漫画家・写真家玉地俊雄 紫煙のゆらぎ

漫画家・写真家玉地俊雄 紫煙のゆらぎ

2014.12.25
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カテゴリ: こんな夢をみた


永嶋慎二








                 こんな夢をみた








盟友永嶋慎二さんが隠居漫画家と称してストーリー漫画を描かなくなって16年。
突如最期の大仕事をすると宣言しました。

全頁色彩塗りの書き下ろし。

宮澤賢治作銀河鉄道の夜。
ほんとうに出来るのだろうか。
体力はあるのだろうか。




銀河鉄道



気力はある様子だがはたしてという危惧は正直なところである。
もう隠居漫画家宣言をして永い。

でも描くと宣言したのだから完成させねばならない。
アシストは誰が。

もう永嶋慎二さんの最期の出版物になるかもしれない。



手塚さんと永嶋慎二




都合のよい事に手塚さんが永嶋慎二さんに握手を求めてきた。
僕に手伝わせてください。
永嶋慎二さんはたいへん喜んでこの協力請負を受け入れている。

手塚さんはとても外面が良く知り合いの編集者にも直ぐ仕事よろしくと言ってしまう。
よろしくと言われた編集部は直ぐ仕事の依頼に来る。
仕事の以来を断れない手塚さんはこのスパイラルに大変苦しめられ続けた。

握手をしてしまったのだから 銀河鉄道の夜 に強力せねばならなくなってしまった。



相談



僕は手塚さんと 銀河鉄道の夜 の作業工程について相談をする。
どうも手塚さんは忙しすぎて手伝えないかもしれない。

僕ひとりで大丈夫だろうか。
永嶋慎二さんはどんどん下絵を描きペンで仕上げをしてゆく。

僕は色皿に透明水彩を水で溶いてたくさん並べてゆく作業を始める。
しかし空腹でもある。



織田作カレー



こんなに忙しい時は織田作之助が食べていた最初からかき混ぜカレーが効果的だ。
自由軒の織田作カレーを食べたい。

夫婦善哉という作品は知られているのだろうか。
僕は毎週のようにカレーを食べる。

色塗りは時間と緊張感と忍耐力との綱渡りである。
腹が減っては色塗りなど出来ない。



色塗り



とにもかくにも永嶋慎二さんの 銀河鉄道の夜 の色塗りは大変な作業だ。
床いっぱいに並べて単色ごとに塗る。
次の別色になればまた頭から塗り続けてゆく。

この作業が延々と続く。
マルデアニメーションの色塗り作業ととてもよく似ている。
時間との期限付きダッシュ競争である。



藤本弘さん



オバQの藤本弘さんも送れ馳せながらやってきた。
もう締め切りまで時間が無い。

藤本弘さんも締め切りには命をずいぶんと削った過去がある。
ドラえもんの連載が終了を迎えて次回作の推考に苦しみ抜きとうとう担当編集者に電話をする。


            「 すまないがもういちど ドラえもん を描かせてくれないか 」

永嶋慎二さんも全編カラー印刷の 銀河鉄道の夜 完成の瀬戸際にある。
藤本弘さんの応援は心強い。



銀河鉄道


銀河鉄道に乗り込んできた親子には母親が居ない。
男の子は裸足でしかも水に濡れている。

僕は懸命に色塗りを続ける。


こんな夢をみた









社団法人日本漫画家協会会員
                                    玉地俊雄





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最終更新日  2014.12.25 09:33:04
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