あるが侭に・・・

あるが侭に・・・

あなたへ






あなたへ・・・




全てを否定し、また、全てを受け入れ
僕はこの坂道を駆け上がってきた
まわりの景色さえ見えず、ただひたすらに前だけを見て・・・
気がついたときには、もう自分自身のあらゆる物が
遥か彼方に置きざりにされていた
そう、僕の本質さえも・・・

必死にもがいて得たものは、わずかな時間だけだった
自分を形作るものに憎悪にも似た感情を抱きながら
僕は坂道の上でただただ立ち止まるだけだった

希望を失い、この坂道の向こうにある幸福さえも忘れた僕に
神は一つの光をあたえてくれた
厳しく突き刺すようなその光は僕には心地よかった
その光を目指し歩みを進めた僕は
意外にもその光の中に温かさと希望を見た
この坂道の向こうに広がる幸福を思い出した

僕の体の病は僕に苦痛と力を与えてくれた
あなたにとって僕のこの坂道の向こうに存在する幸福が
なによりもかけがえの無いものに思えるのなら
一緒に進もう
あなたが前に進めないときは
僕がそっとその小さな手を引こう
ゆっくりと・・・
もし、僕が立ち止まったら
その笑顔を僕に見せて欲しい
僕に希望を思い出させてくれたその笑顔を

ゆっくりと歩こう
貴方と共に・・・



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