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アリスはすごく恐縮していました。いつもならジョセフに会うと言葉が出て来ないのですが、今日はすぐにおわびを言いました。今朝はせっかくジョセフがお弁当箱とドライアイスを持って来てくれたのに、その時にアリスはいなかったのですから。でもジョセフは、ジョセフ「別にかまいませんよ。」と笑顔で答えました。ジョセフは普段あまり多くを語らないのですが、どうやらアリスが疲れていたことをよくわかっているようでした。その時のジョセフのさわやかな笑顔はアリスの印象に残りました。アリス「……………。」ウサギ「ところでアリスさん、今日はジョセフさんが機関車B20さんのことで鉄道会社さんとお話しをします。」アリス「まあ、そうですか!」その言葉にアリスは喜びます。その時でした。キーーーーーーン!ピタッ!ミルキーがすごい勢いでやって来てジョセフに抱きつきました。ミルキー「パパン!パパン!」ジョセフ「やっ、やあ、ミルキー!」スリスリスリスリスリスリ…、ミルキーはすごく嬉しそうです。まるで仔猫が母猫にすり寄るように飛び付きました。逆にジョセフは人前なので少し恥ずかしそうです。ミルキー「今日は機関車B20タンを助けられるの?」ミルキーがそう聞きました。するとジョセフに代わってウサギさんが応えます。ウサギ「今日、ジョセフさんが私鉄『ポッポ』さんとお話してみますから。」ミルキー「それで救えるの?」ミルキーはジョセフの元を離れようとしません。アリス「ミルキーさん!これから大事なお話をするんです。おジャマになってはいけませんよ。」そして…、ジョセフは駅員さんにお話があることを告げました。こうして鉄道事務所でジョセフ、ウサギさん、アリス、駅長さんと駅員さんたち、ミルキー、ミッチー、由美、モグモグが同じテーブルを囲んで座りました。ジョセフ「あのう…、蒸気機関車B20の引き取りのことなのですが、」駅長「はい、それでどうなりましたか?」駅長さんが大きく目を見開いていました。ジョセフ「私たちには蒸気機関車を運搬する費用を捻出することは到底できません。非常に高額ですから。」駅長「はあ…、」その言葉に駅長さんは肩を落とします。
2017.11.29
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モグモグは大変な人気でした。駅弁が買えなかったお客さんたちもモグモグを見て満足しているようでした。それで駅弁を買えなくても誰も怒っていませんでした。モグモグはこういうことでも駅弁販売に貢献していました。するとそこへ…、ニセアリス「売り上げは上々じゃないか?」ニセアリスがどこからともなく現れました。今回はまるでずっとそこにいたかのような出現のしかたでした。いったいいままでどこにいたのでしょうか?ニセアリス「この分だと駅弁販売でガッポガッポもうかるなあ!」アリス「……………。」アリスは本当はニセアリスがいままでいなかったことに少し不満がありました。ですがニセアリスはそのことにまったく気付いていないようでした。一方、ニセアリスの方は駅弁が売り切れたことに勝手に満足しているようでした。そしてまた急にいなくなりました。アリス「……………。」駅弁を「もうかる」等と話したニセアリスの言葉にアリスは少し落ち込みました。キーーーーーーーーン!ブボン!ブボン!ブボン!ブボン!ブボン!ブボン!そこへあの音がしました。アリス「は?」急にアリスは胸が高鳴るような気持ちになりました。アリスの前に今日もあの黒い車が現れました。ブボン!ブボン!ブボン!ブボン!ブボン!ブボン!その音で寝ていたミルキーが目を覚まします。ミルキー「は?パパン?」ミルキーは今日も朝は起きられず、ジョセフに会えていませんでした。そして疲れて眠っていたのですが、そのミルキーがバチッと目を覚ました。ミルキー「パパンの車の音!」ガチャ!車からまたジョセフ少年が降りて来ました。アリス「まあ!」それに今日はウサギさんもその車に乗っていました。ガチャ!ウサギ「アリスさん、今日もごくろうさまです。」アリスとジョセフはまた目が合いました。アリス「あっ、あのう…、今朝はどうもありがとうございました!」
2017.11.29
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お客さん「はいはい!駅弁4個はこっちだよ!」お客さん「まとめて買う人が多いからたぶん後ろのお客さんまで数が回らないよ!」お客さん「今日も駅弁買えなくなっちゃう!」お客さん「せっかく遠くからやって来たのに!」そして1時間もしない内に…、ミッチー「えー、お客様、まことに申し訳ありませんが、本日の駅弁は全て完売いたしました。明日もよろしくお願いいたします。」お客さん「え~?また買えなかったよ!」お客さん「はあ~。お客さんの数が多いからなあ!」お客さん「毎日お客さんの数が増えているよ。」駅長「えー、本日買えなかったお客様、まことに申し訳ございません。明日も”みるきー弁当”を販売する予定です。明日、おこしになってください。よろしくお願い申しあげます。」するとお客さんたちが帰って行きます。お客さん「はああ~、今日も買えなかったわ。」お客さん「早く、ウワサの”みるきー弁当”を食べてみたいわ。まだ買えてないの。」お客さん「あら?私もそうなのよ、まだ買えてないの!」買えなかったお客さんたちが、屋台から少し離れた所に立っているモグモグを見つけました。モグモグは最近屋台を引いてばかりでハードな毎日を送っていました。それですごく疲れていました。そのモグモグをお客さんたちが見つけたのです。お客さん「あら?あれはなにかしら?」モグモグは『1日駅長』と書かれた”たすき”をかけていました。そして『みるきー弁当』と書かれたミニサイズの”のぼり”も背中に付けていました。さらに誰が作ったのか駅長らしい上着を着ていました。もちろんそれはビッグなヒヨコサイズの物でした。お客さん「あら?かわいいわね。」モグモグ「ブモッ?」お客さんたちがモグモグの周りに集まって来ます。お客さん「かわい~!これって、たぶんマスコットだわ!」お客さん「”1日駅長”って書いてあるわ!”ヒヨコ駅長”かしら?」お客さん「ヒヨコ駅長?かわいー!」モグモグ「ピッ?」お客さんたちがモグモグの写真を撮り始めます。パシャ!(スマホのシャッター音)パシャ!パシャ!すると疲れているはずのモグモグが…、モグモグ「ピィーー!」バサッ!バサッ!バサッ!バサッ!バサッ!と、羽ばたいて見せました。お客さん「きゃあ~!」お客さん「かわいいわあ!」駅弁を買えなかったお客さんたちがモグモグを見ています。パシャ!モグモグはお客さんたちの声に応え、ドヤ顎でポーズを取り始めます。モグモグ「ブモッ!」お客さん「きゃあ!かわいい!」パシャ!モグモグ「ブモッ!」お客さん「きゃあ!こっち向いて!」パシャ!パシャ!
2017.11.29
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お客さん「どうやら”これまでになかったようなおいしさ”らしいです。」お客さん「駅弁マニアの人もここのお弁当のことをネットで書いていたわ。”一度食べると忘れられないお味”ですって!」お客さん「まあ!ここのお弁当はきっと腕のあるシェフの方が作っているに違いないわ。」待っているお客さんどうしで会話が盛り上がっています。その間もアリスたちは作業に追われます。でもミルキーはやはり駅弁作りで疲れてしまってカゴの中で眠ったまま目覚めません。ミルキー「スーー。スーー。」それはアリスたちでさえハードな作業でした。お手伝いとは言え、小さなミルキーではやはり疲れたのでしょう。でも今日もお客さんたちの波がようしゃなく押し寄せます。お客さん「こっちにも駅弁1つお願い!”甘い”を1つ!」お客さん「こっちは駅弁2つお願い!”甘い”1つに”甘さ控えめ”1つ!」お客さん「今日は”糖分0”を試してみるよ。2つお願い!」アリス「はいはい!ただいま、ただいま!少々お待ちください。」由美「お客様、ただいまご注文のアイスクリームのフライを梱包いたしますので少しお待ちください。」屋台の後ろの梱包作業も大忙しです。由美「”甘い”3個、”甘さ控えめ”2個、”糖分0”3個のお客様のお弁当を包み終わりました。」アリス「はい!”甘い”3個、”甘さ控えめ”2個、”糖分0”3個のお客様どちらですか?」駅長「みなさま、列をみださずにきちんと並んでください。押すと危険です。前のお客様を押さないようにお願いいたします。」ザワザワザワザワザワザワ…、ザワザワザワザワザワザワ…、そうは言っても、屋台の前はお客様さんたちでいっぱいで、今日も押すな押すなの大盛況でした。お客さん「うわあああ!押さないで!」アリス「駅弁4個のお客様?駅弁4個のお客様!お弁当がつめ終わりました。駅弁4個のお客様はどちらですか?」
2017.11.29
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アリスたちは連携して作業をします。主に由美が屋台の裏側でお弁当やアイスクリームの梱包を担当します。ミッチーは接客と梱包の手伝いをします。アリスは接客してお客さんに駅弁を手渡します。ミッチーがそれを手伝う時もあります。また由美がお客さんのアイスクリームの注文を直に聞いて、すぐに梱包を始める時もあります。3人はお互いにカバーしあって、うまく作業をきりもりしていました。3人は息もピッタリです。それにしても今日もまたお客さんは大変な数です。列を作って並んでいるお客さんたちが会話を始めました。お客さん「ここのお弁当はとてもおいしいのよ。一度食べたらやみつきになるわ。」お客さん「まあ!うちはいつも家族の分を買って帰りますのよ。買って帰らないと家族が怒るんですよ。家族でここのお弁当のとりこになっていますわ。」お客さん「うちもそうなのよ。家族の者もとても気に入ってしまって。特に子供がアイスクリームのフライを気に入ったのよ。」お客さん「まあ!うちもそうですわ。ここのアイスクリームはとてもおいしいのよ。食材を贅沢に使っていますわ。手抜きなんてまったくないお味です。濃厚でクリーミー!」お客さん「私は今日初めて買うんですけど、ウワサ通りのおいしさだと良いのですが。」お客さん「まあ!ここのお味はウワサ通りでまちがいございませんわ。」お客さん「この駅へ食通の人が偶然来て、ここの駅弁を食べたらしいの。”とてもおいしかった”ってインドアネット(不思議の世界のインターネット)で書いていましたわ。」お客さん「そうそう!それ、私も見たわ!」お客さん「それを見て私もここへ来たの!」お客さん「私もインドアネットを見てここでおいしいお弁当が売られているということがわかったんです。なんでも”ものすごくおいしいお弁当”だとか。」
2017.11.28
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作者注:お話の通算番号は”あらすじ”(VOL.494~VOL.496)があるため『VOL.493 機関車B20 ACT.146』から飛んでいます。----------------------------------------------------------------------------------------------------それを聞いてアリスはホッとしました。それで気分良く”すごく大きな駅”へ向かうことができそうです。こうしてまた屋台を引いて、みんなは私鉄『ポッポ』の線路脇までやって来ました。ミルキーがまだ寝ていましたので、機関車B20には会わずに駅へと向かうことにします。今日も販売開始の予定時刻が過ぎていました。今朝、できあがった駅弁をお弁当箱につめる作業はミッチーと由美が2人だけでしてくれたようです。疲れていたアリスとミルキーは寝ていました。それで駅弁の完成が少し遅れて、現在の時刻はもう10時30分頃でした。それでアリスたちは駅の方へと急ぎます。”すごく大きな駅”に到着しますとたくさんのお客さんたちが駅舎や駅周辺で待っていました。お客さん「早く駅弁の販売を開始して!」お客さん「駅弁販売を待ちわびているよ!」お客さん「今日はなんとしても駅弁を買って帰りたい!いままで買えなかったから!」駅長「みなさま、ただいま駅弁販売の屋台が到着いたしました。もうまもなく駅弁販売が開始されると思います。今しばらくお待ちください。」駅長さんがまた拡声器を持って案内をします。それからアリスたちは駅出入り口に屋台を設置して販売の準備を整えます。ミッチー「えー、お客様!本日も大変長らくお待たせして申し訳ありませんでした。ただいまより”みるきー弁当”の販売を開始いたします。」パチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチ!お客さん「おーーーーー!」お客さん「おーーーーー!」お客さん「いいぞ!ヒュー!ヒュー!」アリス「では最初のお客様、ご注文をどうぞ!」お客さん「ああ、良かった。これで今日は駅弁が買えるわ!」ミッチー「お客様、駅弁の方は1個でよろしいでしょうか?アイスクリームのお味の方はどういたしましょうか?」お客さん「じゃあ、駅弁3個ください。全て”甘い”でお願い。」ミッチー「かしこまりました。駅弁3個入りましたぁ!”甘い”3つです!」 由美「わかりました。少々お待ちください。」
2017.11.22
