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最近新聞などで目にとまって興味がわいた本たちを書いておこう。精霊の守り人 (上橋菜穂子)作者の専門分野が文化人類学というのがおもしろそうだ。きれぎれ (町田康)なぜか読みたくなった(理由にならないね)。今日買ってきた。黄昏の百合の骨 (恩田陸)『三月は深き紅の淵に』『麦の海に沈む果実』の続編。これらを読んだのに忘れそうだから早く読もう(笑)。
2007年10月30日
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噂 荻原浩(新潮文庫)何かと話題になっている作家「荻原浩」を初読み。ばぐらさんのブログで『噂』を取り上げてあって、ミステリで面白いらしいと察知したので。ミステリにはうるさいばあチャル、かなりな満足で読み終わった事はたしか。キャラクターが光っている中年刑事と若き女性警察官とのコンビは、この本が書かれた時点では先鞭があったと思う。(例えば乃南アサ「凍える牙」逢坂剛「百舌の叫ぶ夜」翻訳物にもあったかも)だけど、ありえない設定ではなくごくごく自然に感じる描写がいい。こんな場面も実際警察署であるだろうと思わされる。犯人探しでは途中でわかってしまうけど、渋谷界隈の若者の生態がいろいろと、今では後追いになったけど面白い。また、「口コミ」の意図的流布、セールスプロモーションの詳細、怖くなるけど本当なのだとうなずいてしまう。そして話題のどんでんがえし、うーむ、そこまでするのかと暗然。またおひとり、読める作家を見つけてしまったよ。
2007年10月24日
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『死の棘』で有名な島尾文学の解明につながる短編集、最近復刊されたもの。海の特攻隊として死を覚悟させられ、終戦にてまぬがれしも心の傷は癒えず、それが過去にあるために本人と家族におよぼす深い傷。解説に「正確で抽象的な作品」とあるように、文学的なあまりにも文学的な作品集。短編ではあるが、島尾敏雄が昇華させた主題が年代を追って、作品の執筆順に深まっている。緊張を強いられた現実と、心因性の深層心理が弾ければどうなるか、という文学での追求は「文学的なあまりにも文学的な」と書いたが、現代に引き比べられ、悩ましい普遍が織り込まれている。初版の解説(森川達也)に引き続き、芥川賞受賞の堀江敏幸の解説が追加されているが、それもなかなかよい。そういうことだったのかとすっきりさせてくれる。すっきりしたとて重いのだけれど、惹きつけられるのはおこがましくも堀江氏同様。出発は遂に訪れず 島尾敏雄(新潮文庫)
2007年10月22日
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老後は銀座で を読了して同意見。同感。なにも銀座界隈に住もうって、不動産の話ではない、心構えの話なのだ。わたしは東京と畑のあるところといったり来たりして、数年を過ごしている。もうじき畑のあるところ中心に暮らしてはみるつもり。そう「晴耕雨読」。でも、中老のうちはいいけど、大老になったら都心の方で暮らそうと考えている。医療関係、交通手段、文化の選択、便利さ、では街にかなわないから。そんな考えをやさしく書いてあるのが『老後は銀座で』山崎武也著(PHP文庫)だ。「人はドラマを求める」「屋敷から小屋へ」「人が訪ねやすい場所」「質に対して貪欲に」「センスを磨く」「琴線に触れる」48項目の一部を挙げてみたが、銀座に暮らす心意気で老後を過ごす方法が、声高でなく落ち着いた口調でかかれているのも、そこが参考になる。わたしは言い過ぎるきらいがあるから、「枯れた老人になる」が痛い。「場所にふさわしい身なり」には、わたしなら「どこでもリュックおばさん」と揶揄してしまうところを「ハイキングに行くような格好」と上品だ。その他もろもろ。静かな田舎暮らしもいいだろうけど、きっと寂しくなる、「質の良い賑やかさ」、便利さを楽しみながら、ちょっと刺激を受けて自由に、上質に年取っていきたいものだ。
2007年10月21日
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ポプラの秋 をさくっと読んだ。疲れ休め(ややこしい読書の後)にはもってこいの作者の資質。こういう癒し系の効用というところ。ロバート・A・ハイラインの『夏の扉』しかり、スザンナ・タマーロ『心のおもむくままに』もそう。ポプラの木を見に行きたくなった。
2007年10月13日
