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Vol.31-50
Book of Saturday
週末にゆったりとページを開きたい本をとりあげていきます。
Vol.50
ザ・シークレット/ロンダ・バーン、山川紘矢・山川亜希子・佐野美代子訳(角川書店)
書店で平積みになっているのを見たときは、「ダビンチ・コード」のようなミステリかなと思いました。
単に表紙の感じが似ているだけで早合点もいいとこですね。
中身は、いろんな人の話した言葉がたっぷり出てきます。
それらの言葉が指し示す「秘密」こそ「引き寄せの法則」なのです。
僕自身は半信半疑だけれど、こういう考え方はいいかもと思いました。
毎日実行するのは大変そうですけどね。
(Dec.2007)
Vol.49
人妻魂/嵐山光三郎(マガジンハウス)
帯の文句にひかれて購入しました。
「人妻→嫉妬→官能→不倫→離婚→再婚→流浪→心中未遂→自立→遊蕩→熟成→昼寝。これぞ、究極の人妻すごろく。人妻はやっぱりステキです。 漱石、外、鏡花、芥川、安吾の妻、そして白秋の三人の妻、さらには与謝野晶子、平塚らいてう、林芙美子から幸田文、武田百合子まで、明治大正昭和を彩る人妻の波瀾万丈の人生。読み始めたらやめられない嵐山エンタテインメント文学史。近現代の有名人妻53人が勢揃い!」
作家をはじめとする有名人の妻や、そして自らも作家である妻、などなどのエピソードを嵐山光三郎氏が独特のユーモアで斬っています。
十人十色。さまざまな人生がそこにあります。
(Nov.2007)
Vol.48 ぼくの哲学
ぼくの哲学 アンディ・ウォーホル/落石八月月訳(新潮社)
ちょっと立ち読みしたところ面白くてレジに直行してしまいました。
気軽に読める文章の集まりで、だけど、奥は深いです。
ウォーホルのことなんて作品以外に何も知らなかったけど、これを読んで少し身近な存在になりました。
一冊を通して読むというより、気になるページだけ何回も読み返すという感じの、ある種の「バイブル本」となりそうです。
(Oct.2007)
Vol.47
いつまでもデブと思うなよ/岡田斗司夫(新潮新書 227)
最初見たときは別人かと思いました。
ところが、まちがいなく、あの岡田斗司夫氏だったんですね。
100キロを超えていた体重がほぼ半減。
メタボリック症候群に悩むオジサンたちにはうらやましい成功例です。
毎日食べたものをまず記録することから始めたそうですが、同じようにやっても同じ結果がでるとは限らないですよね。
岡田氏ほど極端でなくても、少し身体をしぼらないといけないのは我が身も一緒です。
(Sep.2007)
Vol.46
レコード・コレクターズ増刊 ロック・アルバム・ベスト100(ミュージック・マガジン)
レコード・コレクターズ誌の創刊25周年企画だそうです。
ロック・アルバムを1960年代、70年代、80年代ごとにベスト100を選出したものです。もちろん全体で1960-1989でのベスト100もあります。
同誌の執筆陣たちがそれぞれベスト20を選んで集計したものがメインで、他に読者選出のベスト100もあります。
個人的には、「私のベスト20」というコーナーで、漫画家の浦沢直樹氏による次のコメントが印象に残りました。
「ロックというジャンルの音楽がクラシック化しつつあるのではないか、ロックは死んだんじゃないかと話していたのが80年代後半、実はすでにあの頃からこのラインナップは固定化されていたのではないか」
まあ、このコメントに同感しつつも、あいもかわらず昔のロックを聴く毎日ではありますが。
(Oct.2007)
Vol.45
国のない男/カート・ヴォネガット(NHK出版)
カート・ヴォネガットが亡くなってから数ヶ月がたちました。
遺作となるのでしょう、ようやく待ちに待った本書が訳出されました。
文明批判、アメリカ批判、戦争を経験しているヴォネガットならでの言葉が心に響きます。
そうだそうだ、そのとおりだと、いちいちうなずきながら読んでしまいます。
小説やエッセイを読むのとは異なる、ヴォネガットを読む独特の感じがあるんですね。
(Aug.2007)
Vol.44
泥棒は深夜に徘徊する/ローレンス・ブロック(早川書房)
泥棒バーニー・シリーズの新作です。
なんとなく書店の海外ミステリコーナーをながめていて、目にとびこんできました!