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ミッチー「ではジョセフさんが来たら、私たちが代わりに受け取っておきますから。アリスちゃんは寝ていたらどうですか?」アリス「いえ、起きていないとダメなんです!」なんだかアリスは強く言いました。ミッチー「では全員で寝ましょう。目覚まし時計をかけておきますから。私たちはお料理を作る前に寝てますから、たぶん目覚まし時計で目が覚めると思います。」すると起きてみんなを手伝っていたミルキーも、ミルキー「パパンが来たらミルキータンを起こして!絶対起こして!」と言いました。ミッチー「はいはい、わかりました。じゃあみんなで眠ることにしましょうか?」それで目覚まし時計をかけてみんなで眠ることにしました。アリスも眠ります、目覚まし時計をかけて…、ミッチーと由美も寝ました。全員が眠ります。アリスは気が張っているとは言え、すごく疲れていました。そして深い眠りに落ちて行きました。アリス「……………。」アリス「……………。」アリス「……………。」アリスが目を覚ましますと、もう日が昇っていました。時計を見ますと…、午前9時30分でした。アリスは驚いて飛び起きます。アリス「は?」リビングではミルキーとモグモグが寝ていましたが、ミッチーと由美の姿はありませんでした。でもキッチンの方から物音がしますのでアリスはキッチンに行ってみました。するとミッチーが…、ミッチー「では本日の駅弁は全て完成しました!」と言い、由美がはくしゅをしていました。パチパチパチパチパチパチパチパチ!!アリス「あのう…、」ミッチー「ああ、アリスちゃん、今日は疲れているようだったので起こさずにそのまま寝かせておきました。駅弁の方は今全てお弁当箱につめ終わった所です。」アリス「でもあのう…、ジョセフさんは?」ミッチー「来られました。そしてお弁当箱とドライアイスを置いて行かれました。」アリス「でも寝過ごしてしまって…、ジョセフさんにお礼を言えませんでした。」ミッチー「私たちが代わりにお礼を言っておきました。」でもアリスはなんだか残念そうでした。アリス「ミルキーさんは?」由美「ミルキーちゃんは起こそうとしたんですが、結局起きて来ませんでした。」アリス「そうですか…、」それでアリスは「やっぱり」と思いました。ミッチー「でもジョセフさんは今日も”すごく大きな駅”に来られる予定のようですよ。」アリス「え?」
2017.11.21
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アリス「ミルキーさん…、危ないですよ!屋台の上で寝てくださいな。」ミルキー「大丈夫だよ。アリスタン1人にさせるわけにはいかないから!」でもけっきょくすぐに…、ミルキー「スーー、スーー。」とミルキーは眠ってしまいます。しかたなくミルキーを屋台のカゴの上に乗せて眠らせます。ミルキー「スーー、スーー。」それでまたミルキーは”お荷物”になっていました。今日も屋台に揺られて行きます。そしてアリスはスーパーで1人でお買い物をしました。モグモグがまたショッピングカートを押してくれました。大変助かりましたが…、モグモグも疲れているようです。でも明日の分の食材は全てそろい、それをお家に持って帰りました。ミルキー「スーー、スーー。」お家に着くと、ミッチー、由美が起きて来て、荷物をお家の中に運び込みます。アリス「ではお料理をしましょう!」ミッチー「え?アリスちゃんは寝ないのですか?」アリス「今日は不思議と大丈夫なようです。」その日、アリスは起きてお料理をがんばりました。なぜかアリスには元気がみなぎっていました。そうこうしている内に、夜遅くになってウサギさんがお仕事から帰って来ました。アリスは出迎えます。アリス「本日はありがとうございました。ジョセフさんにも大変お世話になりました。」しかしウサギさんは、ウサギ「結果はまだわかりません。どうなるかはまだ何とも言えません。」と言いました。ウサギさんとしてはいつもよりもかなり控えめな感じの言い方でした。そしてアリスはウサギさんに遅い夕食を出し、それを食べてその日ウサギさんは眠りました。ウサギさんには明日またお仕事が待っています。駅弁の中身は午前3時頃になってやっと全て作り終わりました。ミッチー「ではアリスちゃんはすぐに寝てください。」アリス「でもジョセフさんが7時にはお弁当箱とドライアイスを持って来てくれるんです。その時かならず起きていませんと。寝過ごすわけには行きません。」
2017.11.20
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ジョセフはよけいなことや大げさなことは言わない人物のようです。ミルキー「パパン!もう帰っちゃうの?」ジョセフ「ああ、今日はもう帰らないと。」ミルキー「もっとゆっくりしていこうよ!」アリス「ミルキーさん、ジョセフさんを困らせてはいけませんよ。」ミルキー「でも…、」ジョセフは帰ることになりました。ウサギさんも引き続きお城で仕事をするために、ジョセフの車に乗せてもらっていっしょにお城へと帰って行きました。ミルキー「……………。」ジョセフがいなくなると急にミルキーがションボリしていました。アリス「さあ、ミルキーさん。私たちもお家に帰りましょうか?」ミルキー「…………。」ジョセフが帰ってしまうとミルキーは元気がありません。でもアリスは元気になっていました。こうしてアリスたちはお家に帰ります。今日はもう機関車B20に会って来たのでそのままお家へ帰りました。そして、お家に着くなり、再び駅弁販売の準備を開始します。今日のアリスはなぜかとても元気でした。アリス「ではミッチーさん、由美さん、ミルキーさんはまたお家で寝ていてください。私が1人でスーパーに買い物に行って来ますから!」ミッチー「またアリスちゃん1人で行くの?それって大変ですよね?」アリス「大丈夫です。モグモグもいますから。」ミルキー「ううん、アリスタンだけにさせておけない!今日はミルキータンも行くよ!」アリスは断りましたが、ミルキーは行くと言い張りました。こうしてアリスとミルキーが2人で行くことになりました。ミルキー「パパンがきっと機関車B20タンを助けてくれるんだもん!」ミルキーも少し元気を取り戻したようです。ミルキーがついて行くので、ミッチーと由美はアリスとミルキーが帰って来るまで眠ることにしました。そして屋台を引いて出発しましたが…、疲れていたミルキーは歩きながら眠り始めました。ミルキー「……………。」フラフラフラ…、
2017.11.19
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ミルキー「はあい!機関車B20タン!」ミルキーは今日は元気に話しかけます。希望の光が少し見えて来たからです。すると蒸気機関車B20は目を覚ましました。機関車B20はどうやら寝ていたようです。機関車B20「ムニャムニャ…、はっ?」機関車B20が目を開けますと…、そこには大勢の人が来ていました。アリスとミルキー、ミッチー、由美、モグモグ、ウサギさん、駅長さんと駅員さんたち、整備士の人たち、そして…、ジョセフ少年です。機関車B20は何事かと思いました。こんな数の人が自分の周りに集まって来るのはひさしぶりで、それをとても懐かしく思いました。そして嬉しく感じましたが…、機関車B20「は?」でもすぐに機関車B20から嬉しさが消えました。機関車B20「いよいよ解体ですか、駅長さん?それでみんなでお別れを言いに…、」と、言いました。すると駅長さんが、駅長「いや、違う違う!そうじゃないんだ。こちらは『不思議の国の女王のお城』のおかかえ技師であるジョセフさんです。今日、君を線路から移動出来るかどうか見に来られたんです。一度君を直に見てみたいと言われて。」それを聞いて…、その意外な言葉に機関車B20は驚きました。機関車B20「ええっ?」駅長さんの言ったことは機関車B20にとっては思いもかけなかった言葉でした。そしてジョセフは機関車B20をじっと見つめていました。ジョセフ「………………。」ミルキーがまたしても懇願します。ミルキー「パパン!パパン!なんとかしてあげてよ!機関車B20タンが解体されちゃうんだよ!」ですが、ジョセフ少年は…、じっと無言で蒸気機関車B20を見ていました。でもそのジョセフの表情は、いままでこの機関車B20が会った誰よりも真剣なものでした。ジョセフ「…………。」その後、ジョセフは蒸気機関車B20の写真を何枚か撮り、それから鉄道事務所に戻って機関車B20に関する資料を受け取ります。ジョセフ「今日はこれで帰ります。何か良い方法が見つかればすぐにご連絡します。」駅長「そうですか。」
2017.11.18
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そして駅前に…、あの黒い車が現れました。キーーーーーーーーン!ブボン!ブボン!ブボン!ブボン!ブボン!ブボン!その音で、駅のベンチで寝かされていたミルキーが起きて来ました。ミルキー「はああああ?」ガチャ!車からジョセフ少年が降りて来ました。アリス「まあ!」するとウサギさんがジョセフにかけ寄ってあいさつをします。ウサギ「どうもおいそがしいところわざわざすみません。」ジョセフ「いえいえ、別にかまいません。」それからジョセフはアリスを見ました。アリス「……………。」ジョセフ「………………。」2人は目が合いました。でもなんだか2人とも言葉が出て来ません。すると……、キーーーーーーン!ピタッ!ミルキーがすごい勢いでやって来てジョセフに抱きつきました。それは本当に一瞬のことでした。すごいスピードでした。まるで仔猫が母猫のもとに飛びつくようにミルキーはジョセフに抱きつきました。ミルキー「パパン!パパン!」ジョセフ「やあ!ミルキー!」スリスリスリスリスリスリ…、ミルキーはすごく嬉しそうです。みんなが見ている前ですので、ジョセフは少し照れくさそうでした。ジョセフ「…………。」そう言えば今朝、ジョセフはアリスに「ミルキーとまた会える」と言っていました。アリス「ジョセフさんは、今日はどうしてここに来られたのですか?」ジョセフ「ウサギさんに頼まれたのです。」アリス「え?」ウサギ「お城のおかかえ技師であるジョセフさんが一度蒸気機関車B20を直に見てくれます。」アリス「まあ!」ミルキー「ああ、やっぱりだ!パパンが助けに来てくれたよ!」そう言ってミルキーはとても喜んでいました。ジョセフは”生きているお人形”のミルキーを作り上げるほどの技師でした。こうしてジョセフ少年が初めて蒸気機関車B20に会いに行くことになりました。駅長さんと駅員さんたちも心配してついて来てくれました。そして私鉄『ポッポ』の車両の整備士の人たちも。それでみんなは引き込み線の区画にある何本もの線路を通って、蒸気機関車B20の所まで行きました。いつもはアリスとミルキーはフェンスをはさんで私鉄の敷地の外の機関車B20から離れた場所で話しかけていたのですが、この日は初めて蒸気機関車B20の間近かまで行き、その姿を見ることができました。間近で見るとそれはとても大きく、重そうな蒸気機関車でした。アリス「……………。」
2017.11.18
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駅長「本日買えなかったお客様方、大変申し訳ありません。しかし駅弁は明日も販売する予定です。」するとそのアナウンスでお客様さんたちが帰って行きました。アリス「はあ~~~~。」駅弁販売が終了いたしますと、お客さんの波がなくなり、アリスたちは全身の力が抜けました。でもそれは心地良い疲れとは言いがたいです。このようなハードな駅弁販売を続けていても…、機関車B20を助けられないかも知れません。そんなアリスにミルキーの言葉が思い出されます。----------------------------------------------------------------------------------------------------ミルキー「見殺し?アリスタンは見殺しにするの?」----------------------------------------------------------------------------------------------------本当はアリスは決して見殺しになどしていません。むしろ大変な努力をしています。でも…、このままではその努力がむくわれないかも知れません。アリス「……………。」撤収作業を進めるアリスたちの元へ、今日もウサギさんが現れました。アリス「まあ!ウサギさん!今日もお仕事が早く終わったのですか?」するとウサギさんは…、ウサギ「アリスさん、本日の駅弁販売、本当にごくろうさまでした。今日、僕は仕事を調整してここにやって来たんです。技師の方が見に来られますので。」アリス「え?技師の方が?」ウサギ「ええ、蒸気機関車B20を直に見てもらいます。そしてどんなものか、その目で見てもらうんです。一度実物を見てみないとなんとも言えないそうなんです。」アリス「まあ!」そう言えば、ウサギさんが技師の人に相談してくれるというお話でした。その時でした。キーーーーーーーーン!ブボン!ブボン!ブボン!ブボン!ブボン!ブボン!あの音がしました。アリスにとってはこのところすごく聞き慣れた音でした。アリス「……………。」
2017.11.17
