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「もし・・・?」という「たられば」に陥ってしまったわたし、垣谷美雨さん読み過ぎなんですが(笑)この本、再再読してみました。読んだときによって印象は様々に変わるのですね~。初めて読んだときは夫の浮気証拠固め確認のようなロマンチックミステリーで「自分は悪くない」と思っているかわいそうなヒロイン、ジョーンという記憶です。二度目に読んだときも、その感想はあまり変わっていませんね。妻側に立って感動しているようです。で今回、なあんだ、お互い様!に思いまして・・・。妻も夫も隠し事をしているんですね。妻もKYなら夫もずるいですよ。そもそもこの組み合わせ最初から間違っていたかもしれませんが、早く手を打たなかったのです。結婚25年、もうどうすることもできないんです、といか今さら変える勇気が残っていない。それはあきらめではなく静かな受容であって、人生のひだ、あわれを感じさせますね。これから結婚する人、繰り返し読むとためになりますよ、でも、わからないのがいいのかもしれません(笑)
2019年04月24日
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魔法使いによって「妻」と「夫の彼女」の体だけが入れ替わるが、心や考えや気質は元のまま、というファンタジー。例のごとくそれぞれ人物たちの描かれかたが実生活に即しているので、「うん、うん」とうなづいてしまい、なるほどなあという趣向。夫と妻、親子、社会組織、地域組織、人と人とのつながりの誤解やら意気込みやらを掘り下げればきりがないのだけど。つまり、相手の立場に立てば理解できるし、やりようもあるのに、なんでこうこんぐらかるのか、うまく回らないのか。アメリカ映画のように終わり好しになるのはわかっているが、つい、辛辣な狂言回しのようなリアルさにはまって、一気読みしてしまった。
2019年04月22日
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魂はあります、幽霊もいます。曾祖母からひ孫まで、曾祖父からひ孫まで一族の家族史を辿っていくと「遺伝子は続く、強烈なほど消えていかない!?」なんて思わされる『嵐が丘』の続編創作でございました。どちらかというと今どきのファンタジー・エンターテインメントに近いですね。『嵐が丘』が社会性に乏しく狭い範囲だったのにたいして、続編はその後の文明の道をたどり(ナポレオンの戦争や産業革命)それに影響される様々な姿も加味されていますので面白いことはおもしろいです。しかし、エミリー・ブロンテ『嵐が丘』の芸術性とは一線を画しているのは当然ですね。簡単にあらすじを。キャサリンとヒースクリフのこの世ならぬ嵐悲恋の後、キャサリンの娘のキャシー・リントンがアーンショー家のヘアトンと平和な結婚生活を送るはずなのに、そこへ死んだ前の夫リントン・ヒースクリフ(無理やり利結婚させられた)の異母兄弟になるヒースクリフの隠し子があらわれ、遺伝子の加減か惹かれてしまい不倫恋愛する、子が生まれるて死んでしまうそれが2代目。キャシーの娘マーガレット(ヘアトンとの娘)が、その父親の年齢ほどのともいえるヒースクリフの隠し子と結婚してしまい、リントン家とアーンショー家が入り乱れていろいろ事件が起こるのが3代目。そして4代目、マーガレットの子供たちや2代目のヒースクリフの子どもがこのリントン家とアーンショー家のほかにテンペスト家を加えて複雑に絡まりあう。いずれにしても風の強いヒースばかりの荒地に建つ「ワザリング・ハイツ(嵐が丘)」という屋敷が印象を強めているのですね。物語を作るってこんなにも面白いことなんですねぇ。ま、このように簡単では何が何だかわかりませんか。なにげに、この第2部の巻末広告ページを見ると、クローニンの著書(『城塞』『地の果てまで』など)がずらりと22冊も!紹介してありました。知らなかったこんなにあるなんて。あの頃はこういうちょっと真面目でおもしろいエンターテインメン的物語が流行っていたのかな。三笠書房さんの特徴ですか。
2019年04月20日
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『嵐が丘』の続編。100年以上たってイギリス作家アンナ・レストレンジが創作(1977年)したものを倉橋由美子さん訳で1980年発行にされたものです。もう古本になってしまっていますが、わたしがやっと読むのも情報を知りましてから10年以上もたっています。名作の続編を他の作家がものするというのは興味ありますよ。読んだものでも夏目漱石『明暗』(水村美苗『続明暗』)ドストエフスキーの『カラマーゾフの兄弟』ミッチェル『風と共に去りぬ』など。もっとも、未完だった『明暗』は続きが気になりますが、『カラマーゾフ』も『風と共に去りぬ』も残り惜しいには違いないのですけど一応完結している作品で、この『嵐が丘』も蛇足になりかねないなあと思って読み始めました。つまり、英国版時代小説の感じですかね。狂気のごとく情熱をほとばしらせたヒロイン、キャサリンとヒースクリフの恋愛がヒース荒野の風吹きまくる中で悲恋に終わり、キャサリンの娘といとことが明るい日差しがさすように幸せになるはずの結末が、時代を経ていくうちにどうなったか?