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(『旅愁』下巻感想)ついに下巻を読了、久しぶりに頭がぼーっとなる感覚に。例えば今はやりの『カラマーゾフの兄弟』とか『嵐が丘』などの世界文学を読み終った時と、わたしには同じであった。量としては大作、横光利一のライフワーク的作品なのだが、内容が同等というのではない、劣るというのでもない、質が違うのだ。欠点もある。また、作者死のため未完という余韻もある。それらが複雑に絡まっているため、圧倒されたのかもしれない。ただし、絶えずもどかしさにいらついた作品でもあった。日本が太平洋戦争に入っていく時代に、当時の知識人が東洋と西洋の思想の確執に悩む姿を描こうとする構想は素晴らしいが、構成の要「矢代」と「千鶴子」と「久慈」の三角関係が単に感情にはしり、根本の思想がちょっとあやふやなところが、とくに「千鶴子」が描けていない所がなんともはがゆい。「矢代」と「千鶴子」が結納までしても、なかなか結婚しないという「矢代」の性格の奇妙さは、終わりのほうで「矢代」と「久慈」の関係が「互いに溶け合う親しさの募りにまかせ、人には云えぬ毒舌も熾んになる癖が出手、捻じあい、絡まり、啀みあい、果てしもなく争った外国での二人であった。つまり矢代と久慈との二人の方が、千鶴子と矢代や、真紀子(久慈の恋人)や久慈より、はるかに深い夫婦だったといって良い。」(P522)にはっとして、わたしは「矢代」と「久慈」は同性愛的に結ばれる運命であったのかもと思うのである。しかし、欠点はあっても重厚な作品で、評論者の食指をうごかし、評論がたくさん書かれるのは当然だ。なんでこんな難しいものがわたしの中学生の時に流行ったんだろう。とにかく長年の宿題をやった気分でもある。
2007年10月13日
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久しぶりの会話第一声は「お元気でしたか?」が多い。でも、わたし達やもうすこし年上のひと達はこれ禁句だと思う。「どこどこが悪くて、なんとか科にかかって、民間療法はこれで、…」機関銃の発射のごとく始まる。肝心の総合的近況はわからずじまいになる。先日も従兄が亡くなったので告別式に行き、突然の従兄の死は悲しかったが、他のいとこ達たくさんに会う機会ができて懐かしく嬉かった。父方はきょうだいが多いので、いとこの数も半端ではない。子どもの頃遊んで仲良しのだった従妹と、お互いに「お元気でしたか?」「まあ、なんとか。いろいろちょこちょこあるけどね。」と言ってから、健康以外の近況の話になったというのがものすごく良かった。やっぱり気の会う二つ下の従妹だわ♪と思った。わたしも持病はあるし、監視し定期健診しなければならない部位がひとつやふたつでない。もうじき傷病保険も切れるのだが、もう掛けられないだろうという状態。その手の話題につきる会話はしたくない。だからクラス会での学友や昔の仲間と会いたいけれど、控えてしまう。そんな事思っているから、このごろ友人とも会ってないのかもしれない。いかんいかん。といいながらわたしはこのブログで今、しているか!?(笑)
2007年10月12日
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横光利一『旅愁』の主人公「矢代」は嫌な性格。恋人がカソリックなのに、彼女も一緒に居る皆の前でキリスト教を批判する。日本のよい精神が、キリスト教と共に日本に入ってきた科学に蹂躙されたという考えなのである。意見は信条として仕方ないけど、その場の雰囲気を読めなくて、ただただ正直に自分の思想を述べてしまう鈍感さにあきれる。恋人「千鶴子」はさぞかしその場で凍りついただろう。とストーリーが進む『旅愁』をいらいらしながら読んでいる。しかし、人のことは言えないね、こんなことっていっぱいあるんだねぇ。自分の信条をつい披露してしまい、その場を凍りつかせたり、ぶち切れさせたり。前回の読了本『おひとりさまの老後』の上野千鶴子も書いている。一言多い性格。この方ならさぞやとも思うんだけど、わたしだってある。とっさに一言多くいってしまってしらけた会話。相手にぶち切られた会話。むしろ誠実に意見を言ったために起こったこともある。だからこの「いらいら」は自省に駆られてのことにしよう。反省して性格が変れば苦労はないけど。ところで、政治の世界でも「失言」の花ざかりだね。うっ!でもこちらはプロだからねぇ。
2007年10月09日
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(書き改め)夏目漱石も西欧の近代合理主義と自分のこころとの矛盾に悩む青年を描いたが、横光利一もそのような西欧合理主義の教育を受けながらも実際欧州に行ってみて、反発や適応せざるをえない苦しみをこの長編に描いた。ヨーロッパを賛美出来ず、なお日本に寄り添ってしまうこころを解剖してみせる。昭和11年(1936年)といえば第二次大戦前の不穏な時だろう。行くにしても何日もかかった時代。そんな時欧州に遊学する青年たちとは特権階級、現代の誰でも(庶民が)行けるヨーロッパではない。東洋と西洋の相克の悩みは、今から考えると隔世の感。ストーリーは単純。同じ船で長旅して、欧州を目指した青年二組の男女が繰り広げる愛憎といえればいいのだが、なんともまだるっこしい展開なのである。歴史、近代文化を学ぶため遊学した「矢代耕一郎」と、カトリック信者でイギリスにいる兄を訪ねる「宇佐美千鶴子」のカップル。社会学、美術の研究のため渡欧の「久慈」と、せっかく夫を訪ねたのに離婚の危機迫る「早坂真紀子」との関係。最初に「久慈」が「千鶴子」に接近、欧州到着後はだんだん「千鶴子」が「矢代」に引かれていくのだけれど、なかなか決定的な愛の告白をしないつつましさ。