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【不思議の国のアリスとニセアリス】 機関車B20 『技師』ガヤガヤガヤ!ガヤガヤガヤ!ガヤガヤガヤ!ガヤガヤガヤ!ミッチー「え~、みなさま大変ながらくお待たせいたしました。ただいまより駅弁”みるきー弁当”の販売を開始したいと思います。」パチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチ!!パチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチ!!お客さんたちの力強いはくしゅが沸き起こります。お客さん「おーーーーーーー!!」お客さん「待ってましたあ!ーーー!!」お客さん「早く売って~!」お客さん「待ちわびたよ~~!」ミッチー「えーー、本日は大変お待たせして申し訳ありませんでした。では最初のお客様、ご注文をどうぞ!」お客さん「駅弁20個ください!」ミッチー「にっ、20個でございますか?少々お待ちください。」のっけからすごい数の注文が入りました。こうしてまたいそがしい駅弁販売がスタートしました。ミッチーと由美が屋台の後ろの方で梱包をします。その間、アリスはお客さんの対応をします。でも昨夜駅弁作りで疲れたミルキーは駅舎のベンチに置かれたカゴの中でまだ寝ていました。ミルキー「スーー、スーー。」でもそんなことにはおかまいなく、屋台の前にはお客様さんの波が押し寄せます。お客さん「駅弁1つお願い!」お客さん「こっちは駅弁3つお願い!」お客さん「おおい!こっちは8個だ!」お客さん「こっちは12個でお願いします!」アリス「はいはい!ただいま!ただいま!」ミッチー「少々お待ちください」そして屋台の後ろの方で包み終わった駅弁をお客さんに手渡します。ミッチー「えー、駅弁8個のお客様?駅弁8個のお客様?」お客さん「こっち!こっち!ええい、押すな!押すな!」アリス「えー、駅弁12個のお客様?駅弁12個のお客様?どちらですか?」お客さん「あたし!あたしです!」お客さん「うああ!もう駅弁なくなっちゃうよ!早く早く!前の人!」お客さん「ちょっと、押さないでください!」駅長「えーー、みなさま、押すのはおやめください。危険です。」お客さん「押すな!押すな!」ミッチー「みなさま!屋台から少し離れてください!駅弁はまだ残っています!」…こうして1時間と経たない内に駅弁は完売しました。ミッチー「みなさま、まことに申し訳ありませんがー、本日の駅弁は全て完売いたしました。明日もよろしくお願いいたします。」お客さん「え~~!」お客さん「え~~!そんなあ!」
2017.11.16
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アリス「あのう、待ってください。どうしてもミルキーさんが会いたがっているんです。今、起こしますから!」ジョセフ「いえ、別にかまいません。」アリス「でも…、ミルキーさんが”どうしても起こしてくれ”って言ってたんです。」ジョセフ「起こさなくても大丈夫です。ミルキーにはまた会うことができますから。」アリス「はあ…、」ジョセフ「では僕はこれで。」こうして荷物だけ置いて…、ジョセフは帰って行きました。「また会うことができる」というのはまた明日の朝もジョセフ少年がやって来るということでしょうか?アリス「……………。」キーーーーーーーーン!ブボン!ブボン!ブボン!ブボン!ブボン!ブボン!その日の午前9時半頃、本日の販売予定数の駅弁が全て出来上がりました。アリス「奇跡です!本日も無事完成しました!」パチパチパチパチパチパチパチパチ!!アリス、ミッチー、由美ははくしゅをしました。疲れていたのにアリスたちはやりとげました。ミルキー「スーー、スーー。」でもミルキーはまだ寝ていました。今日もミルキーは眠ったまま屋台に乗せられ、そのまま揺られて行きます。駅弁販売用の屋台を引いてアリスたちはまたお家を出発しました。ミルキー「スーー。スーー。」モグモグは眠い目をこすりながら屋台を引きました。モグモグ「ピィ~~~~」アリス「……………。」すでにけっこうボロボロになっているアリスたちでした。屋台を引いて、私鉄『ポッポ』の線路脇まで来ましたが、すでに販売予定の時刻を過ぎていました。それにアリスには余裕がありません。それで機関車B20の所には寄らずに”すごく大きな駅”の方に向かいます。ミルキーはまだ寝ていました。ミルキー「スーー、スーー。」そして”すごく大きな駅”に到着します。お客さんたちは…、さらに数が増えていました。すごい人だかりです。人だかりをかき分け、駅の出入り口の脇に屋台を設置します。こうしてアリスたちは駅弁販売を開始します。
2017.11.15
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食材が届きましたので、ミッチー、由美がアリスに代わってお料理を作り始めました。ミルキーも起きて来て手伝います。その間はアリスが眠るのです。目覚まし時計「ジリリリリリリリリリリ!」アリス「は?」4時間後、アリスは起きました。そしてまたしてもお弁当作りに励みます。すでに日付けがかわっていました。そして格闘はまだまだ続きます。アリスは包丁を手にしたり、食材を混ぜたりします。混ぜたりはミルキーも手伝います。さらにミルキーはいろいろな雑用をこなして行きます。アリス「ミルキーさん、お皿をたくさん出してください。」ミルキー「はいはい。」ミッチー「ミルキーちゃん、お水を大きな方の軽量カップに入れてください!」そんないそがしいさなか、ミルキーはアリスに言います。ミルキー「アリスタン、パパンが来たらミルキータンを起こして!朝が来たら絶対起こして!」アリス「でもミルキーさんはたぶんその時は疲れていて…、昨日の朝も起きませんでした。」ミルキー「いいから起こして!ミルキータン、パパンに会いたいよ!」ミルキーがジョセフに会いたいという気持ちはわかります。アリス「でもミルキーさん…、ミルキーさんは疲れていて、起こそうとしても起きなかったんです。」ミルキー「いいから、ぜったい起こして!」ミルキーはジョセフが来たら起きる気でいました。そして疲れ果てて…、ミルキーは眠ります。ミルキー「スーー、スーー。」そして次の日の朝になりました。キーーーーーーーーン!ブボン!ブボン!ブボン!ブボン!ブボン!ブボン!またジョセフ少年がやって来ました。アリス「ミルキーさん!ミルキーさん!」でもやっぱりミルキーは起きません。アリスはミルキーを抱きかかえてお家の外に出て行きます。またジョセフが持って来たお弁当箱とドライアイスを玄関まで運び入れてくれました。そしてまたすぐに帰ろうとします。
2017.11.14
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ミルキーは起こしてもらわなかったことを怒り出すのかとアリスは思いましたが…、ミルキーはその箱を手にしてじっと見つめていました。ミルキー「……………。」ミルキーは下を向きました。それでその表情はわかりませんが…、おそらくさみしそうな表情をしていたと思われます。それからアリスは無理をしてまた買い物に出かけることにしました。あのスーパー激安スーパーまで行きます。モグモグも無理してまた屋台を運びます。モグモグは”すごく大きな駅”から屋台を引いて来て、その足でまた出かけたのでした。モグモグ「ピィ~~~。」モグモグは屋台を引きっぱなしです。そしてミルキー、ミッチー、由美にはお家で寝てもらう事にしました。アリスたちは全員とても疲れていましたので、それでミッチーたちには休んでもらいました。ミッチーたちには今日もまたお弁当作りを手伝ってもらわなくてはなりません。アリスが食材を買って来たら、ミッチーたちを起こして、お料理を作るのを手伝ってもらいます。こうして苦労してアリスはスーパーまで行き、食材の買い出しを行いました。1人で重い食材を選びます。でも、モグモグがショッピングカートを押してくれました。助かります。その後はまたモグモグに屋台を引いてもらい、お家に帰って来ました。コテン!帰り着くなりモグモグは…、ついに電池切れの状態となりました。モグモグ「スーー、スーー。」モグモグは深い眠りに落ちて行きます。アリスも疲れていました。そしてアリスの心もまたすごく疲れていました。結局このような駅弁販売を続けても…、機関車B20は救えないかも知れません。機関車本体を購入することさえできないかも知れません。アリス「……………。」それでもアリスはがんばります。でもお家に帰って来てから少し眠ることにしました。もう限界です。本日は100ゴールド均一ショップ『キャンダイゾー』で目覚まし時計を何個も買って来ていました。その目覚ましをかけてアリスも少し眠ります。アリス「……………。」
2017.11.13
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ウサギ「どうでしたか、機関車B20さんの様子は?」アリス「ええ…、それが…、」アリスはウサギさんに先ほどの蒸気機関車B20との会話を伝えました。でも今はどうにもなりません。ミルキー「ウサギタン!なんとかしてよ!」ミルキーにそう言われ、ウサギさんは困りました。ウサギ「う~~ん。」ウサギさんは目を閉じて考えます。ミルキー「ウサギタン!」ウサギ「………。わかりました。”技師”の方に相談してみます。」アリス「技師の方?」ウサギ「ええ。”蒸気機関車を運ぶ”と言う事は専門知識が必要になって来ます。ですから技師の方に相談してみます。もしかすると…、技術的なことで解決方法が見つかるかも知れません。」すると…、ミルキーの表情がパッと明るくなりました。ミルキー「うん!相談してみて!」それでウサギさんは…、そこから直接仕事場へと帰って行きました。どうやら相談してくれるためにわざわざ仕事場に戻って行くようです。一方、アリスたちはお家に帰って来ました。でもアリスは疲れていました。駅長さんとのお話でけっこう気落ちもしました。でもまた寝過ごすと大変です。それでアリスはそのことについてミッチーと相談しました。それで目覚まし時計を複数用意してそれで眠ることにしようというお話になりました。でも、今お家にある目覚まし時計は1個だけでした。それで今日は無理してアリスは買い物に行く事にしました。そして目覚まし時計ももう少し買って来る予定です。でもミルキーが、ミルキー「寝過ごしてもまたパパンが助けに来てくれるよ。」と言いました。アリス「ジョセフさんはおいそがしいのであまり迷惑はかけられません。」ミルキー「……………。」でも、どうやらミルキーはジョセフに会いたくてしかたないようです。その時、アリスはジョセフから預かっていた菓子パンが入っているような箱のことを思い出しました。アリス「今朝、ミルキーさんを起こせなくて本当にすみませんでした。この箱はジョセフさんが”これをミルキーさんに”と預かっていた物です。」そう言ってアリスはその箱をミルキーに渡します。ミルキー「……………。」
2017.11.12
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しかしアリスは…、アリス「とにかくミルキーさん、明日の駅弁を用意しましょう。今私たちにできるのはそれだけです。それをしっかりこなしましょう。」と言いました。ミルキー「わかった。でもアリスタン、機関車B20タンに会って行こうよ!」ミルキーがそう言いますので、アリスは帰りに機関車B20の所に寄って行くことにしました。いつものように線路脇に屋台を止めて、そこで、ウサギさん、ミッチー、由美、モグモグが待ちます。アリスとミルキーだけが機関車B20がとまっている場所へと向かいました。ミッチー「……………。」ミッチーにしても由美にしても気が重いです。そして蒸気機関車B20が線路上にとまっていました。機関車B20のボディーは今ではけっこう汚れて来たようです。でも誰も洗車していないようでした。機関車B20「……………。」ミルキー「…………、機関車B20タン。」ミルキーが声をかけます。機関車B20「は?ミルキータンさん!あのう…、駅弁のお話はどうなりました?」ミルキー「そのう…、駅弁を売って機関車B20タンを助けようとしてたんだよ。」アリス「駅弁を売り上げたお金で…、機関車B20さんを買い取ろうとしていたんです。」機関車B20「それでどうなりました?」アリス「明日もまた駅弁を販売します。」機関車B20「そうですか?それで僕を買い取っていただけるということですよね?」アリス「そっ、それが…、」機関車B20「それが?」アリス「そのう…、まだその分まではお金が貯まっていないんです。」機関車B20「そうですか?でも間に合うんですよね?僕の解体までに!」アリス「……………。」アリスは言葉につまります。ミルキー「うん!きっと間に合うと思うよ!ぜったい間に合う!」アリス「……………。」こうしてアリスとミルキーはその場を後にしました。そして再びウサギさんやミッチーたちと合流します。
2017.11.11
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駅長「はい。それは”B20を別の場所に持って行ってもらう”ということです。つまり”線路から退かせてもらう”ということです。それなくしては…、残念ながらお売りすることはできません。」アリス「……………。」駅長「蒸気機関車本体はこの際安くおゆずりしても良いと思っています。しかしながら車体の方はどこか別の場所に持って行ってもらわなくてはなりません、線路上に置き続けるわけにはいかないのです。その時の移動の費用はおそらく最低でも500万ゴールドぐらいかかります。運ぶ先の距離によってはそれ以上になります。それから…、売却後の保管に関してはもうこちらは関係なくなるのですが…、あの蒸気機関車を保管する場所の費用もそちら様にはかかって来るでしょう。」アリス「……………。」ミルキー「アリスタン!」ウサギ「わかりました。駅弁の売り上げだけでは…、その費用を捻出することはとうてい無理のようです。その費用を貯めるには何年もかかってしまうでしょう。」ミルキー「そんな?」駅長「相当な費用がかかります。それがこの問題を前に進めなくしているのです。」ウサギ「…わかりました。」ミルキー「そんな!機関車B20タンが解体されちゃうの?」駅長「……………。」ウサギ「……………。」アリス「……………。」誰も何も言えなくなりました。それでその時の話は終わりました。駅長さんはまたお仕事に戻って行き、アリスたちやウサギさんは鉄道事務所を後にしました。みんなとても気が重くなりました。ミルキー「ねえねえ、アリスタン!機関車B20タンは…、解体されちゃうの?」アリス「……………。」ミルキーが涙ながらにうったえます。ミルキー「ねえねえ、ウサギタン!なんとかしてよ!」ウサギ「……………。」
2017.11.10
