BLUE GARAGE

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RedWing



RED WING 8179E black

はじめて目にしたのは、たしかMEN’S CLUBという本だったか・・・
「ヘビーデューティー」という発音も変換も難しい単語とともにゴツイ登山靴(に見えた)にジャケットを羽織る外人モデル。全体像はどうあれ、なんだかカッコイイ靴だという感覚だけはありました。

それから数年後、それは自身を輩出したブランドや歴史を後回しにして「アイリッシュセッター」と言う言葉から耳に入ってきました。

その頃は後にバブルと言われる混沌とした世の中だったようで、様々な物が(者が)巷に溢れていました。しかし保守的な国民性はできる限り自分の理解できる範囲に「物」をまとめて括ることで情報を整理していたようです。

それが「渋カジ」であり、ヘインズのTシャツであり、501とニューバランス、そしてワークブーツでした。

アイリッシュセッターという変な生き物が描かれた作業靴を履くことが渋谷を歩く免罪符のようにも思えるくらいで、町田のマルカワで英字新聞のシャツを買おうとしていた若者の心は大きな衝撃を受け「欲しい。」という感覚より「まずい。」という感覚が先行しました。

すぐに買えるものなら買いたいところですが高校生の小遣いでは到底手の届かない金額であり、いつしか若者の足にはスタンスミスが履かれていたのは言うまでも無いでしょう。

それから何年か経った頃、またあいつがやって来たのです。

今度の犬(であることは学んだ。)は、黒い奴でした。
「茶色用の白ソールを黒い奴に付け替えた。ヒロシが別に注文した物らしい。」
もう何のことだかよく分かりませんが、とにかく価格だけは跳ね上がっていました。エアマックスが狩られている頃だったのでレッドウイング欲しさにカツアゲ事件でも起きたら「赤い羽根募金だな。」などとつまらないことを言っていた気がします。

実際に買ったのはブームが終焉を迎えた頃、赤茶色でも黒でもなく、少し乾いた感じの茶色いセッターでした。それでも3万近くしたわけで、社会に出て間もない者の寒い懐にとっては大きな出費です。

ただ昔と大きく違うのは「欲しい。」と純粋に思えたこと。この靴の魅力を少しだけ理解できる年齢になったのでしょうか?


あれから10年。程好く汚れた875のオーセンティックレザーは自分の足の分身のようになり、くるぶしの刻印も薄く淡くなってきました。
今度2度目のソール交換を行う予定です。


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