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なまけもので、金遣いが荒く平気で借金を繰り返し、暴力沙汰を起こす、ハチャメチャな元妻の四息子たちのしりぬぐいをつねにしなければならない佐藤紅緑と二人目の妻シナ。豪快で直情径行なお父さんの遺伝子を受け継いだから、サトウハチローをはじめとする不良4人息子たちが出来てしまったのか、またシナ(三笠真理子)という女優に異常に執着して、元妻を追い出し、病死させてまでしまった紅緑の仕打ち、息子たちの寂しさ、その環境がそうさせるのか。ほとんどをシナの目から見た佐藤家の行く末が、この中編のストーリー。もちろん作者がシナさんと紅緑の娘愛子だから、その視点になるのだろうが。視点といえば主にはシナさんであるが、多々の登場人物にくるくると視点が変わるところに面白さを増している佐藤愛子の筆力、うまさがあると思う。また、昭和時代の始まりから敗戦までのこの小説の時代背景が、敗戦の時にわたしは四歳だったので、「そうかこんな時代模様だったのだ」といまさらながら目を開かせてくれた。わたしの両親の話からではうすぼんやりしていた記憶がよみがえるような気がした。卑近さがよかった。いや、こんな派手な状態ではなかっただろうが、生活している姿が生き生きと立ち現れているからなのだ。この小説はちょっと日本版『カラマーゾフの兄弟』を意識しているようなと思っていたら、下編でシナと愛子のそんな会話が出てきたよ。
2021年01月20日
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虚実ないまぜなのか、どれだけ強烈に描けば済むのだ。家族たちのハチャメチャ不良ぶり。こんな血脈は大変だ、どこの家にもあるってもんじゃない。変態家族の父「佐藤紅緑」作家はわたしの読む時代ではなかったけど、異母兄のサトウハチロー詩人の作品は知らないうちに歌っている。佐藤愛子随筆家は何冊か読んでいる。そこに沢山のきょうだいとその連れ合い、しかもその連れ合いはとっかえひっかえの大人数で、一筋縄ではいかない気質の人達がずらり、文字通りのくんずほぐれつ、だけどなぜか憎めない大家族だなと、佐藤愛子の筆運びに誘導されてしまうのだ。(上)のあらすじ物語は大正4年、当代随一の人気作家・佐藤紅緑が妻子を捨て、新進女優の横田シナを激しく愛したことに始まる。父親・紅緑への屈折した思いを胸に、散り散りになっていく八郎、節、弥、久の4人の息子たち。シナのつれなさに苦悩する紅緑が半ば別れを覚悟した矢先、シナの妊娠が判明。大正12年、愛子の誕生で、シナは紅緑と離れられぬ宿命をようやく受け入れる。
2021年01月07日
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本年もよろしくお願いいたします今年は傘寿なのでもう賀状じまいと言いつつ絵手紙教室などに通っている矛盾多き人生は面白かりき
2021年01月01日
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