2019年04月18日
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認知症を患った高齢者とその家族の模様を通して、哀しみと追憶の日々を、穏やかな筆で描いております。わたしたちの世代(70代後半)が親の世代(90代)を見るときこんなふうになるのでしょうか、自分たちも老いを自覚しているからわかるのでしょうか。昭和の初めに日本が手を染めてしまった植民地政策の陰に翻弄された親たち、いい思い出も悪い思い出もあります。当時幼くて理解できなく、そんな親たちの喜びや苦労を見ようとしなかった世代に、はかない、ほのかな思い出がすこしずつ色付けされて迫ってくるのです。なぜって「認知症のステージが上がると記憶している時間が退行する。」らしいのです「八十年も九十年も生きた年寄りには、人生の後半生の方が記憶に残るはずなのに時間の近いその部分がごっそりと抜け落ちる。」そうして「遠い彼方の景色の方がはっきり残って見える奇妙。」な現象が起こって、昔のことを喋ったり、叫んだり、夢見たりいたします。周りの人たちはおたおたします。でも見守っている子たちには幼い遠い昔を感じることができるのです。村田喜代子さんの短編は「おもしろ、ほのぼの」しておりますが、長編になってもそこここで「ほのぼの、ほろり」とさせてくれます。
2019年04月11日
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二人の子育ては終わったけど、何か物足りない専業主婦の知子、独身でバリバリ働いているキャリアウーマン、でも疲れている薫、高三の時に妊娠して中退それから紆余曲折、正規社員になれなくて苦労している晴美。そんな普通の生活をしていた48歳の高校同級生3人、それぞれ今の人生変えたいと思っていることから物語は始まります。この3人が偶然出会い、ひょんなことから30年前の高校三年生にタイムスリップ。身体は高校生、頭の中は中高年の知恵。いざ!違う人生を歩もうと意気込むが、それはそんなにうまくいきませんよという趣向。そう、結果はわかっているのですが、垣谷美雨さんはありふれた日常の描写がうまいですね。特に平凡で取り紛れてしまうようなことごとを、生き返らせてくれます。そうれすよ、「もし、ああだったら、こうだったら」は無しですね。今のまま進むしかありませんね、リセットはゲームだけ、「ありのまま」をちょっと変える方向でしょ。
2019年04月07日
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粕谷というのは労働が嫌い、人に使われるのが嫌、だが目端が利くので自信がある、職をあれこれ変えながら、挙句に詐欺まがいのことをしてしのいでいる男。今は不動産ブローカー。国有地払い下げで儲けようと欲に駆られている。作者は描いていないがきっと姿かたちのいい男なのだろう、今でいうイケメン。女性にはもてるから3人の女性をうまく操り(だから氷の中に凍らせた花=「花氷」にたとえられて)利用しながら、金融界、政界、官庁にと必死に画策するストーリー展開。悪なのに惹かれてしまう女性もだめだなあと思うが、また、その女性に操られる男性も哀しい。清張さんだから結局悪事は成功しないのだし、書かれたのが1960年代、昭和どっぷりで古めかしいとはいえ、近々でも似たようなことはありそうなのが読ませるというもの。*****清張作品はたくさん読んでいるけれども、まだまだ読んでいないものがたくさんあるのに驚くのだが、と共に60年代当時の清張さんの創作活動がすごかったのだと知る。
2019年04月03日
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抄訳本でしたが難解な大作『失われた時を求めて』が終わってホッとしたので、読みやすい本をと選んでいたら、どうも垣谷美雨さんにはまってしまいそうな予感です。読みやすくても中身はきちっちりしていて、うまい構成と語り口のスピードが好きです。ばあチャルの本棚 - 2019年03月 (8作品)ねじの回転 -心霊小説傑作選- (創元推理文庫)ヘンリー・ジェイムズ読了日:03月05日刀伊入寇 藤原隆家の闘い (実業之日本社文庫)葉室麟読了日:03月07日プルーストを読む ―『失われた時を求めて』の世界 (集英社新書)鈴木道彦読了日:03月16日失われた時を求めて 3 抄訳版 (集英社文庫)マルセル・マルセル・プルースト読了日:03月16日ビブリア古書堂の事件手帖 ~扉子と不思議な客人たち~ (メディアワークス文庫)三上延読了日:03月17日夫の墓には入りません (中公文庫)垣谷美雨読了日:03月23日人間の絆〈上〉 (岩波文庫)モーム読了日:03月27日七十歳死亡法案、可決 (幻冬舎文庫)垣谷美雨読了日:03月29日powered by Booklog
2019年04月02日
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