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買った物は重い荷物になるため、商店街までは屋台を引いて行かねばなりませんでした。アリスたちが住んでいるお家から商店街までは30分程度かかります。そしてスーパー激安スーパーのお店が閉まるのは午後8時頃のようでした。アリスは目覚まし時計をセットしました。アリス「午後5時にセットして起きましょうか?」こうしてみんなをリビングで寝かせることにしました。アリスはみんなに毛布とまくらを配りました。アリス「では眠りましょうか?」一番疲れていたと思われるモグモグも眠りました。モグモグ「スーー。スーー。」ミルキー「スーー。スーー。」ミッチー「スーー。スーー。」由美「スーー。スーー。」そしてアリスも横になりました。アリス「スーー。スーー。」ニセアリス「ぐがががががががががが!(地響き)」ちょっとだけ眠るつもりが…、疲れていたアリスはぐっすりと眠り込んでしまいました。アリス「……………。」アリス「……………。」アリス「……………。」目覚まし時計「ジリリリリリリリリリ!」目覚まし時計が鳴っても誰も起きませんでした。アリス「……………。」そして…、アリス「あら?」アリスは起きました。ずいぶんと眠っていたようです。アリスは時計を見ました。すると…、アリス「は?」スーパーの閉まる30分前でした。アリスはどうやら深く眠り込んでしまったようです。疲れていましたし、これまで寝不足だったので当然と言えば当然です。そこへ…、ウサギさんがお城の仕事から帰って来ました。ウサギ「はあ~~~、今日も疲れちゃったなあ、もう!でも仕事が終わってホッとしたよ。」アリスはあわてます。今日はウサギさんのお夕食も作っていませんでした。アリス「ああ!すみませんウサギさん!今日は寝過ごしてしまったんです!お夕食は作っていません…、」ウサギ「ええっ?!」お腹が空いていたウサギさんは正直がっかりしました。しかし、アリスはいそがしそうですので…、ウサギ「わかりました。大丈夫ですよ。ニンジン入りのカップラーメンでも食べますから。」と、言いました。ウサギ「それはそうとアリスさん、明日の駅弁の食材は…?」アリス「そっ、それが…、買いに行けてないのです。」ウサギ「ええっ?!それって…?」アリス「すみませんが、そのう…、寝過ごしてしまったようです。」ウサギさんが見てみますと、リビングにはミッチー、ミルキー、由美が寝ていました。それにモグモグまで。ミルキー「スーー。スーー。」ミッチー「スーー。スーー。」由美「スーー。スーー。」モグモグ「スーー。スーー。」ニセアリス「ぐがががががががががが!(地響き)」ウサギ「……………。」
2017.11.09
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【不思議の国のアリスとニセアリス】 機関車B20 『ピンチ』アリス「ミルキーさん、今日はいそがしいのでもうそろそろ行きましょうか?」ミルキー「でもアリスタン…、」アリス「ミルキーさん、ここにいてどんなに蒸気機関車B20さんをなぐさめても…、機関車B20さんを救うことはできませんよ。お家に帰って駅弁を作りましょう。それが機関車B20さんを救うことになるんです。」ミルキー「……………。」ミルキーは確かにアリスの言うとおりだと思いました。ミルキー「機関車B20タン!今日は帰るよ!ミルキータンは今いそがしいから!」すると機関車B20は目に涙を浮かべたようでした。機関車B20「……………。」ミルキー「でもまた来るから!」機関車B20「……………。」ミルキー「じゃあ!」こうして…、アリスとミルキーはその場を去ります。ミルキー「……………。」でも…、本当に駅弁を売るだけで機関車B20が救えるのでしょうか…?確かウサギさんが駅長さんとお話した時は…かなりのお金が必要と言うことでしたが? こうしてアリスたちはお家に帰って来ました。アリスはとても疲れていました。いつものアリスと違ってなんだかやる気があまり起きませんでした。アリス「……………。」それはやはりとても疲れていたからです。アリスはここのところあまり寝ていません。それに駅弁作りとその販売まで行っていました。それは緊張の連続だったのです。アリス「……………。」そこで、アリスは少し眠る事にしました。ミルキー「どうしたの?アリスタン?疲れたの?」アリス「ええ、疲れました。少しだけ仮眠を取ろうと思います。」ミルキー「うん。それがいいよ、アリスタン。疲れたのなら仮眠を取れば?」それでミッチーも由美もミルキーも少し眠ることにしました。アリス「また起きて…、スーパーが閉まる前までに…、お買い物に行きましょうか?」由美「それがいいです。」今日の駅弁は昼前には完売していました。でもそれからいろいろあったのでお家に帰って来たのは午後3時頃でした。今日は帰る前に駅長さんとお話しましたし、機関車B20とも話して来ました。ですからけっこう時間がかかったのです。アリス「もう午後3時ですか…。時間が経つのは早いものですね。」
2017.11.08
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アリス「まあ…。」ミルキー「アリスタン!」アリス「モグモグは女の子に人気がありますねえ。」そしてアリスたちはお家に帰ることにしました。今日も屋台を引いて帰ります。帰りは屋台はずいぶんと軽くなっていました。モグモグ「ピィーー!ピィーー!」モグモグは今日、人気者だったので調子良いです。すると私鉄『ポッポ』の線路を越えた辺りでミルキーが、ミルキー「ねえねえ、アリスタン。ちょっと機関車B20タンに会って行っていいかな?」と聞きました。しかし…、アリスは明日は今日よりも少し多い数の駅弁を用意しなくてはなりませんでした。それに必ず駅弁を売らなくてはならないというプレッシャーもありました。それにアリスは最近あまり寝てません。今のアリスに取って時間はとても大切だったのです。アリスにとって機関車B20の所に寄って行くのは大変なことでした。アリス「……………。」でも…、ミルキーが大きな目を見開いてアリスを見つめていました。その目はひっしにうったえていました。それはまさにつぶらな瞳でした。ミルキー「……………。」アリス「わかりました。ミルキーさん。少しよって行きましょうか?」ミルキー「うん!」ミルキーは喜びました。そのミルキーの笑顔がアリスに取っては励ましになりました。こうしてまた線路脇に屋台を置いて…、アリスとミルキーだけで機関車B20に会いに行きました。ひっそりとした引き込み線の端っこに機関車B20がとまっていました。やっぱりまったく動いていないようです。機関車B20「……………。」ミルキー「機関車B20タン!」機関車B20「は?これは…、ミルキータンさん…、」でもやはり機関車B20には元気がありませんでした。ミルキー「機関車B20タン!元気出して!」機関車B20「え?でも………。」ミルキー「元気出して。きっと…、きっと…、」機関車B20「……………。」ミルキー「……………。」
2017.11.07
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「本物じゃなくて、着ぐるみだ」と言われたモグモグは本物の鳥であることを証明するため、声を出して鳴いて見せました。(でもモグモグは実は正確には鳥ではなくUMAです)モグモグ「ピィーー!ピィーー!」女子学生A「きゃあ!かわいい!かわいー!これ、やっぱり本物じゃないの?」モグモグ「ピィーー!ピィーー!ピィーー!」モグモグは今度は羽ばたいて見せました。バサッ!バサッ!バサッ!バサッ!バサッ!女子学生C「きゃあ!かわいー!かわいー!」女子学生にはその仕草が大受けでした。アリス「……………。」ミルキー「……………。」すると女子学生たちはモグモグの写真を撮り始めました。女子学生B「写真撮ってブログに載せようよ!」女子学生C「載せよう!載せよう!」女子学生たちはスマホを取り出してモグモグを撮影しました。すると…、1日駅長の姿を嫌がっていたはずのモグモグが…、モグモグ「ブモッ!」チリン!(スマホのシャッター音)女子学生の前でポーズを取り始めました。モグモグ「ブモッ!」チリン!(スマホのシャッター音)すると女子学生たちがさらに喜びます。女子学生A「かわい~!かわいー!」女子学生B「かわいー!」女子学生C「かわいー!」モグモグ「ブモッ!」ミルキー「アリスタン…、あれなに?」アリス「どうやら、モグモグが人気あるみたいですね。」するとニセアリスの目が怪しく光ります。そして女子学生の所に行きました。ニセアリス「君たち!このモグモグの撮影には”撮影料”がかかって来るんだ!1枚1000…、」するとニセアリスはアリスに手を引っぱられ、別の場所につれて行かれました。アリス「ニセアリスさん!撮影ぐらいでお金を取ってはいけません!」ニセアリス「なんだよ?儲けないといけないジャン!少しでも金になることをしなきゃ!」アリス「だからと言って、女子学生さんたちから撮影でお金を取るのはやりすぎです!」ニセアリスはアリスに怒られました。それにしてもモグモグはどや顔になっていました。モグモグ「ブモッ!」モグモグ「ブモッ!」女子学生A「かわいー!」女子学生B「かわいー!」女子学生C「かわいー!」チリン!(スマホのシャッター音)チリン!(スマホのシャッター音)チリン!(スマホのシャッター音)モグモグはいっぱい写真を撮られていました。
2017.11.06
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駅長「では明日もそういうことでよろしいでしょうか?」アリス「わかりました…、」駅長「そーですか!良かった!良かった!それでは明日もよろしくお願いします!」ニセアリス「わかった。」駅長さんはとても喜んでいました。そして自分の仕事に戻るため、その場を後にしました。アリス「……………。」でもこのことはアリスに大きなプレッシャーをかけることになりました。アリスとしては「明日も駅弁が売れるのかしら?」と内心心配していました。それにしても本日、駅弁を買えなかったお客さんたちがまだ周辺に少し残っていました。その中には女子学生たちもいました。その若い女性学生たちが、屋台の近くに立っていたモグモグの姿を発見しました。モグモグは駅員のかぶるような帽子をかぶり、『1日駅長』との書かれたたすきをかけていました。女子学生A「かわい~!」モグモグ「ブミッ?」女子学生B「かわいー!」女子学生たちがモグモグの近くに寄って来ました。女子学生A「かわい~!何かしら?これ?」女子学生B「”1日駅長”だよ!かわいー!」女子学生C「”1日駅長”って何?」女子学生B「”1日駅長”ってほら!テレビでよくやってるじゃない!猫のたまべえきちょーと同じだよ!」女子学生A「ああ、猫の”たまべ駅長”ね?そのマスコット?」女子学生B「そうそう、たぶんあれと同じ。でもこっちは”ゆるキャラ”だよ!”ふにゃっしー”なんかと同じ!」女子学生C「”ふにゃっしー”?それって、あの黄色い猫の?」女子学生B「そうそう!あれと同じ。こっちもたぶん中に”人”が入っているんだよ!だから着ぐるみ!」女子学生A「着ぐるみ?それにしても良く出来るけど?何かの動物さんじゃないの?本物の!」女子学生B「違う!違う!着・ぐ・る・み!こんなでっかいヒヨコなんていないから!」
2017.11.05
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アリス「えー?ニセアリスさん!」アリスはニセアリスに注意します。しかし駅長さんの方はニコニコ顔でした。駅長「いやあ、あれほどのお客さんが来られるとは正直思っていませんでした。それに今日は駅弁を買うためにわざわざ列車に乗られて来た方もおられたようです。」ニセアリス「うちは鉄道の方の売り上げにも貢献している!」駅長「いやあ、まったくその通りです。ありがたいことです。この分だと乗客の数も増えそうです。それに今日、駅弁を買えなかったお客様もいらっしゃいます。そのお客様はおそらく明日も買いに来られるでしょう。駅弁の数を増やすのは良いことだと思います。」ニセアリス「明日は今日の2倍にする!」アリス「え~?それは無理です!危険です!」ミッチー「明日も今日と同じ販売個数にするべきです!もし売れ残ったら赤字です。」すると駅長さんがその場をなだめるようにこう言いました。駅長「ではこういうのはどうでしょうか?明日は今日の1.2倍にするというのは?」アリス「………………」駅長「もしも売れ残ったら…、うちの方でその分は負担しますので。それでしたら、もし売れ残っても赤字にはなりません。いえ、売れ残るとはとても思えませんが。」ニセアリス「いいだろう。」ニセアリスが勝手に返事をしてしまいます。アリス「ニセアリスさん!!」ミッチー「あまり調子に乗って用意するお弁当の数を増やすと売れ残ることになります。」駅長「とにかく明日の分はこっちで保証しますから。明日だけでも試験的にどうですか?」ニセアリス「いいだろう。」するとミルキーが怒ります。ミルキー「ゾーキンはだまってればいいんだよ!ここはアリスタンがちゃんとするから!アリスタンに全部まかせておけばいいんだよ!…はぐあふぐあ!」ミルキーはお口をアリスにふさがれてしまいました。少し言葉が乱暴すぎたようです。ミルキーのような小さい女の子が使う言葉ではありません。ミルキー「はがっ!はがっ!ぐはっ!」
2017.11.04
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小説内容は全てオリジナル作品になります。全て新しく書き下ろした物です。下記をクリックしてそのページにジャンプしてください。リンク先は楽天の同じこのサイト内になります。ジャンプ先は以前のページになります。 →【不思議の国のアリスとニセアリス】小話 VOL.442 機関車B20 ACT.95 本格始動! →【不思議の国のアリスとニセアリス】小話 VOL.443 機関車B20 ACT.96 本格始動! →【不思議の国のアリスとニセアリス】小話 VOL.444 機関車B20 ACT.97 本格始動! →【不思議の国のアリスとニセアリス】小話 VOL.445 機関車B20 ACT.98 本格始動!
