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2024年11月12日
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テーマ: ニュース(100321)
カテゴリ: ニュース
先月の総選挙投票日翌日の朝日新聞夕刊に、同紙オピニオン編集部記者の尾沢智史氏は、選挙戦を振り返って次のように書いている;




 なにしろ争点がわかりにくかった。自民党の石破茂総裁も、立憲民主党の野田佳彦代表も、穏健な保守層をターゲットにしているようだった。経済や安全保障の政策で違いは目立たなかった。政治学者の中北浩爾・中央大学教授の言葉を借りれば「接近戦」である。

 今回、多くの小選挙区で自民と立憲が競り合った。どちらが勝っても政策が大して変わらないのでは、「コップの中の嵐」という感がどうしても否めない。

 衆院選は政権選択の選挙だとされる。二大政党を想定するような小選挙区制は、そもそもこの国の実情に合っているのだろうか。有権者のニーズをもっと反映できる制度があるのではないか。

 そんな疑問を抱きながらAIエンジニアの安野貴博さんにインタビューした。7月の東京都知事選に立候補し、15万を超える票を得て注目された。

 安野さんは選挙に出る前にいろんな政治家に話を聞いた。「有権者に何を託されたのかがよくわからない」という人が多いことに驚いたという。

 そこで有権者とのコミュニケーションのツールとして活用したのがAIだ。膨大な意見を整理し論点を可視化することで、政治家と有権者の間で建設的な議論が可能になるという。

 政治改革関連法が成立し、衆院に小選挙区比例代表並立制が導入されたのはちょうど30年前の1994年。そろそろ、有権者の声を採り入れた「バージョンアップ」が必要な時期ではないか。

 たとえば、各国の選挙や政治制度をAIに学習させ、有権者の希望を反映するにはどうすればいいのか検討することも考えられる。

 民意を反映するには小選挙区や中選挙区、比例代表をどう組み合わせればいいのか。有権者が政治に望むことをデータとして収集し可視化すれば、あるべき制度が浮かび上がってくるかもしれない。

 衆院選で各候補や政党は、政権への意欲や政策などを必死でアピールしてきた。それを有権者たちは、どこか冷めた目で見ていたように感じる。

 有権者の思いを、候補者や政党はどこまでくみ取れていたのか。祭りのような選挙戦が終わったいまこそ、選挙制度のあり方を改めて問い直したい。
(オピニオン編集部)

     *

<おざわ・さとし> 9年間の出版社勤務を経て1996年入社。出版局(当時)で書籍編集者として採用され、44歳で新聞記者職に異動。オピニオン編集部員としての最初の国政選挙は、政権交代が起きた2009年の衆院選だった。


2024年10月28日 朝日新聞夕刊 4版 12ページ 「取材考記-民意をより映す選挙制度とは」から引用

 日本を代表する大手新聞の記者が、「今回の選挙は、争点がわかりにくい」とか「どっちが勝っても政策は大して変わらない、コップの中の嵐だ」という認識で記事を書いていたのでは、出来上がった記事は与党の「問題」を覆い隠す「効果」を発揮して、本来は与党の座から転落するはずの自民党を辛うじて与党の座に残らせる結果をもたらした。日本の政治が自民党一党支配から抜け出せず、昔ながらの腐敗政治が続いているのは、大手新聞のこのような体質が大きく「貢献」しているものと思われます。もし真実を報道する新聞であれば、「国民の血税を裏金にして有権者の買収に使うような政党に政権を委ねていいのか」というキャンペーンを貼って、「民主主義の国の政治は、どうあるべきか」を論じるのが大手新聞の役割のはずであるが、残念なことにわが国の新聞社には、そのような高邁な精神は存在せず、その場の強者に媚びを売って利益を上げることにのみ専念しているのでは、人々が将来に夢を持つこともできず、コストのかからない人生を過ごそうと思えば「結婚」もやめておこうと思うのが自然であり、少子化に歯止めがかからないのも自然なことです。





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最終更新日  2024年11月12日 01時00分08秒


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