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2020.05.28
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カテゴリ: 読書感想文
江國香織さんの小説『赤い長靴』を読んで。心がざわついて、この心のざわつきを何かに書き留めておきたいと思った。

大昔、ミクシーに読書感想文を書き連ねていたことを思い出す。しばらの間、毎日書いていたように記憶しているし、読み返したいけど、アカウントもパスワードも忘れてしまった今では確かめようもない。ブログも同じ末路を辿るかもしれないけど、それでも良いような気がする。

日和子という主人公の目線で短い物語が続く。久々に読んだ江國香織作品だったからか、最初の物語を読んだときは、あまりのあっけなさに次の物語まで1週間くらい読書欲がでなかった。でも、再読し始めると止まらなくなった。

夫婦という形でなくとも、会話の中で、この人と私は、異空間にいるのではないかと感じることってある気がする。その「すれ違い」の恐怖が、読むのを止めてくれなかった。途中で日和子の旦那、逍三目線の物語が唐突にでてくるので、二人の気持ちのずれが少しずつ修復する結末を、両方の目線から書いてくれるのではと期待してしまう。それでも、逍三目線は少なく、日和子の視点で物語は進んでいく。日和子のバイト先の若い男の子が、名前を持つ登場人物として出てくるのも、これまたこの先の不倫があるのではと想像してしまう。それでも、相変わらず日和子の日常が彼女の目線で続いていく。



どうして江國香織さんは、逍三という名前を選んだのだろう。「逍」という字は、パソコンで書いてみるととても難しい。それに、改めて本を開いてみると、彼の名前はほとんど全てのページに登場している。彼がいない場面でも、日和子の頭の中は、逍ちゃんでいっぱいなことがわかる。逍三だって、外出先で日和子を想う。お互いがいない外の世界では不安になり、不安になるほどにお互いを想う。

だけど、一緒にいると膜で覆われていてお互い違う世界にいるかのよう。

キャッチボールができない。

もの悲しさが心をざわつかせて、そのざわつきが何故か心地よい。





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最終更新日  2020.05.28 20:32:17
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