2017.11.04
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すると別のお客さんから質問がありました。お客さん「まあ、明日は何時からの販売かしら?」アリス「ええと、そのう…、」ミッチー「お客様、まだお時間の方は決まっておりませんが…、明日も本日と同じぐらいの時間から販売を予定しています。」お客さん「まあ、そうなの。じゃあ今日は買えなかったから…、明日その時間に来てみます。」ミッチー「はい。明日お待ちしています!」とにかくミッチーがうまく対応してくれました。こうしてお客さんたちがその場から去って行きます。駅弁の販売が終了すると屋台近くにいたお客さんたちが離れて行きました。アリス「はあ~~~~~。」そこへ駅長さんが満面の笑みを浮かべて近づいて来ました。駅長「いやあ、アリスさん!駅弁は大成功ですね!」アリス「はい!そのようです。」駅員さんはとても嬉しそうです。ミッチー「でもまだわかりません。お店を新たにオープンしますと最初の時はお客さんがいっぱい来るものです。」駅長「まあ、それもあるかも知れませんが…、でも駅弁は予想外の人気だったと思います。うちの私鉄でも駅弁を販売している駅がありますが、駅弁がこんなに人気になったことはありません。大変でしょうが、明日もぜひお願いしますよ!」アリス「ええ、まあ…、」でもアリスは少し自信なさげです。駅弁販売は…、とても時間がかかります。いろいろみんなが助けてくれるとはいえ…、アリスはここの所3時間半か4時間ぐらいしか眠っていません。睡眠時間も足りていません。それにこの後…、またお買い物に行かなくてはなりません。やはり食材の不足があります。食材は毎回新鮮な物を用意しなくてはなりませんので、またお買い物に行かなくてはなりません。それはアリスに取っては大きな負担となります。すると…、ニセアリスが駅長さんの前へ躍り出ました。ニセアリスはいままでどこへ行ってたんでしょうか?ニセアリス「この分だと明日も今日の分より個数を増やして売ることができる!」
2017.11.03
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アリス「かしこまりました。少々お待ちください。では次のお客様は?」お客さん「こっちは駅弁4つだ!全部”甘い”で頼む!」アリス「かしこまりました。少々お待ちください。」お客さん「こっちは駅弁5つ!”甘い”2個”!”甘さ控えめ”2個”!糖分0”1個!」ミッチー「はいはい、だたいま!少々お待ちください。」お客さん「私たちは駅弁7つ!”甘い”3個”、”甘さ控えめ”2個”、”糖分0”2個でお願いします。」ミッチー「はいはい、だたいま!ただいま!少々お待ちください。」駅弁は押すな押すなの大盛況となりました。 アリス「えー。駅弁7個のお客様!駅弁7個のお客様?」ミッチー「駅弁3個のお客様?駅弁3個のお客様?」お客さん「はいはい!駅弁3個、こっちだよ!」お客さん「こっち駅弁7個ね!こっちだよ!」そして…、ミッチー「えー、ただいまを持ちましてアイスクリームのフライの”甘い”のお味は全て品切れとなりました。ご了承願います!」お客さん「じゃあ、私、”甘さ控えめ”でいいから!」由美「かしこまりました。」お客さん「こっちも”甘さ控えめ”でいいから!とにかく駅弁ちょうだい!」アリス「はいはい、ただいま!」さらに…、ミッチー「えーー!ただいまをもちまして。アイスクリームのフライの”甘さ控えめ”のお味も全て売り切れとなりました!」お客さん「じゃあ、私”糖分0”でいいから!」由美「かしこまりました。」お客さん「じゃあ、こっちも”糖分0”でいいから!とにかく駅弁ください!」アリス「はいはい、ただいま!」そしてついに…、ミッチー「えー、みなさま、ただいまを持ちまして、本日の駅弁は全て売り切れとなりました!」お客さん「えーーー?」お客さん「私、まだ買ってないよ!」ミッチー「まことにもうしわけありません。駅弁は明日も販売する予定ですので!またおこしいただければと思います。」
2017.11.02
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それでウサギさんは駅員さんに声をかけます。ウサギ「すみません。あのう、一度また駅長さんとお話ししたいのですが。」駅員A「はい。わかりました。では鉄道事務所の方でお待ちください。ただいま駅長を呼んでまいりますので。」ウサギ「おいそがしいところすみません。」駅員A「いえいえいえ、とんでもありません。アリスさんには鉄道の売り上げの方でも貢献していただいておりますので。こちらとしても大変助かっています。駅弁を買うためにわざわざ列車に乗って来られるお客様もいらっしゃいます。ではさっそく駅長を呼んでまいります。少々お待ちを。」こうしてみんなは鉄道事務所の方に通されました。アリス、ミルキー、ウサギさん、ミッチー、由美、さらにモグモグもついて行きます。ニセアリスはどこかに行ってしまったようです。ニセアリスが来るとミルキーが怒り出すので呼ばないことにしました。ところで今はバタバタとしていますので、ミルキーは今朝自分が起こしてもらわなかったことをすっかり忘れているようでした。アリス「ではミルキーさん、今から駅長さんと機関車B20さんのことをお話しますから。」ミルキー「うん、わかった。」これから重要な話が始まります。それはミルキーにもわかりました。こうして鉄道事務所で待っていますと、駅員さんが現れました。そしてアリスたちと駅長さんは向かい合わせで席に座りました。駅長「いやあ!アリスさん、駅弁の売り上げはすごいです。そして何と言っても駅弁販売を開始してから鉄道のお客様の数が増えました。」アリス「それであのう…、機関車B20さんのお話なのですが…、」駅長「そうですね。この分ですと…、近い内に蒸気機関車B20をお売りすることはできるかと思います。」アリス「そうですか?!」駅長「しかしです…。B20をお売りするにはひとつ条件があるのです。」アリス「条件?」
2017.10.31
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ウサギさんは周りの雰囲気や、駅弁が全て売り切れた事実や、お客さんがわざわざ鉄道を利用して買いに来てくれたことを知りました。ウサギ「これは行けそうですね!」アリス「これで機関車B20さんを救えるのですか?」アリスは気になっていたことを聞きました。するとウサギさんの表情が曇ります。目を閉じて腕を組みました。ウサギ「それなんですが…、僕も前から気になっていたんですが…、駅弁を売るだけであの問題が解決するでしょうか?」アリス「…と言いますと?」ウサギ「駅弁は売り上げがかなり出ていると思います。この分だと近い内に本当に蒸気機関車B20本体を買い取ることはできるかも知れません。蒸気機関車本体の売却価格はとても安かったので。」それを聞いてアリスとミルキーは喜びます。ミルキー「やった!やったよ、アリスタン!」特にミルキーは大喜びです。しかし…、ウサギ「でもおそらく機関車B20を購入するには…、車体を線路から退かさなくてはなりません。」アリス「はあ。」ウサギ「それには…、以前、鉄道事務所でお話ししたので覚えておられると思いますが…、蒸気機関車B20の移動には高額の費用がかかるのです。蒸気機関車はとても重たい物です。普通では運ぶ事は困難です。運び出すにはそうとうな費用がかかります。駅弁の売り上げだけでは…、何年かかることやら…、」アリス「ええ?!」アリスは驚きます。もちろんミルキーもです。ウサギ「駅弁の人気は上々のようですが…、蒸気機関車の移動には途方もない費用がかかるのです。それを駅弁の売り上げから全て捻出するとなりますと…、」ミルキー「そんな!機関車B20タンはまもなく解体されちゃうって言っていたよ!」ウサギ「うう…、一度また駅長さんとお話した方が良いですね。」今日はウサギさんがいますので、アリスたちは駅長さんとまたお話ししてみることにしました。
2017.10.30
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駅長「アリスさん、明日はこれよりも個数を増やされては?やはりこの駅弁は売れるようです。この分だとまだまだ売れそうです。今日は昨日にもまして多くのお客様が来られました。せっかく販売開始を待っていたのに買えなかったお客様もたくさんいらっしゃいます。」でもアリスは昨日寝過ごしたことを思い出しました。つまりあれは…、アリスがあまり睡眠時間を取れておらず、疲れていたから起こったことでした。アリス「でも…、あのう…、これ以上はもう大変ですので。」ミッチー「駅弁の個数はこれで限界です。私たちが作れるのはここまでです。」すると、ニセアリスがどこからともなく現れました。いったいいままでどこにいたのでしょうか?ニセアリス「明日はこの倍を売る!」アリス「無理です!ニセアリスさん!」アリスが怒りました。すると…、ミルキーが起きて来ていました。しかしまだ少し寝ぼけているようです。でもミルキーは…、ミルキー「だまってろ!ゾーキン!」と、言いました。ミルキーが怒っています。でもアリスはまたミルキーを止めます。ミルキーにしては乱暴な言葉づかいだったからです。とにかくニセアリスがやって来ると話がまとまらなくなるので…、なんとか駅長さんには今日と同じ数だけ明日も用意することを約束しました。そして駅長さんは仕事に戻って行きました。アリスたちは撤収作業を始めます。そこへ…、ウサギさんがやって来ました。ウサギ「アリスさん、どうですか?」アリス「まあ、ウサギさん!」ウサギ「今日は仕事が早く終わったのです。気になってやって来ました。」ウサギさんが平日この時間に帰って来ることは珍しいです。アリス「まあ!それはありがとうございます。おかげさまで駅弁の販売は上々です。」ウサギ「そうですか?それは良かったですね!」
2017.10.29
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アリス「アイスクリームのお味の方はいかがいたしましょうか?」お客さん「ええと、”甘い”4つ、”甘さ控えめ”4つ、”糖分0”2つ。」アリス「かしこまりました。少々お待ちください。」まさに大盛況でした。アリスたちが作った駅弁は売れに売れました。アリスたちはみんなが仕事に追われました。アリス「駅弁3個のお客様!駅弁3個のお客様、どちらですか?」ミッチー「駅弁8個のお客様?駅弁8個のお客様?」お客さん「はいはい!こっち!駅弁3個!」お客さん「駅弁8個の客です!」アリス「大変お待たせしました。」ミッチー「ではこれをどうぞ!」お客さん「ありがとう!」駅弁を買えたお客さんたちはみんな嬉しそうでした。そして…、ミッチー「えー、みなさま、まことに申し訳ありませんが、ただいまを持ちまして、本日の駅弁は全て売り切れとなりました!」お客さん「えー?」お客さん「えー?今日は買えてないよ!」お客さん「今日も買えてないよ!昨日も来てたのに!」ミッチー「まことにもうしわけありません。駅弁は明日も販売する予定です!みなさま、またのおこしをお持ちしています。」お客さん「明日も10時からの販売かね?」ミッチー「えー。まことに申し訳ありませんが、10時から販売予定ではありますがー、そのお時間より遅れる場合もございます。」こうしてお昼を待たずして”みるきー弁当”は完売しました。販売開始からわずか1時間で全て売り切れました。お客さんたちは帰って行きます。そこへ駅長さんがやって来ました。駅長「いや~、アリスさん!駅弁は本日も大盛況ですね!」今日も駅長さんは大喜びです。満面の笑みを浮かべていました。しかし、今日駅弁を買えなかったお客さんがたくさんいました。かなりのお客さんが買いそびれたようです。
2017.10.28
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【不思議の国のアリスとニセアリス】機関車B20 『機関車B20を救えるの?』すると駅員さんたちが人を誘導して、道を切り開きます。駅員A「みなさま、道を開けて屋台を通してください。屋台設置後、駅弁の販売を開始したいと思います。」駅長「えー、お客様、まもなく駅弁の販売を開始しますので、どうかみなさま道を開けてください。駅弁販売用の屋台が駅の出入り口の方に移動します。」 するとお客さんたちが道を開けてくれました。アリスたちは駅の入り口付近まで屋台を移動します。やっとのことで、屋台が駅の入り口まで来ました。すぐにそこへ駅長さんがやって来ます。駅長「あー、アリスさん、ごくろうさまです!本日も駅弁の販売をよろしくお願いいたします!」アリス「ええ、わかりました。」ミッチー「まかせてください!」ミッチーが元気に答えます。アリスは昨夜は寝ていませんが、まだ元気がありました。ミッチーと由美がテキパキと販売の準備をします。サッサッ!サッサッ!サッサッ!そして…、駅弁の販売の準備が整いました。ミッチー「えー、ではただいまより、駅弁”みるきー弁当”の販売を開始いたします!」お客さん「おーーーー!」お客さん「いいぞーー!」お客さん「待ってました!」パチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチ!!また自然とはくしゅがわき起こりました。それにしても昨日に比べて一段と大きなはくしゅでした。そして駅員さんたちに誘導され、お客さんたちが整然と列を作って並びました。ミッチー「では最初のお客様からどうぞ。」お客さん「駅弁5つだ!」ミッチー「5つでございますか?少々お待ちください!」後ろの方でまた由美が梱包をします。アリス「アイスクリームのお味の方はいかがいたしましょうか?」お客さん「”甘い”2個、”甘さ控えめ”2個、”糖分0”1個でお願いします。」由美「かしこまりました。少々お待ちください。」アリス「では次のお客様は?」お客さん「ええと、駅弁10個!」ミッチー「10個でございますか?わかりました。少々お待ちください。」
