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2024年11月16日
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テーマ: ニュース(100321)
カテゴリ: ニュース
先月行われた総選挙の結果について、文芸評論家の斎藤美奈子氏は10月30日の東京新聞コラムに、次のように書いている;




 まず県内5小選挙区すべてを自民が制した群馬県。自民が全区を独占した県は8県あるが、熊本は全4区、他は全2、3区で、全5区自民一色の群馬はやはり目立つ。

 逆に全区を立憲民主が制したのは新潟県と佐賀県で、特に全5区立民一色の新潟は目を引く。

 極端な結果になった理由は一応あるようだ。

 群馬は5人中4人が世襲で、しかも3人は元首相の直系である(中曽根康隆氏、福田達夫氏、小渕優子氏)。群馬は強力な政治家一族が君臨する自民王国。裏金もどこ吹く風の無風区というか無風県で、そのせいか投票率も50%を切る。

 新潟は最近まで野党共闘のモデル県だった。 テレビ新潟の報道によると今衆院選でも1区以外の4選挙区に共産は候補を立てず、間接的な支援に回ったという。協力的な関係が奏功した形だ。

 しかし、どこより異質なのは府内全19区を維新が制した大阪府だろう。ほかでは完敗でもここでは全勝。熾烈な戦いで公明の4議席を奪った結果というが、謎の独裁国家がぽつんと存在するかのよう。在阪のマスコミも芸能事務所も味方につけた維新帝国。でも外には支持が広がらない。

 どんな事情で選ばれたにせよ1議席は1議席。さて勢力図が変わった国会は?
(文芸評論家)


2024年10月30日 東京新聞朝刊 11版 21ページ 「本音のコラム-それぞれの事情」から引用

 群馬県では3人の首相経験者の親族が自民党所属の世襲議員だから、地元にはその世襲議員を核にした盤石の利権構造が存在し、何かといえば裏金で結束を確認する宴会を開いては甘い汁を獲得しているわけで、そういう利権構造とは無縁の一般市民はもはや批判票を投ずる意欲も失っている、子どもの頃よく見た西部劇で、町の悪徳保安官がならず者と結託して市民を支配するが、いつかヒーローがやって来て、抑圧された市民のために悪徳保安官をやっつける「物語」を連想してしまいます。しかし、投票率が50%を切っているということは、将来、群馬県の人たちが地元の民主化を求めて立ち上がるときの「味方」が、少しずつ力を蓄えつつあるという、今はそういう段階なのかも知れません。
 大阪府では維新が「全勝」という事態も、不思議な現象です。芸能事務所と在阪マスコミを味方につけていると言っても、そのテレビ放送は兵庫県や奈良県、京都府にも放送されているのだから、それらの府県にも影響力は及んでいるはずなのに、議席を得るほどではない、という「現実」が何を意味するのか、興味を惹かれます。





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最終更新日  2024年11月16日 15時50分03秒


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