「修道女ヘレン・ムロスラ」

「修道女ヘレン・ムロスラ」

修道女であり、教師であるヘレン・ムロスラは、彼女がまだ
寄宿学校で教えていた頃の事を語り続けています。
 当時、彼女が受け持っていたクラスの男子生徒達は、いつも
互いに喧嘩ばかりをする、わんぱく少年達ばかりでした。
ある日へレンは、クラス全員の名前が書かれた紙を一人に一枚
づつ渡し、それぞれ彼らが他のクラスメート達に対して、最も
良いと思うところ、好きだと感じたところを各名前の横に書かせ
ました。
そしてその紙を回収すると、へレンはその後で別の紙を生徒の
人数分用意をし、他の生徒が思った「素晴らしいところ」を
各生徒ごとにまとめてリストにし、それぞれの生徒に渡したのす。
その紙を貰って、驚きと喜びの気持ちで読んだ少年達は、それぞれ
に声をあげて叫びました。「皆が僕のことを、こんな風に思って
いたなんて!。」
それから何年もの歳月が流れました。ある日彼女が休暇から帰宅
すると、ヘレンの父が彼女にこう告げました。
「昨晩エックランド氏という方から電話があり、彼のご子息が
ベトナム戦線で亡くなられたそうだ。おまえに、お葬式に出席
してもらいたいとの事だよ」と。
ベトナム戦争の犠牲となったその青年は、彼女が昔、寄宿学校に
勤めていた頃の教え子のひとり、マークでした。
 葬儀の後、エックランド氏はマークの当時のクラスメート達と
共に、ヘレンを家に招きました。居間でしばらく歓談していると、
エックランド氏は突然、へレンに言いました。
「是非お見せしたいものがあるのです。私は息子の遺品の財布の
中から、こんなものを見つけましてね・・」。その財布を開ける
と、彼はその中から、黄ばんでくちゃくちゃになった、けれど
見覚えのある一枚の紙切れを取り出したのです。
それはまぎれもなく、昔、へレンが教え子達に書かせて、マークの
素晴らしいところをまとめた、あの一枚の紙切れでした。
するとその時、その場にいた一人一人が、静かに微笑みながら、
自分達のポケットの中から、財布やカードケースを取りだし、
そして彼らのあの紙切れを取り出し始めたのです。
 へレンは当時のことを回想し、語ります。
「私にはただ座って、泣く事しか出来ませんでした。」
 何がマークに、15年もの長い間、彼の行くところの全ての
場所、地球の裏側の、死と向き合う場所へさえまでも、その一枚の
紙切れを持ち運ばさせたのでしょうか。
― 答えは「感謝」です。
 今日、今でもあなたの傍に、その感謝に飢え、傷ついている人達
がたくさんいます。
どうぞ彼らに「感謝」を示して下さい。
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「わたしは、あなた方のことを思い出す度に、私の神に感謝しま
す」

(フィリピ1章3節) エーメン


とてもステキなお話しを何時も有難う御座います.
感謝・感謝して・・・エーメン


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