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(ロンドン・小嶋麻友美)
■公然と反旗
6割が残留を示したロンドンでは24日、市民が「英国からのロンドン独立」を求める請願をインターネット上で始めた。25日昼(日本時間25日夜)時点で署名は10万人を超えた。 多様な人種が交ざり合って働き、経済が好調で、大陸欧州との自由貿易の恩恵を受ける首都 は、英国が選んだ選択に公然と反旗を翻す。
だが、イングランドの他の地域はほとんどが離脱の意思を示した。全国382カ所の開票所で最も離脱の割合が高かった中部ボストンでは75%を超えた。
2011年の人口調査によると、ボストンでは中東欧などEU域内からの移民が13%に上り、学校には移民の子どもが急増。単身の移民らがお金を出し合って共同でマンションを借りるなど住宅需要の増加に伴い家賃相場も上昇し、以前からの住民を苦しめている。
■効果的フレーズ
上院議員アシュクロフト卿が23日、投票した約12000人に行った調査では、社会階層による投票の差が明らかになった。専門職や企業役員など上位2グループでは57%が残留票を投じたが、 下層に行くほど離脱が増え、下位2グループでは離脱票が64%を占める。 BBC放送の分析でも、大卒者の人口が少ない上位30地域のうち28地域で、離脱が残留を上回っていた。
離脱が多かった投票区では、投票率が総じて高かった。ストラスクライド大のジョン・カーティス教授ば、「EUから実権を取り戻す」という離脱派の強いフレーズが、社会の下層に追いやられた人々に効果的に響いた点を指摘する。
「離脱派は増えすぎた移民の解決策を示し、有権者は、EUを離脱すれば移民が減ると考えた。これに対し残留派が提示したのは、問題解決策ではなく『残留すれば経済危機は避けられる』というもので、残留で経済がより良くなると説得できなかった」
■高まる緊張
スコットランドは62%が残留を支持し、あらためてイングランドとの違いが際立った。スタージョン行政府首相は英国からの独立を問う2度目の住民投票を準備する方針を示し、25日には「EUにおけるスコットランドの地位を守るため、早急にEUと協議を始める」と述べた。
スタージョン氏は独立に向け積極的だが、アバディーン大のマイケル・キーテイング教授は、国民投票の結果が、一般のスコットランド人の独立意欲を後押しするものではないと指摘。ただ「英国の対欧州政策がスコットランド行政府の考えと大きく異なっても、スコットランドは何もできないとなれば、意に反して英国にとどまることで、再び緊張が高まってくるだろう」との見方を示した。
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