04/12/09日記

2004年12月9日日記 「久々に虫の知らせがあって」



久々に虫が知らせた話です。

昨日の夜十時過ぎに妹からメールあり。
「クロのおいちゃんがとうとう亡くなったって。3日前に亡くなって、でもお母さんらー
 今日聞いて仏さんを拝みに行ったって。お姉ちゃん個人の名前で(別所帯だから)もお香典
 置いてきたからおばちゃんから連絡あるかも」

はぁー・・・ おいちゃん、とうとう亡くなったんか。長かったなぁ。

クロのおいちゃんは黒河さんという。うちの実家が勢いよく商売やってた頃、何人もひとを
雇ってた。おいちゃんの奥さんであるクロのおばちゃんもその一人。おばちゃんには私がまだ
母のお腹にいる頃から可愛がってもらった。第二の母の一人でもある。うちの両親は祖父母から
商売を引き継いですんごく忙しくしていたし、店でチョロチョロするとお客さんの邪魔になるから、
私達チビ助は必然おばちゃん達の仕事している工場で勉強したりおしゃべりしたりして時間を
過ごした。つるつる布フェチだった私はシュミーズを、耳たぶフェチの妹は耳たぶを触らせて
もらいながらいつもお昼寝していた。当時うちで働いていたおばちゃん達はみんな快活で元気で
前向きで知的で魅力的な人ばかりだった。

おいちゃんはたまーにおばちゃんを迎えに来たけど、いつもニコニコ優しくて控えめだった。
5年前に庭の木を剪定中はしごから落ち、打ちどころが悪くてそのまま植物状態になった。
おばちゃんの希望もあってお見舞いに行ったことはなかった。元々細身だったおばちゃんは
会う度に痩せていた。


実はおいちゃんが亡くなったという3日前の日曜日、ふとおいちゃんのことを考えたんだ。

一人っ子に憧れていた私は時々おばちゃんちにお泊りさせてもらっていて、5歳くらいの頃
着いてきたがる妹を突き飛ばしてまたおばちゃんちに泊まりに行った。翌朝起きたら、朝の
早いおばちゃんはもうテキパキと家事をしていて、隣で夜勤明けのおいちゃんが眠っていた。
私が帰るときおいちゃんはこっそり500円玉1個をお小遣いとして握らせてくれて、母に
ばれて没収される前に全部使い切ったろーと思ったら、駄菓子屋の前で同級生のお母さんに
ばったり会って野望叶わず、ブリキの貯金箱にコツンと貯金した・・・という思い出を。

この思い出は、「意地悪姉エピソード」「一人っ子願望エピソード」「無駄遣い大好き
エピソード」を考えるたび出てくる思い出ではあったのだけど、何の脈絡もなくある晴れた
平和な日曜の午後、思い出すといった種類のものではなくって、私は「ん?」と思った。
思ったけどそのまま忘れてしまった。


そうしたら、おいちゃんの逝去の知らせである。


夜分遅かったけれど、おばちゃんに電話をしてみた。やはり起きていた。励ます立場の私が
既に泣いている。おばちゃんはすごく気丈で、「あの事故の後の5年は寂しさに慣れる様に
おいちゃんが私にくれた時間だって気がすんだよ」「本当の寂しさが襲ってくるのはもう少し
時間が経ってからだろうけどね」と。

おいちゃんの夢を見た話をした。ふっとおばちゃんが涙声になった。あぁ私の涙が止まらない
のは、大好きなおばちゃんが悲しいのが悲しいんだ。奇しくもおいちゃんが亡くなったのは、
5年前あの事故が起こったのと同じ日だって。すーっと眠るように亡くなったって。

おいちゃん安らかに。おばちゃんお疲れ様でした。兄さんが悲しい私を見て悲しそうな顔を
していたので、最後にそれだけ伝えて電話を切った。


やー しかし、人間が心の深いところに持つアンテナってのはバカにできないよ。昨夜は
本当にそう思いました。





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