2017.10.27
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こうしてみんなは私鉄『ポッポ』の線路脇までやって来ました。ミルキーが起きていればここで機関車B20に会おうと言って来るのですが…、ミルキー「スーー。スーー。」まだ寝てました。そして今は午前10時をかなり回っています。アリス「ミルキーさんが起きれば、また機関車B20さんに会いに行こうと言って来るでしょう。ですからそれは”帰り”にしましょう。」ミッチー「それがいいですね。とにかく販売予定時刻を過ぎていますから。急いで駅に行った方がいいかもです。」そして駅に近づきます。すると拡声器で誰か喋っているようでした。その大きな声が聞こえて来ます。駅長「えーーー、みなさま、まもなくお見えになると思います。」なんだか前方が騒がしい感じがします。そして曲がり角を曲がって、もうすぐ”すごく大きな駅”の出入り口が見えて来るはずです。…と思いましたけど、かんじんの駅の出入り口が見えません。その前に人だかりが出来ています。アリスは驚きました。 駅長「えーーー、みなさま、落ち着いてください、まもなくお見えになると思いますので。」お客さん「今日は駅弁を売るのか売らないのか、それだけでもはっきり教えて!」お客さん「今日、販売しないのならもう帰るから!」駅長さんや駅員さんの姿も人だかりでさえぎられて見えません。駅の出入り口には昨日よりもはるかに多い人だかりが出来ていました。ザワザワザワ!ザワザワザワ!ザワザワザワ!お客さん「今日は駅弁販売するの?しないの?」これでは駅の出入り口に行こうとしても人だかりが多すぎて行けません。すると、駅員さんの1人が様子を見に、その人だかりを抜けて来ました。そしてアリスたちと屋台を見つけます。駅員A「は?」そして駅員さんがアリスの元に走り寄って来ました。駅員A「あーーー!アリスさん!お待ちしていました!今日、駅弁は販売出来ますか?」アリス「ええ。」駅員A「良かったあ~~~~。ではさっそくお願いします!」アリス「でもあのう…、人だかりが多すぎて…、」
2017.10.26
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アリス「え?」ジョセフ「それからミルキーにこれを。」ジョセフは菓子パンの入った箱のような物をアリスに渡しました。その箱はどこかのお店の物のようでした。表面にかわいい絵とお店の名前が入っていました。ジョセフ「ではこれで。」アリス「ミルキーさんが昨日は”起こしてくれなかった”と私に怒ったんです。」ジョセフ「大丈夫ですよ。僕はたぶん明日もこの時間に来ますから。」それを聞いて、なんだかアリス自身嬉しくなりました。そして…、ジョセフは帰って行きました。ブボン!ブボン!ブボン!ブボン!ブボン!ブボン!キーーーーーーーン!アリス「……………。」しばらくお家の外にいたアリスですが、我に返ってお家の中に入ります。ミルキーはリビングに置いてまだ寝かせることにしました。アリスはキッチンに入ってお弁当箱に出来上がった物をつめていきます。ミッチーも由美もまだ寝ていますので、アリス1人でやりました。アリス「……………。」アリスは疲れているはずですが、すごくがんばれました。ジョセフに会って元気が出たようです。午前9時頃には駅弁を全てつめ終わりました。それからアリスは屋台を準備します。屋台に出来上がった物をつめていきます。こうして午前9時半頃には出発の準備が整いました。アリスはモグモグを起こします。モグモグ「ピィ?」モグモグを屋台につれて行きますが、寝ぼけていて半分千鳥足でした。フラフラ~、フラフラ~。そしてアリスは他の人を起こします。ミッチーも由美も眠い目をこすりながら起きて来ました。しかし…、ミルキーは起きませんでした。アリス「困りましたね。」みんなで話し合った結果…、屋台に積んで行くことにしました。モグモグ用のベッドがあります。そこに毛布をしいて、その中にミルキーを入れて、屋台の上に乗せました。ミルキー「スーー。スーー。」アリス「では行きましょうか?」ミルキーは屋台にゆられて行きます。
2017.10.25
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ブボン!ブボン!ブボン!ブボン!ブボン!ブボン!キーーーーーーーン!アリス「は?」うたた寝していたアリスはあわてて飛び起きました。ジョセフの車の音が聞こえたからです。時計を見ますと午前7時頃でした。アリスは約束通りミルキーを起こそうと思いました。ミルキーはクッションにもたれかかるようにして寝ていました。アリス「ミルキーさん!起きてください!ジョセフさんがこられましたよ!」しかし…、ミルキーは昨夜とてもがんばりすぎて…、ミルキー「スーー。スーー。」起きませんでした。アリス「ミルキーさん!ミルキーさん!」やはりミルキーは起きません。ミルキー「スーー。スーー。」しかたがないのでアリスはミルキーを抱きかかえて、玄関から飛び出します。ちょうど車のエンジンを切ってジョセフが車から降りて来る所でした。ジョセフ「おはようございます。すがすがしい朝ですね。」今日はジョセフはすんなりアリスに声をかけて来ました。アリス「そっ、そうですね。あっ!おはようございます!」なんだかアリスの方がたどたどしいです。ジョセフは車から荷物を取り出して、わざわざ玄関まで運んでくれました。今日もお弁当箱とドライアイスを持って来てくれたようです。重いクーラーボックスもジョセフが運びます。アリスはミルキーをいったん下ろしてそれを手伝いました。ミルキー「スーー。スーー。」そして荷物を全て下ろし終わりました。ジョセフ「ではこれで。」アリス「あの!ちょっと待ってください!ミルキーさんに昨日絶対起こすと約束したんです。ジョセフさんにとても会いたがっていましたから。」するとジョセフは笑顔で、ジョセフ「そうですか。でも起こさなくていいですよ。」と、言いました。アリス「でもミルキーさんに絶対起こすと言ったんです。ミルキーさん!起きてください!」でもミルキーは起きません。ジョセフ「いいですよ。寝かせておいてください。」アリス「でも、約束したんです!」ジョセフ「”僕が起こさないでいい”と言ったと、そうミルキーに伝えてください。それでわかりますから。」
2017.10.24
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こうして、ふたたびミルキーが駅弁作りに参戦しました!時刻は夜の11時頃です。でもミルキーはがんばります。アリスもジョセフに助けてもらってかなり元気が出ていました。アリスは自分でも信じられないぐらいがんばれました。ミッチー、由美も熱心に手伝ってくれます。アリス「ミルキーさん、泡立て器を準備してください。」ミルキー「はいはい!」セッセ!セッセ!セッセ!セッセ!セッセ!ミッチー「ミルキーちゃん、ボールを3つ用意して!大きいのを!」ミルキー「はいはい!」セッセ!セッセ!セッセ!セッセ!セッセ!由美「ミルキーちゃん、卵を冷蔵庫から取り出して。」ミルキー「はいはいはい!」セッセ!セッセ!セッセ!セッセ!セッセ!こうして翌朝の6時頃…、ついにアリスはやりとげました。昨日の1.2倍もの量の駅弁を作りあげたのです。後はお弁当箱につめるだけです。アリス「ついにできたわ!」今回はとても苦労しました。時間が少ない中でアリスはよくがんばりました。でも昨日のあの時もしもジョセフが助けてくれなかったら…?アリスはジョセフに感謝しました。そして周りを見てみますと…、キッチンには誰もいませんでした。リビングの方に行ってみますとミッチー、由美、ミルキーが疲れて爆睡していました。ミッチー「スーー。スーー。」由美「スーー。スーー。」ミルキー「スーー。スーー。」特に昨日はミルキーがけっこうがんばりました。それで疲れたようです。7時頃にはジョセフがお弁当箱とドライアイスを届けてくれるかも知れません。アリスは起きて待つことにしました。昨日のように眠ってしまうと大変です。アリスはソファーには座らず、その横の床に座りました。アリス「……………。」でもすごく眠たくなりました。 アリス「……………。」アリス「……………。」アリス「……………。」
2017.10.23
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アリスがお家の中へ戻りますと、リビングでミルキーが背中を向けて座っていました。そしてお菓子の入った袋をにぎりしめていました。ミルキー「……………。」アリス「ミルキーさん…、」呼んでも返事がありません。ミルキー「……………。」しかたないのでアリスは駅弁を作り始めることにしました。もう時間が押しています。ミッチーも由美もすでに起きていました。そしてキッチンに入っていました。アリスもキッチンに入ります。そして作業をしました。食材がそろっていますのでけっこう早いペースで作れます。でもミルキーがキッチンにやって来ませんでした。心配になったアリスがリビングに行きますと…、まだミルキーが背中を向けて座っていました。そこへ近づきますとミルキーはジョセフに買ってもらったドーナツを1人で食べていました。ミルキー「……………。」アリス「ミルキーさん?」いつものミルキーなら、人からもらったお菓子ならアリスにもわけてくれるのですが、今日は無言で1人で食べていました。アリス「……………。」ドーナツを食べながらミルキーは泣いているようでした。ミルキー「グスッ……、グスッ……。」アリスはミルキーを元気付けようとしましたが、言葉が思い浮かびません。アリス「……………。」でも…、アリスは明日の朝になれば、ジョセフがまたお弁当箱とドライアイスを持って来てくれるかも知れないことを思い出しました。アリス「ミルキーさん、明日の朝、ジョセフさんがまた来られるかも知れませんよ。」ミルキー「え?」アリス「ジョセフさんは今朝も駅弁用のお弁当箱とドライアイスを届けてくれたんです。ですから明日の朝、来られるかも知れませんよ。」するとミルキーが、ミルキー「どうして今日の朝、ミルキータンを起こしてくれなかったの?」ジョセフが来ていたのに起こしてもらわなかったことをミルキーは怒りました。アリス「では明日の朝は…、ミルキーさんが寝ていても絶対起こしますから。」ミルキー「……………。」アリス「……………。」ミルキー「絶対だよ…。」アリス「ええ!」すると…、急にミルキーは立ち上がり、ミルキー「ミルキータンは今から駅弁を作るよ!」と言いました。
2017.10.22
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ミルキーには、今日なんとか食材が買えてホッとしているアリスの気持ちは届いておらず、ただただミルキーは喜んでいました。アリス「……………。」そしてアリスの方はジョセフにとても感謝していました。お家に着きました。ミルキーとアリスが車から降ります。そしてジョセフが荷物をお家の玄関の中に運び込んでくれました。ウサギさんがお家から出て来てジョセフにお礼を言います。そしてウサギさんがその荷物をキッチンへと運びます。アリスもそれを手伝いました。そして全てキッチンの中へ運び込みました。ウサギ「良かったですねえ、アリスさん。食材が買えて。」アリス「ええ、これで明日の分の駅弁が作れます。ジョセフさん、ありがとうございました。」ジョセフ「いえ、かまいません。では僕はこれで。」するとミルキーが驚きます。ミルキー「え?パパン!もう帰っちゃうの?」ジョセフ「ああ、まだ仕事が残っているから。」アリス「すみませんでした!おいそがしいところ!」アリスはとても恐縮したのですが…、ジョセフは笑顔で、ジョセフ「いえ、別にかまいません。」と答えました。ミルキー「パパン、もう帰っちゃうの?」ミルキーはさっきと同じ事を繰り返します。アリス「ミルキーさん、ジョセフさんを困らせるとダメですよ。」ジョセフ「ではまた。」ミルキー「え~~~~?!」そしてジョセフは車に乗って帰って行きました。ブボン!ブボン!ブボン!ブボン!ブボン!ブボン!キーーーーーーーン!すると…、ミルキーは急に黙りました。ミルキー「……………。」お菓子の袋を抱きかかえたまま…、その場に立ち尽くします。アリス「ミルキーさん、お家に入りましょう。」ジョセフの車のヘッドライトが消え、辺りは急に暗くなった感じです。ミルキー「……………。」アリス「ミルキーさん、どうしました?お家の中に入りましょう。」ミルキー「……………。」すると、急にミルキーが走り出し、お家の中へ入りました。ドタドタドタ…、アリス「……………。」
