入院中の×〇


実家は隣の市、夜中に車で約1時間の距離・・・申し訳ない、と思いつつ心細かったので本当にありがたかった。
私はベッド、母はソファーで横になり主人の帰りを待った。
主人は4時に病院へ戻ってきた。
とりあえず大学病院のNICUでは24時間診てもらえるので前の病院よりは安心だ、との事・・・
ホッとしてやっと少し眠れた。

翌日からはおっぱいと格闘・・・
胸が張ってきていたので搾って冷凍にする方法を看護婦さんから聞いてやりはじめた。
ほんの少しでも大事だから、と5ccや10ccでも冷凍にした。
病院でもおっぱいマッサージの時間の連絡が入り行ってみた。
前の日に出産した7、8人がいた。
助産婦さんにやり方を聞きながらやっていると
「あなたは赤ちゃんがここにいないんだから頑張って搾ってあげないと・・・」
他のお母さん達が私の方を見た・・・
終わってから・・・私はほとんど部屋を出なかった。
2回目3回目のマッサージの連絡が入っても無視した。
赤ちゃんを抱いているお母さん達を見るのも辛かったし、子供がここにいない事を聞かれるのも嫌だった。
大袈裟に言えば話し掛けられるのも嫌だった・・・

とにかく部屋にこもって搾乳し続けた。
ありがたい事にたくさん出てくれた。
どんどん冷凍したのはいいけど部屋の冷凍庫に入らなくなり(冷凍庫も小さかったから)看護婦さんにお願いして新生児室の冷凍庫も借りた。
母乳がたくさん出ても嬉しい事ばかりではなく、1日中ほとんどおっぱいを触っていたので1日中張っていて熱を持ってしまい眠れなくなってしまい、アイスノンを借りて冷やしていた。
触れば余計熱を持つといわれ搾乳を短時間でするように言われた。
でも息子にしてやれる事はこれしかなかったので退院まで搾乳し続け、胸に手形が出来るほど頑張った。
後はNICUに電話をし、今日の状態と体重は何グラムですか?と聞く毎日だった。

とにかく息子の顔を見ていない、写真もない、触った事もない状態だったので退院が待ち遠しく、退院したその足で主人に大学病院へ連れて行ってもらった。
病院が近くなり、嬉しいような、怖いような、複雑な心境に・・・
それでも早く会いたくて冷凍の母乳を手にNICUへ向かった。


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