奥付を見ると2007年7月なので、店頭にならんだばかりですね。
これはなんともうれしい突然の出逢いといえそうです。
探偵マット・スカダーシリーズでは「9.11以降」を舞台に描いた力作『すべては死にゆく』が半年ほど前に出されましたが、それからほどなく、またブロックの新作に出逢えるというのは実にラッキーです。
一方はアル中(やめたりもしているが)探偵、もう一方は古本屋でもある泥棒。
そこにエレイン、キャロリンといった魅力的な女性も登場して、極上のストーリーテリングが展開・・・。
ローレンス・ブロックの作品は、中身を開くまでもなく必ず買いです。
(July.2007)
Vol.43
246/沢木耕太郎(スイッチパブリッシング)
沢木耕太郎が雑誌「SWITCH」に1986年~1987年にかけて連載した三十代最後の一年を描いた日記風エッセイ。
純粋な日記というより、公開される前提で書かれた作品という感じです。
ちょうど『深夜特急』が書かれた頃で、なんでこのシリーズ本がスムーズに刊行されなかったのかと思っていた読者は多いと思います。そんな興味をもつ人には楽しめますね。
一度に読むのはもったいないので、週末に数頁ずつ、それこそ1年かけて読んでみたいと思える本です。
まだ読んでいる途中ですが、著者の人付き合いの仕方に興味をもちました。
すぐに仕事をせずに何年も付き合ってから、機が熟すように仕事をするタイミングを見極めるというような。
『路上の視野』を再読したくなりました。
(Jun.2007)
Vol.42
17歳のための世界と日本の見方/松岡正剛(春秋社)
編集工学研究所所長の松岡正剛が帝塚山学院大で教えた講義をまとめたものです。
そもそも基礎教養のまったくない学生を相手に講義をしなくてはならないところから、発想されたものだそうです。
学生は「お笑い」と「プリクラ」と「トレンディドラマ」しか興味がなくて、歴史も思想も文学もなんにも知らないのでした。
実際の17歳が読むには少しむずかしいですが、若い頃に勉強しそこねた大人が読む分にはちょうどいいかもしれません。
例によって、「編集」とは「新しい関係性を発見していくこと」で、料理だってラグビーだって商品開発だってすべて編集、といいます。
「知」とか「情報」といったものに興味のある方には、何かしら有益なヒントをもたらすでしょう。
この本を読んだ後に、工作舎の単行本や「遊」を読み直すと、また新たな発見があるような気がします。
(May.2007)
Vol.41
ジャパネスクの見方/西岡文彦(作品社)
ダヴィンチ展の開催が関係しているのかどうか、名画の鑑賞法や解読をテーマにした特集をよく目にします。
たいていはヨーロッパの絵画作品をとりあげていて、日本のものはというと浮世絵とかになっているような気もしますが。
西岡文彦のこの本は、日本の絵画の見方を教えてくれるユニークな一冊です。
西洋画と日本画の違いがどこから来るのかを、「あうん」「庭園」「記号性」といったキーワードで解いてくれます。
ちなみに、著者はもともと版画家だったのが、雑誌「遊」の表紙やYMOのヴィジュアルアートを手がけ、編集出版、広告デザイン、美術学校で教えるなどマルチな活躍をしてきた才人です。
(Apr.2007)
Vol.40
スタジオボイス 2007年 4月号(INFASパブリケーションズ)
巻頭特集「アンチ・ロック~非=入門的ロック・ガイド~」の鼎談(野田努×田中宗一郎×三田格)の中にこんなフレーズを見つけました。
「ロックは今でも時代を映す鏡としては、一番有効なジャンルだと思いますよ(野田)」
「僕がいま、ロックを聴かない原因はほとんどリズムだよね。DJカルチャーを通過したことで、前は好きだったものも、リズム的にツラくなっちゃって(三田)」
「ジュスティスとかセバスチャンは、今のロックのひとつの形だと思います。70年代のディープ・パープルとかレッド・ゼッペリンみたいなものだと思う。本当に中身はなくて、ただグルーヴだけがある(田中)」
レディオヘッドは、いまの若いバンドには、パンクのときのロバート・ワイアットみたいな扱い(リスペクトはあるけど別モノ)だそうです。
かつて黒人音楽をとりこんで白人がロックを生み出し、やがてパンクがロックを過去のものにしたかと思うと、テクノやレイヴが世界的に拡がりをみせ、そしてまた新たなロックが生まれ・・・という流れの中で音楽も進化していく。
いまやナップスターやiPodのおかげで、昔のものも新しいものも同時に楽しめるようになったから、まあ、ひとことでいうと「なんでもアリ!」ということなんでしょう。
(Mar.2007)
Vol.39
Pen 2007年 3/1号(阪急コミュニケーションズ)
"男のためのハイクオリティ・マガジン"をキャッチフレーズにする「Pen」が面白いです 。
今回は「ロックのデザイン」を特集していて、なかなかです。
僕らの世代が親しんだヒプノシスやロジャー・ディーン、ピーター・サヴィルなんかが入っているので読みやすいですね。
最近はCDにも凝ったデザインのものが出てきていますが、やっぱりレコード・ジャケット(のサイズ)にはかなわないのではないでしょうか?
