ユキと猫６匹と思い出３匹

本当はもっと早くに工事をしてもらうつもりだったが、今日漸く時間が取れたので、ルーターの交換工事に来てもらった。

汚い我が家に、電信電話公社のオッチャン（ワシにオッチャン言われたないわなぁ）がつかつかと上がってきた時、見た事の無い光景が展開された。

先ず、ユキさん、この子はまったく気にせずオッチャンを確認すると眠り出します。

カブキとバラモンは、箪笥の上からそれでも威圧的では無く、それでも決して友好的では無い目で見ています。

モンちゃんは、お約束通りに炬燵の中へ。

小鈴とポン太は、クローゼットの奥に隠れて顔も出しません。

うちのヤンチャ坊主達は実は、こんなに臆病者だったんだね。

そんなか、一人、いや１匹クロは違いました。

勇敢にもオッチャンの正面に立ち、それでも仕事の邪魔にならない様に適度な距離を保ちながら、

「客人、忙しい時に、おやっさんの無理を聞いてもらってかっちけない。あっしは、邪魔はしません。いえだからと言って決して客人の仕事を疑う訳ではありやせん。なに、あっしも若い時から職人に憧れてましてね。なに、邪魔なら言ってくんない。」

そう言うとドッカと座り電電公社のオッチャンを軽くにらみ付けた。

さすがのオッチャンもクロの迫力にビビったのか、ルーターの交換は僅か１０分足らずで終わった。

普段は、嫁のバラモンに舐められ、子のカブキ、モンチッチ

にバカにされ、他人のポン太、小鈴に罵られ、ワシに時々酔った勢いで頭をはつかれ、かあちゃんには「オカマ！！」と笑われても、いつもヘラヘラしているクロ。

家の中に敵？が現れた時いつもは見せないクロの男の顔

とうちゃんは、ちょっと惚れなおしました。