2017.10.21
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下記をクリックしてそのページにジャンプしてください。リンク先は楽天の同じこのサイト内になります。ジャンプ先は以前のページになります。 →【不思議の国のアリスとニセアリス】小話 VOL.362 機関車B20 ACT.15 ペットを飼おうよ! →【不思議の国のアリスとニセアリス】小話 VOL.363 機関車B20 ACT.16 ペットを飼おうよ! →【不思議の国のアリスとニセアリス】小話 VOL.364 機関車B20 ACT.17 ペットを飼おうよ! →【不思議の国のアリスとニセアリス】小話 VOL.365 機関車B20 ACT.18 ペットを飼おうよ! →【不思議の国のアリスとニセアリス】小話 VOL.366 機関車B20 ACT.19 ペットを飼おうよ! →【不思議の国のアリスとニセアリス】小話 VOL.367 機関車B20 ACT.20 相談 →【不思議の国のアリスとニセアリス】小話 VOL.368 機関車B20 ACT.21 相談 →【不思議の国のアリスとニセアリス】小話 VOL.369 機関車B20 ACT.22 相談 →【不思議の国のアリスとニセアリス】小話 VOL.370 機関車B20 ACT.23 相談小説は全て新しく書き下ろした物です。
2017.10.21
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いつもよりもミルキーの要求が激しいです。アリス「ミルキーさん、そんなに買っては…、」ミルキー「いいから!」ミルキーは普段ジョセフに会えないので…、甘えているようです。ミルキー「あの大きな箱のおまけ付きのお菓子も買って!」ミルキーは駅弁とは関係無い物を次々と要求します。でも言われるままジョセフは買っていきます。ミルキーはやはりジョセフに甘えているようです。アリス「……………。」こうしてアリスたちは大量の物を買い込みました。ミルキーの買ってもらったお菓子はそれだけ別のビニール袋に入れてもらいました。ジョセフの車には後ろにトランクがあり、そこに山のように食材を入れました。ものすごい量です。後ろが見えなくなるぐらい積み込みました。車に荷物を積み込むのはジョセフがやってくれました。そしてミルキーはジョセフに買ってもらった大量のお菓子を手に持ちました。それは大きなビニール袋に入れられていました。ジョセフはまたアリスに助手席をすすめます。まずアリスがシートに座り、その膝の上にミルキーが座り、そしてさっきからミルキーが放さずに持っている大量のお菓子が入った袋も積みました。ジョセフが車をスタートさせます。ブボン!ブボン!ブボン!ブボン!ブボン!ブボン!キーーーーーーーン!これまではアリスたちは屋台に荷物を運び込んでいたのですが、今日はジョセフがショッピングカートから車のトランクに入れてくれたのでアリスは楽でした。そしてこの時間に食材が買えた事はアリスに取っては奇跡でした。アリス「……………。」ミルキーを見てみますと、ミルキーは遠慮なくお菓子の箱を開けています。ミルキー「うわーー!すごいすごい!いっぱい入っているぅ!」ミルキーは喜びます。でも普段のミルキーと少し違って、なんだかミルキーが普通の子供のように見えました。ミルキー「うわーー!うわーー!」
2017.10.20
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アリスがショッピングカートを押そうとしますと…、ジョセフ「いえ、僕が押しますから。アリスさんは食材を選んでください。」アリス「でも悪いですし…、」ジョセフ「いいですよ。このぐらい。」アリス「でも…、」するとミルキーがミルキー「アリスタン、いいからいいから。」と得意気に言いました。それでアリスとジョセフは笑いました。それからミルキーはなんとショッピングカートの上に登ります。ミルキー「さあ行こう!アリスタン、どんどん買っちゃって!」アリス「まあ!ミルキーさん!そこは危ないですよ!」しかし…、ジョセフは別にかまわず、ショッピングカートを押して行きます。まあ、ゆっくりとミルキーが落ちないように、ですが。ゴロゴロゴロ…、アリス「……………。」特に問題はないようです。ミルキー「アリスタン!どうしたの?早く早く!」アリス「あっ、はいはい!」こうしてやっとアリスはお買い物を始めました。アリス「ええと…、卵と…、バターと、それから海苔と…、魚肉に…、」しばらくお買い物を続けます。するとミルキーが急に…、ミルキー「パパン!あのドーナツ買って!」と言いました。ミルキーはショッピングカートの上から指さします。するとジョセフがジョセフ「ああ、これね。」と言ってそのドーナツを取りました。そしてショッピングカートのミルキーに手渡します。アリス「あの…、いけません、ミルキーさん!」ジョセフ「今日は僕がお金を出しますから。」アリス「でも、あのう…、」ミルキー「いいじゃない!パパンがああ言ってるんだから!」ミルキーにしてはそれは強気な言い方でした。アリス「……………。」しかしミルキーはそれからもレジカゴにお菓子を入れて行きます。ミルキー「パパン!あのチョコレートも取って!」ジョセフ「あっ、はいはい。」ミルキー「あっちのバームクーヘンも!」確かにアリスとミルキーはいつも買い物に来た時にこういうやりとりをします。しかし、普通はあまり多くの物はミルキーに買い与えません。買い与え過ぎると良くないからです。ミルキーはまだ子供の心を持っていますので、際限なく要求して来るからです。でも今日は…、ミルキー「パパン!あれも!」
2017.10.19
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【不思議の国のアリスとニセアリス】機関車B20 『ジョセフとミルキー』ジョセフ「やあ。ミルキー!」ジョセフとミルキーはずいぶんとひさしぶりのはずですが…、ジョセフは”いつもの感じ”のようにミルキーに声をかけました。ミルキー「パパン!パパン!」そしてミルキーはまるで仔猫のような素早さでジョセフに抱き付きました。車の運転席にいるジョセフの所まで素早く移動したのです。最近ミルキーはジョセフに会っていませんでした。ミルキー「パパン!パパン!」ミルキーはジョセフにスリスリします。スリスリスリ…、するとジョセフが、ジョセフ「ミルキー、今は時間があまりないんだ。今日は食材を買って行かないと。このお店は午後10時までなんだ。」ミルキー「え?」アリス「ミルキーさん、今日は食材を買いそびれてしまったんです。だから今日は必ず食材を買ってお家に帰らないといけません。今はもう夜です。」ミルキー「え?」アリス「今日は寝過ごしてしまったんです。それでわざわざジョセフさんがお家に来られて…、ここにつれて来てくれたんです。」ジョセフ「さあ、ミルキー、降りよう。」ジョセフにそう言われたミルキーは、ミルキー「パパンも行くの?」ジョセフ「ああ、行くよ。」そう言ってジョセフは車のドアを開けました。ガチャ!それを聞いたミルキーはいそいそと車から降りました。ミルキー「うわあ!パパンとお買い物に行けるなんて!」アリス「良かったですね、ミルキーさん。」ミルキー「じゃあ行こう!」ミルキーは元気にそう言いました。こうして3人でスーパーの中に入ります。ミルキー「スーパー”夢の国”?」アリスには本当に夢の国のように思えました。これで買いそびれたと思っていた食材が手に入りそうです。スーパーの中はとても明るい照明の光で満たされていました。ミルキー「アリスタン、さっさと買おうよ!」アリスの心情を理解し切れていないミルキーはそう言いました。アリス「……………。」ミルキー「どうしたの、アリスタン?」アリス「いっ、いえ、なんでもありません。」アリスはショッピングカートを持って来ようとしました。しかしジョセフが大きなサイズのショッピングカートを押して来ました。ジョセフ「こっちに入れましょう!」アリス「まあ!」
2017.10.18
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そして夜なのになんだかにぎやかそうな場所を車は走ります。そこは都会のようでした。不思議の国にも都会はあります。そしてそこには巨大な店舗が道沿いに並んでいました。そこはいろいろな光で満ちあふれていました。カンバンの光がとても綺麗です。そして多くの建物の中にはまだ光が灯っていました。アリスに取ってはそれは信じられないような光景でした。アリスは夜にこの都会の街に来た事はありません。それはとても綺麗な光景でした。アリス「……………。」アリスはうっとりしました。そしてなんだか今はとても気分が良いです。車内はとても雰囲気が良かったのです。アリスは「これは貴重な時間が流れている」と感じました。アリス「……………。」そして目の前に大きなスーパーが見えて来ました。ジョセフ「ほら!ウサギさんが教えてくれたのはあそこです。」ジョセフがそう言って指さします。アリス「まあ!」そのスーパーにはまだ明々とした光が灯っていました。キーーーーーーーーン!ブボン!ブボン!ブボン!ブボン!ブボン!ブボン!車はそのスーパーの駐車場に入りました。周りを見ますと他の車がちらほらと来ていました。もう夜ですが、ここにはアリスたち以外にも買い物に来ているお客さんがいるようです。ジョセフは車を止めて、エンジンを切りました。ジョセフ「着きました。」夜だと言うのに、そのスーパーの店内にはまだ明々と光が灯っていました。そして中にはお客さんが大勢いるようです。大きなカンバンが店の入り口の上にかかっており、そのカンバンも光り輝いていました。『スーパー”夢の国”』そういう名前のスーパーでした。ジョセフ「では降りましょうか?」アリスはいつになくあわてます。アリス「ミルキーさんはどうしましょうか?」ミルキー「?」すると…、ミルキーが目を覚ましました。ミルキーは車のサイドウインドウごしに外を見ます。ミルキー「あれ?ここどこ?」アリス「スーパーですよ、ミルキーさん。お買い物に来たんです。」ミルキー「あれ?」ミルキーは車の窓からスーパーの光を見ていました。そしてミルキーは自分が今いるここはどこかと思って辺りを見ました。すると…、ミルキー「あっ!パパン!」
2017.10.17
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ミルキーは寝てましたのでアリスがそのままだっこして来ました。するとジョセフがアリスに助手席を進めました。どうやらこの車、シートが2つしかないようです。ジョセフの言う通りにアリスはミルキーを抱いたままシートに座りました。なんだかものすごいシートです。身体を包み込むような感じでした。アリスは自分の膝の上に寝ているミルキーを抱きかかえました。ジョセフはシートベルトをかけるようにアリスに言いました。ウサギ「ではアリスさん、行って来てください。ええと、でも荷物はどうしますか?買った荷物は?」ジョセフ「後ろのトランクに入れましょう。」ウサギさんが出発を見送ります。ジョセフ「では行って来ます。」こうしてアリスはジョセフの車に乗りました。横にジョセフがいるのをアリスは感じていました。アリス「……………。」ジョセフはアリスの方を向き、ジョセフ「では行きます。」と言いました。ジョセフが車のエンジンをかけますとものすごい音がしました。ブボン!ブボン!ブボン!ブボン!ブボン!ブボン!それに振動もあります。ミルキー「むっ…、スーー、スーー。」ミルキーは一瞬起きかけましたが…、また眠りました。ブボボボボボボボーーーーーーーーーーー!!車は発進しました。キーーーーーーーン!けっこうなスピードで田舎の曲がりくねった道を進んで行きます。キーーーーーーン!アリスとしてはそれは初めて乗る車でした。アリス「……………。」ジョセフ「……………。」アリスもジョセフもなんだかやはり言葉が出て来ません。するとアリスの膝の上で寝ぼけているミルキーが、ミルキー「ああ!夢にまで見たプレレテ4が!ああ、ついにミルキータンの物になったんだね?」と寝言で言いました。それでアリスとジョセフは笑いました。キーーーーーーーーーーーン!ジョセフの車は飛ぶように走って行きます。普段苦労してアリスたちが歩いている道を車はすっとんで行きます。歩いたらどれくらいかかるかわかりません。いつもなら行き来するだけで疲れます。でも今は道の景色が後ろの方に流れて行きます。キーーーーーーーーーーン!
