世界で一番愛する人と国際結婚

難攻不落の男を夢中にさせる為の努力

ブランとほぼ毎週末、土曜か日曜日のどちらかの日は
必ず会うようになった。平日の夜もよくDinnerをした。

つまり、無事カップルとしてのお付き合いがスタート
したということだ。

幸いなことに、ブランのマンションは私の職場の目と鼻
の先だった。当時は私の仕事が忙しく、平日のデートの
待ち合わせが夜の11時や深夜12時なんてこともあった。
夜の11時からでも12時からでも、私は喜んで会っていた。

その後、初めてお互いの年齢を知った。
（と言うより、IDを見せてもらった。）
私の相手に求める理想の年齢は、8-10歳くらい年上の人。
ブランはちょうどそれくらい年上だと思っていたら、
実際はもう少し上だった。
更に子供はいないが、一度離婚歴のある人だとわかった。

でも、そんなこと一切かまわなかった。私は彼に夢中だった。
食事中に彼を見ているだけで、うっとりと自分がバターのように
溶けてしまいそうな気がした。

ただ、ブランは私に対して誠実でいつも優しかったものの、
強いパッションのようなものが感じられなかった。

年齢のせいなのか、持って生まれた性格なのか、

『彼が私を好きよりも、私のほうが彼をもっと好き』

という感覚が常にあった。

いや、単に私にメロメロではなかっただけか。

そのころ私達は、2000年のカウントダウンを一緒に迎えた。

よっしゃ！ブランにもっともっと私を好きにさせてやろうじゃない。
夢中にさせてみせるわっ。

私はますます意気込んだ。そして、以下のことを実行してみた。
これは４．以外は今でも続けている。

１．ブランとのデートの前は、国際関係とアメリカに関する
ニュースをチェックして、時事問題の話ができるように頑張った。
暇ができれば、本屋さんでアメリカの歴史や政治家に関する本を
立ち読みしていた。

２．ブランが好きだと言う映画（1940年代のものから現代まで）
は、次のデートまでに見てきて、お互いに感想を話し合った。

３．アメフト大好きなブラン。日本にNFLが来た時も一緒に
見に行ったし、アメリカにも観に行った。私はさほど興味が
なかったが、彼と一緒に楽しめるようにと必死でルールを覚えた。

４．料理を習った。元来私は面倒くさがりなのと、家にいる時間が
すごく短かったため、ほとんど料理しなかったが、
ブランには作ってあげた。

たまに作る私の料理を、ブランは恥ずかしいくらい異常に
褒めてくれた。

それもそのはずだ。

紀伊国屋の高級食材を使った、フランス料理やイタリア料理。
オードブルからデザートまで、コースにして一皿ずつ出していた。
もちろん時間がかかるものは自分のマンションで
作って暖めればいいものをタッパーで持参していた。

私が、持参した半作りかけのお料理の仕上げにかかる間、ブラン
はジャズやクラシック音楽をかけながらテーブルセッティング
をし、キャンドルを灯し、毎回様々なワインを開けてくれた。

月に2、3回だったが、ブランの広いマンションのダイニング
で食べる私の手料理は、高級レストランさながらの豪華さだった。

当時は私の仕事が本当に忙しかった。残業が月100時間を
越える月もあった。
おまけに元々、ブランより私のほうが趣味が豊富で外出好
きだった。日本にいるのだから、友人も私のほうがずっと多かった。

滅茶苦茶働いて、趣味を楽しんで、友人とも食事をして、、、、、

今までの生活を変えずして、上記を実行するのは目が回る
ほど忙しかったが、私の情熱のほうが勝っていた。

つづく

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