二人とも長い欧州の旅を終えて別々に日本へ帰ってきてしまう、それが上巻の終り。「何も言わなかったのがよかった」とかなんとか。(今なら、はぁ?と思う)しかし、西欧に対する思想考察は当時を彷彿させおもしろい。またパリやスイスなどの描写は素晴らしい。パリで遭遇した歴史的な事実”人民戦線”の「デモ群集と官憲の衝突見聞」など迫力だ。もしかして当時のあこがれの欧州旅行案内だったのかねこれは…。わたしが中学のころ友人に薦められた本である。挫折しては長いこと読みたいと思い続けてきたわたしの息も長いけど、この物語の退屈とも思える冗長さにはあきれる。でもこれが「旅愁」という作品の性格的色彩というから、仕方がない。参考資料をみると、なるほど研究論文が多い。うなづける。新感覚派の実験といわれた短編は非常にシャープで面白かったのだが。(下巻感想につづくかもしれない)
2007年10月06日
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たまたま夫と一緒に行った本屋でうっかり購入、「うっ!?」表情の夫、まさかわたし、こころから「おひとりさま」になりたいと思ってない、ないけど…。いまどき誰だって老後は課題だ。もう老後であるわたしは自分流にやっているから、聞く耳持たないということではない。老後というのはいろんな種類の老後があり、ずっと続くんだから、参考になる。知りたい。新聞の書評で興味を持ち、上野千鶴子の本は恐れ多くて未読だったが、これなら取り掛かり易いかなと思っているうち、ベストセラーになっていた。さて、「長生きすればするほど、みんな最後はひとりになる」特に女性は。シングルの超キャリア、闘志、上野千鶴子氏がこれから「ひとりで暮らす」かもしれない女性のために、ノウハウを伝授する、もう「ひとり暮らしをしている」女性に応援歌を贈る、とおっしゃるのだ。すぐ読んでしまえるおもしろさの、大いにうなづいてしまう内容だった。いわく、その一例(わたしが共感したところ)「なっとくできるふたり暮しを経験した人は、ひとり暮らしにも納得して踏み切れるのだろう。」「夫のカネはわたしたちのもの、わたしのカネはわたしのもの」「自分名義の不動産」を持て「”あなたの居場所”とはひとりっきりでいても淋しくない場所」孤独に強いこと「”ケアのしかた”についのノウハウのあれこれはあるが、”ケアのされ方”をだれも教えてくれないのはへんなものだ。」介護を受ける作法と技法全編、気の利いたフレーズで埋まっていて、書き連ねたら全部になってしまう(笑)だからこれはもう人間が生きていくうえの知恵そのものであった。こんなことは性差で苦しんで、勝ち取ってきたシングルのみなさんには珍しくないんだろうが、この本はあくまで「シングルアゲイン」が対象だから。目次をあげると「ようこそ、シングルライフへ」「どこでどう暮らすか」「だれとどうつきあうか」「おカネはどうするか」「どんな介護を受けるか」「どんなふうに”終わる”か」作者が老後になって要介護になったらもっといいものが書けるそうだが、これでも相当!でも改版が楽しみ。わたしひとつ皮肉な発見。「介護を受ける作法と技法」を知っていたらよい介護をされるだろうというところ。その方法は「妻にかしづかれる男の態度から学べ」ご飯を作ってもらい、洗濯をしてもらい、部屋の掃除をしてもらい、ふとんを敷いてもらって、ぬくぬくと寝てしまう平気さ。これを掠め取ろうと思ったことよ。あーあ、やっぱりジェンダー風貰ってしまった(笑)
2007年10月05日
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春の雨のような色《つるにちにち草の淡青色》の目の、ヴァンカという名の少女はほっそりした十五歳半。少年は十六歳半。避暑に来るたびにたくましさを増して成長するフィリップという。子供の頃からの仲良しなのに、なんだか気持ちがしっくりしない夏がやってきた。ふきげん、尊大な態度、言い合い。いらだたしい恋。そこへ美しい年上の女性、白衣の婦人、ダルレイ夫人が登場。少年は手ほどきを受けて…。通俗的、不純、絵に描いたような避暑地の出来事みたいなんだけれど、コレットの感性はゆたかで、みずみずしくうつくしい文章となる。わたしは堀口大学訳を18歳の時読み、忘れがたく思ったのだが、今回手塚伸一訳(集英社文庫)を再読した感想は、よりういういしさがいとしく、味わい深かく魅了された。なるほどコレットが分別盛りの50代に書いたのだから、そうなのだと思うし、また恋愛の情熱には年齢がないというテーマなのだから、コレットの筆力がすごいということ。少女のこころの大人っぽさと、少年のからだばかりは成長しても、不器用でぎこちないこころとのぶつかり合いの果てには何が…何処へ行くのか。せつない。やっぱり若い複雑なこころの「恋愛の妙」に惹かれてしまう、名作。でも、恋愛の本場フランスであってもスキャンダラスな作品との評が当時(1923年)あったのだそう。ふーうん。
2007年10月02日
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