2017.10.16
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ウサギさんは電話が終わったようです。そしてなにやらスマートフォンの画面を丸っこい指で操作していました。アリス「……………。」 それからしばらく時間が経ちました。すると…、ブボボボボボボボーーーーーーーーーーー!!キキキキーーー!ブボン!ブボン!ブボン!ブボン!ブボン!ブボン!お家の外で”あの音”がしました。それでアリスは外に飛び出します。外はすっかり暗くなっていました。そして…、目の前には黒いあの車が止まっているようです。車のヘッドライトの光が点いていました。そこにはジョセフ少年が来ていました。アリス「まあ!」ジョセフ少年はエンジンを切り、ヘッドライトを切って車から降りて来ました。ガチャ!ジョセフ「………………。」アリス「……………。」やはり2人とも声が出ませんでした。そして…、 アリス「あのう、ジョセフさん、どうしてここに?」ジョセフ「ウサギさんから頼まれました。食材を買いに行くとかで。」アリス「まあ、」そういえば…、先ほどウサギさんがスマートフォンで誰かに電話をかけていました。するとそのウサギさんが玄関に出て来ました。ウサギ「やあ!ジョセフさん。もうしわけありません、こんな時間に。」ジョセフ「いえ、ぜんぜん大丈夫です。」ウサギ「午後10時まで開いているスーパーを見つけました。そこは遠いですが、お願いできますか?」ジョセフ「ええ。ではそこに行ってみます。」アリス「ええっ?」ウサギ「でも食材はアリスさんでないとわかりません。」ジョセフ「ではあのう…、アリスさん、乗って行ってください。」アリスはそう言って進められました。アリス「車にですか?でもあのう…、」するとアリスはなぜか…、アリス「そうだ!ミルキーさんを呼んで来ます!」と、言いました。そしてリビングに行きます。するとミルキーはまだ寝ていました。ミルキー「ムニャムニャムニャ…、グフフフフフ!夢だったプレレテ4が…、ぐふふふ!」
2017.10.15
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アリス「……………。」ウサギ「でもどうしますか、アリスさん?明日の分の駅弁は…?」 アリス「………。食材さえあれば…、今からでも作れるのですが…、」ウサギ「では買いに行きましょうか?」アリスと「ええ、まあ…、そのう…、」ウサギ「どうしました?」アリス「でもスーパーはもう閉まる時間ですし、今から大量の食材を買うのはとても無理だと思います。」ウサギ「じゃあ、どうしましょうか?ええと、屋台をいつも運んでいるのはモグモグですよね?」アリス「今日買う予定だった分はけっこう多いんです。食材は大量に買わなくてはいけません。屋台を引いて行くとなりますと…、30分ぐらい時間がかかります。それにモグモグが疲れているようです。」モグモグ「スーー。スーー。」ウサギ「ところでお店は何時までですか?」アリス「午後8時だと思います。」ウサギ「すると…、もう間に合いませんねえ。」時計を見てみますと、7時50分でした。ウサギさんは考えます。ウサギ「うーーん。」アリス「どうしましょうか?今から屋台を引いて行くことも出来ませんし。」ウサギ「うーーん。」アリス「明日は駅弁は無しですね…。」アリスはそう言いました。なんだか力がぬけているような感じでした。ウサギ「………。食材さえあれば…、明日は駅弁を用意できるのですか?」アリス「ええ。おそらく。」ウサギさんはスマートフォンを取り出します。そしてどこかへ電話をかけました。そのままその場から離れて行きます。ウサギ「あのう…、もしもし!こんばんわ!」ウサギさんはどうやらアリスには聞こえないようにとその場を離れたようでした。アリスはその間にキッチンにある冷蔵庫に行ってみます。そして冷蔵庫の扉を開けて中を見ました。すると…、やはりそこには食材がほとんどありませんでした。アリス「……………。」ウサギさんは誰かと電話でお話しているようです。ウサギ「ええ、そうなんですよ。困りました。」ミルキー、ミッチー、由美はまだリビングで寝ていました。モグモグもぐっすり寝ています。ミルキー「スーー。スーー。」ミッチー「スーー。スーー。」由美「スーー。スーー。」モグモグ「スーー。スーー。」ニセアリス社長は…、この際、どうでもいいでしょう。(笑)ニセアリス「ぐがががががががががが!ぐがががががががががが!(地響き)」
2017.10.14
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そして1時間もしない内に…、ミッチー「えー、お客様、まことに申し訳ありませんがー、本日の駅弁は全て完売いたしました。明日もよろしくお願いいたします。」お客さん「え~?また買えなかったよ!」お客さん「はあ~。お客さんの数が多いから!」お客さん「毎日お客さんの数が増えて来ているよ。」駅長「えー、本日買えなかったお客様、まことに申し訳ございません。明日も”みるきー弁当”を販売する予定です。明日、おこしになってください。」するとお客さんたちが帰って行きます。お客さん「はああ~、今日も買えなかったわ。」お客さん「早く、ウワサの”みるきー弁当”を食べてみたいわ。まだ買えてないの。」買えなかったお客さんたちが、屋台から少し離れた所に立っているモグモグを見つけました。モグモグは最近屋台を引いてばかりでハードな毎日を送っていました。それですごく疲れていました。お客さん「あら?あれはなにかしら?」モグモグは『1日駅長』と書かれた”たすき”をかけていました。そして『みるきー弁当』と書かれたミニサイズの”のぼり”も背中に付けていました。さらに誰が作ったのか駅長らしい服の上着を着ていました。もちろんそれはビッグなヒヨコサイズの物です。モグモグ「ブモッ?」お客さん「あら?かわいいわね。」お客さんたちがモグモグの周りに集まって来ます。お客さん「かわい~!これって、たぶんマスコットだわ!」お客さん「”1日駅長”って書いてあるわ!”ヒヨコ駅長”かしら?」お客さん「ヒヨコ駅長?かわいー!」モグモグ「ピッ?」お客さんたちがモグモグの写真を撮り始めます。パシャ!(スマホのシャッター音)パシャ!パシャ!すると疲れているはずのモグモグが…、モグモグ「ピィーー!」バサッ!バサッ!バサッ!バサッ!バサッ!羽ばたいて見せました。お客さん「きゃあ!かわいいわあ!」駅弁を買えなかったお客さんたちがモグモグを見ています。パシャ!そしてモグモグはドヤ顎でポーズを取り始めます。モグモグ「ブモッ!」お客さん「きゃあ!かわいい!」パシャ!モグモグ「ブモッ!」お客さん「きゃあ!こっち向いて!」パシャ!パシャ!
2017.10.06
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お客さん「まあ!ここのお弁当はきっと腕のあるシェフの方が作っているに違いないわ。」待っているお客さん同士で会話が盛り上がっています。その間もアリスたちは作業に追われます。でもミルキーはやはり駅弁作りで疲れてしまってカゴの中で眠ったまま目覚めません。ミルキー「スーー。スーー。」それはアリスたちでさえハードな作業でした。お手伝いとは言え、小さなミルキーではやはり疲れたのでしょう。でも今日もお客さんたちの波がようしゃなく押し寄せます。お客さん「こっちにも駅弁1つお願い!”甘い”を1つ!」お客さん「こっちは駅弁2つお願い!”甘い”1つに”甘さ控えめ”1つ!」お客さん「今日は”糖分0”を試してみるよ。2つお願い!」アリス「はいはい!ただいま、ただいま!少々お待ちください。」由美「お客様、ただいまご注文のアイスクリームのフライを梱包いたしますので少しお待ちください。」屋台の後ろの梱包作業も大忙しです。由美「”甘い”3個、”甘さ控えめ”2個、”糖分0”3個のお客様のお弁当を包み終わりました。」アリス「はい!”甘い”3個、”甘さ控えめ”2個、”糖分0”3個のお客様どちらですか?」駅長「みなさま、列をみださずにきちんと並んでください。押すと危険です。前のお客様を押さないようにお願いいたします。」ザワザワザワザワザワザワ…、ザワザワザワザワザワザワ…、そうは言っても、屋台の前はお客様さんたちでいっぱいで、今日も押すな押すなの大盛況でした。お客さん「うわあああ!押さないで!」アリス「駅弁4個のお客様?駅弁4個のお客様!お弁当がつめ終わりました。駅弁4個のお客様はどちらですか?」お客さん「はいはい!駅弁4個はこっちだよ!」お客さん「まとめて買う人が多いから後ろのお客まで数が回らないよ!」お客さん「今日も駅弁が買えなくなっちゃう!」お客さん「せっかくやって来たのに!」
2017.10.05
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アリスたちは連携して作業をします。主に由美が屋台の裏側でお弁当やアイスクリームの梱包を担当、ミッチーは接客と梱包の手伝いをします。アリスは接客してお客さんに駅弁を手渡します。ミッチーがそれを手伝う時もあります。また由美がお客さんのアイスクリームの注文を直に聞いて、すぐに梱包を始める時もあります。3人はお互いにカバーしあって、うまく作業をきりもりしていました。3人は息もピッタリです。それにしても今日もまたお客さんは大変な数です。列を作って並んでいるお客さんたちが会話を始めました。お客さん「ここのお弁当はとてもおいしいのよ。一度食べたらやみつきになるわ。」お客さん「まあ!うちはいつも家族の分を買って帰りますのよ。買って帰らないと家族が怒ります。家族でここのお弁当のとりこになっているわ。」お客さん「うちもそうなのよ。家族の者もとても気に入ってしまって。特に子供がアイスクリームのフライを気に入ったの。」お客さん「まあ!うちもそうですわ。ここのアイスクリームはとてもおいしいのよ。食材を贅沢に使ってますわ。手抜きなんてまったくないお味です。濃厚でクリーミー!」お客さん「私は今日初めて買うんですけど、ウワサ通りのおいしさだと良いのですが。」お客さん「まあ!ここのお味はウワサ通りでまちがいございませんわ。」お客さん「この駅へ食通の人が偶然来て、ここの駅弁を食べたらしいの。”とてもおいしかった”ってインドアネット(不思議の世界のインターネット)で書いていたわ。」お客さん「そうそう!それ、私も見たわ!」お客さん「それを見て私もここへ来たの!」お客さん「私もインドアネットを見てここでおいしいお弁当が売られているということがわかったんです。なんでも”ものすごくおいしいお弁当”だとか。」お客さん「どうやら”これまでになかったようなおいしさ”らしいです。」お客さん「駅弁マニアの人もここのお弁当のことをネットで書いていたわ。”一度食べると忘れられない味”ですって!」
2017.10.04
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