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2024年11月07日
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テーマ: ニュース(100321)
カテゴリ: ニュース
ネット上の差別投稿を訴えて勝訴した崔江以子氏が、裁判の経緯や判決の意義について語ったことを本にまとめて、この度出版記念の集会を開いたことを、10月20日の東京新聞が、次のように報道している;



(安藤恭子)


 本は 「『帰れ』ではなく『ともに』―川崎『祖国へ帰れは差別』裁判とわたしたち」(大月書店) 。12日の集会には約140人が参加した。川崎・桜本の共同学習の場「ウリマダン」に集まる在日のハルモニ(おばあさん)たちが動画でメッセージや歌を贈り、「裁判に勝って良かった」「子どもたちがこの国で生きていける」と祝福した。

 90代のハルモニは「嫌というほど民族差別を受けてきたのに、今さら帰れ、殺す・・・ヘイトスピーチがひどくなった。私たち日本でまじめに働き、ちゃんと生きています。許されていいのでしょうか」と訴えた。崔さんは「『帰れ』という言葉を投げ付けられてきた、みんなの勝利と思っています」と受け止めた。

 裁判では、ネットのブログで4年以上にわたり誹謗(ひぼう)中傷をされ精神的苦痛を受けたとして、茨城県の男性に損害賠償を求めた。昨年10月の横浜地裁川崎支部の判決は「日本国に仇なす敵国人め。さっさと祖国へ帰れ」と記した投稿はヘイトスピーチ解消法に基づく差別的言動で違法な権利侵害に当たるなどとして、慰謝料194万円の支払いを命じた。

 この判決が確定後も、崔さんのネット被害は続いた。今年2月に掲示板に名指しで「日本から出ていけ!」というタイトルのスレッド(書き込む場所)が立てられ、「消えろ」「汚物」など200余りの差別と侮辱を投稿された。 崔さんは刑事告訴をしたが、9月に侮辱の疑いで書類送検されたのが少年と分かり、衝撃を受けたという。

 今月出版する本は「帰れ」と言われてきた朝鮮学校の子どもたちへ「あなたたちは悪くない。沈黙を強いられず、下を向かないでほしい」と励ますためにと、準備してきた。いまは「少年や更生を支える家族らに届いてほしいと願っている」と話した。

 川崎市の差別禁止条例制定に尽力した元自民党参院議員の斎藤文夫さんも集会にメッセージを寄せた。在日コリアンの苦労を知らない日本人におごり高ぶりがあったとした上で「日本の軍国主義時代、覇権主義により、多大なご迷惑をおかけしました」とつづり、日中韓のスクラムによる平和の維持と繁栄を望んだ。

 在日コリアン49人の声を集め、裁判の意見書を書いた同志社大の板垣竜太教授(朝鮮近現代社会史)は「『帰れ』ヘイトは、植民地主義の延長線にある。裁判の後ろに無数の被害があることを論証しようと、自分に課した」と振り返った。

 クルド人に対するネット上の差別拡散などの問題も受け、弁護団からは「外国人が来ると犯罪が増えるという言説、あるいは日本人を在日と非難する『みなし差別』も起きている」として、ヘイトスピーチ解消法の3類型(危害の告知、侮辱、排除)に当てはまらない差別の問題も指摘された。師岡康子弁護士は「これ以上差別の被害者を矢面に立たせていいのか。頑張るのは多数派の私たちの方だ」と呼びかけ、人種差別などさまざまなマイノリティー差別を実効的に止めるための包括的反差別法の制定を求めた。


2024年10月20日 東京新聞朝刊 11版 20ページ 「こちら特報部-『祖国へ帰れ』は差別 ともに生きる社会を」から引用

 昔の日本では、在日の人々への差別はひどいものだった。それは、政府が在日の人々に「指紋の押捺」を義務付けるとか、身分証明書の常時携帯を義務付けるという、如何にも上から目線で「取り締まりの対象である」とでも言い出しそうな態度だったから、一般国民もそういう行政の態度を見て「彼らにはそういう態度で接していいのだ」と思い込んだものと思われます。そんな時代に比べれば、「差別」は違法であると定めた法律が存在する現代は、だいぶ進歩したようにも見えますが、青少年に「差別」を教え込むような「違法な大人」がいまだに蔓延っている私たちの社会は、この度の崔江以子氏の本でも読んで、よく勉強する必要があると思います。





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最終更新日  2024年11月07日 10時16分14秒


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