New Scientistでの話題は大気中の炭酸ガスの増加が海洋の表層部の水を酸性化していくことに関するものです。表層部とはいってもそこには人間が依存している海洋資源の大部分が集中していますので、われわれにとっての生命線と言っても過言ではありません。今、その海洋の表層部に重大な異変が起ころうとしているのです。 炭酸ガス(CO2)が海水を酸性化する原理は単純なもので、大気中の炭酸ガスが増えるにつれ、ガス平衡によって水に溶け込む量が増え、結果として海水中の炭酸イオンや水素イオンが増加することによります。酸性雨は地表だけではなく海にも降り注いでいますし。 では、どの程度酸性化しているかですが、先ほど触れましたpHで表しますと、第三氷河期の直後海水のpHは8.3でしたが、人間が炭酸ガスを盛大に吐き出す直前には8.2、そして最近では8.1まで落ちています。それでもまだアルカリ側ではありますが。 そしてこの先、海の酸性度はどうなっていくのでしょうか?科学者の試算によりますと、もしこの調子で世界の人口が増え、石化燃料が無くなるまで燃やしつづけるとすると2300年頃には大気中の炭酸ガス濃度は現在の5倍である1900ppmまで上昇します。この増えた大気中の炭酸ガスを表層部の海が吸い込むとそのpHは7.5くらいまで下がるものと予想されています。いったん下がったpHは数百年はそのままであろうということも含めて。