巨頭星団クラブ

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2004年01月30日
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2004年になって初めての日記になってしまいました。
21世紀になって4年目に入るわけですが、政治や環境などの人間を取り巻く情勢は混迷を深めているように見えます。かつて日本が万国博覧会を開いたときに掲げたスローガンの「人類の進歩と調和」などは過去の幻しと化したかのような有様です。
一般市民あるいは食客である宇宙人としては憂慮しつつも希望を捨てずに、同じ一般民衆である皆さんにこの状況をしっかりと認識して頂くべくさらなる努力を続けるつもりですので、旧年に引き続きよろしくお願いいたします。
さて今年最初の話題ですが、ちょっとソースとしては古いのですが例によってNew Scientistから地球環境のさらなる悪化の懸念について取り上げてみます。

皆さんはpH(ペーハ)という言葉をご存知ですよね。周知のように酸性、アルカリ性を表す数値のことですが、中性が7、低くなっていくと酸性、高くなるとアルカリ性となります。ペーハという読み方は実はドイツ語読みで、現在では英語読みのピーエッチも一般的になってきています。
pは指数(英語のPOWER、ドイツ語だとPOTENZ)を意味し、Hはおなじみの水素(Hydrogen)の頭文字です。
ペーハを日本語にすると、水素イオン濃度、あるいは水素イオン指数となります。水素イオンの量は酸性度を示す目安になるのですが、数値が低くなるほど水素イオン濃度が高い、というのもおかしな話ですよね。実はこの数値は10のマイナス何乗かを表す指数をマイナスを取り除いて表記しているためなのです。
したがって、pHが7から6になると水素イオン濃度は10倍、5になると100倍という具合に10の何乗という大きさで変化します。ところでこの数値はモルという化学で使われる単位で表されるのですが、詳細は少しややこしいので省略させていただきます。

New Scientistでの話題は大気中の炭酸ガスの増加が海洋の表層部の水を酸性化していくことに関するものです。表層部とはいってもそこには人間が依存している海洋資源の大部分が集中していますので、われわれにとっての生命線と言っても過言ではありません。今、その海洋の表層部に重大な異変が起ころうとしているのです。
炭酸ガス(CO2)が海水を酸性化する原理は単純なもので、大気中の炭酸ガスが増えるにつれ、ガス平衡によって水に溶け込む量が増え、結果として海水中の炭酸イオンや水素イオンが増加することによります。酸性雨は地表だけではなく海にも降り注いでいますし。
では、どの程度酸性化しているかですが、先ほど触れましたpHで表しますと、第三氷河期の直後海水のpHは8.3でしたが、人間が炭酸ガスを盛大に吐き出す直前には8.2、そして最近では8.1まで落ちています。それでもまだアルカリ側ではありますが。
そしてこの先、海の酸性度はどうなっていくのでしょうか?科学者の試算によりますと、もしこの調子で世界の人口が増え、石化燃料が無くなるまで燃やしつづけるとすると2300年頃には大気中の炭酸ガス濃度は現在の5倍である1900ppmまで上昇します。この増えた大気中の炭酸ガスを表層部の海が吸い込むとそのpHは7.5くらいまで下がるものと予想されています。いったん下がったpHは数百年はそのままであろうということも含めて。

そこまで炭酸ガスが増えますと、気温の上昇はなはだしく、極地の氷はあらかた溶け出し海水面の上昇、気候の大変動により地上の生物は壊滅状態になってしまうと予想されますが(もちろん人間も含めて)、今は海の生態系だけに限って見てみますと、どんな海洋生物がもっとも影響を受けるのでしょうか?
主には外骨格生物でその組成が炭酸カルシウムが主成分である生物、珊瑚や貝類あるいは藻類が大打撃を蒙ることが予想されます。海水のpHが下がると、水中に溶け出す炭酸カルシウムの量が増え、結果的に炭酸カルシウムを固定しやすい環境が失われるからです。pHが7.5まで下がるとこの類の生物の量は現在の40%以上減るであろうという予測もあります。
海の豊かな生態系の源である珊瑚が激減すると、海洋の生物相はみるみる単純化し、多様性を失う恐れがあるのです。これは最近の沖縄の報道機関の調査ですが、石西(せきせい、石垣島から西表島にかけての海洋)珊瑚群はすでに20年前に比べて、その総面積の約3/4が失われているというニュースもありました。
さらに藻類は、まさに海洋の表層部にあり、その葉緑素によって炭酸同化作用で陸上の植物よりも多くのガス交換活動を行っています。藻類の衰退は地球温暖化に拍車をかけることでしょう。

悪いことに温暖化の影響は海洋の酸性化に留まらず、表層大気の温暖化による打撃もあります。つまり大気の温度が上がるにつれて、当然海洋表層部もひきずられる格好で温度上昇が起き、その結果、海洋の内部との循環がうまくいかなくなり、深い部分の海の栄養分が表層部に回らなくなってしまうのです。海洋生物にとってはさらに厳しい環境になってしまうことが考えられます。

さて、いろいろと可能性について述べてきましたが、この結果海洋の様相がどうなり、地球全体の環境にどのような影響を与えるのか、これについては専門家であるはずの海洋科学者たちにも直ちには予測がつかないようです。
彼らのおおむね一致した見解は、具体的な予測はし難いが、恐るべき状況をもたらすことには間違いがないであろうということです。
悪化した環境に合わせてシステムを変えて切り抜けるという手もありますが、ことは地球全体にかかわることですし、文明に浴さない地域、あるいは弱小国の同朋を救うことは難しいでしょう。何にも増して無数の要素がお互いに関係しあって築かれた地球という生命体の終焉を招きかねないことを肝に命ずるべきでしょう。
青いルビーのような稀有の存在の地球が、荒涼とした砂漠のような星に変わってしまうことを恐れるのは地球人だけではないでしょう。
トリトンの怒りを買う前になんとかしたいものですよね。





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最終更新日  2004年01月30日 18時28分46秒
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