYO SL-1 がグッジョブをして心地よい。

今度は居眠りなどしていない。

第1部が終わって原始無のような静かな序奏部からティンパニの連打が強烈だ。
居眠りなどしていない。
最後の金管楽器と大太鼓が鳴り終わった。

目の前には暗い中でオーディオ設備のタイムカウンターなどがうっすらと見えている。
鳴り終わった余韻を長く取っている。
ちょつと長すぎるのではないか。

おかしい。
体が動かない。
目の前のオーディオ設備もさっき音楽が鳴り終わったときとなにひとつ変わっていない。
体だけが微動だに出来ない。



足



金縛り。

足すら動かそうと思っても動かない。
足に力も入らない。
足は少し左右に動かせれば下に落ちるようになっている。

足も見えているのに動かそうといくら頑張っても動こうとし無い。
アトリエには僕がたったひとりで居るだけである。
自宅ならばなんとか声を出せれば誰かがこの金縛りをといてくれるのだがここではそうはゆかない。

金縛りは実は怖ろしいのである。



手



まったく手が動かない。
手を動かして体の中央まで持ってこようとしているのだがまったく動かない。
意識がはっきりしている。
今回の金縛りはタチが悪い。

音楽が終了して余韻があって見えている情景も音楽終了時から連続して意識もはっきりしている。
すなわち生きているのに死んでゆくような状態ではないか。

このまま動けなければこのままで死んでゆくのだろうか。
背筋と首の下あたりにゾッとした悪寒が纏わり付いて来るようにも感じる。

もうすこしは生きていたかった。



蛍光灯



何事にも終わりがある。
ほぼ真っ暗のアトリエで死ぬのであろうか。
まあ仕方なかろう。

突然右の手が空をさまよってつかめる位置に有る蛍光灯のヒモをつかんだ。

アトリエの中に有る4つの灯かりを全てつけると明るい。
午後5時36分であった。
まだ死ねなかったようである。

こんな夢をみた
のだろうか













                                 玉地俊雄





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最終更新日  2014.09.08 11:08:06
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