子ども心にビックリしたジャケットといえば、キング・クリムゾンのデビュー盤です。
確かこのアルバムで、それまでトップの座にい続けたビートルズを(セールスか何かで)追い落としたというように記憶しています。少しマニアックな話をすると、日本版の紙質がいまいちだったので、わざわざ本国のアイランド盤を手に入れました。
「Pen」の記事によると、あのダイナミックな絵は学生によるもので、しかもその学生は20代で亡くなっているようです。
あと、ツェッペリンのタイトルもアーティスト名もレコード番号すら記載しないというジャケットワークにも驚かされましたね。
ザ・スミスのジャケットはモリッシーが自らディレクションしていて、古いモノクロ映画のシーンから抜いてきたのが、かっこよかったですよね。
今見てもなかなか価値のあるいい特集です。
(Feb.2007)
Vol.38
Stereo Sound 2007年冬号(ステレオサウンド)
子どもの頃、自分が大人になったら絶対オーディオマニアになるんだろうな、などと思っていました。
高校生の時はじめてバイトしたお金で買ったのもDENONのプリメインアンプでした。
きっと普通に大学に行って、普通に会社に入って、普通に結婚して、ささやかな愉しみとして自宅にオーディオルームを作って、そこで、いい音で音楽を思いっきり聴く・・・。
という思いが10代の頃にはありましたね。
それが20代、30代と年齢を重ねるにつれ、どこでどう間違えたかかつて自分が想定していた「普通の大人」とはちょっと違う大人になっていることに気づくんです。
働いて食べていくことの大変さが身にしみこそすれ、オーディオにお金をかけるなどという余裕はどこかへ消え去ってしまったんですね。
結局いまも子どもの頃から使ってきた最低限のオーディオ装置をそのまま稼働させています。小学生の時に親に買ってもらった4chステレオのリアスピーカーとレシーバー、高校生の時に買ったDENONも一度トランジスタなどの交換をしたけれど、いまだに鳴ってくれていますし。
だけど、もし宝くじが当たったりしたら?
その時は、子どもの頃の夢を実現させるかもしれませんね。 衣食住が足りたら、その次にオーディオを充実させたい。「ステレオサウンド」のページを繰りながら、そんなことを空想するくらいは現実にできます。いや現実にできるのはそのくらいかもしれませんが。
(Jan.2007)
Vol.37
Casa BRUTUS 2007年1月号(マガジンハウス)
「いま、ミュージアムから目が離せない-驚愕の世界最新ベスト9から、日本の美術館再発見の旅まで」。
建築&デザインの雑誌「カーサ・ブルータス」がなんとなく活気づき始めた感じです。
長引く不況の影響で、建築だのデザインだの美術だの広告だのといったものが元気がなかったのが、ようやく景気回復基調に転じて、株価も上昇してきたという社会背景を受けてか、「カーサ・ブルータス」に象徴される建築&デザインの出番がまた回ってきたような気がします。
「インテリアデザイン界のニューヒーロー-森田恭通、快進撃!の秘密」というのも威勢がいいですね。
日本のミュージアム・カフェやレストランがまた脚光をあびることになるのかも。
まず食えなきゃアートもカフェもない、という状況から日本社会が脱して、やっぱ建築もデザインもアートもカフェも大事だよ、となった方が楽しいですよね。
(Dec.2006)
Vol.36
エレクトロショック/ロラン・ガルニエ(河出書房新社)
ハウス・ミュージックは90年代はじめの世界を席巻しました。
フランス人の著者は大使館のレストラン係をしていましたが、マンチェスターのハシェンダなどのクラブで腕を磨き、人気DJになったのでした。
そんな一個人の視点で語られるシーンはとても興味深いものです。
ハウス(&テクノ)シーンをとりまくドラッグ(E)、レイヴ、チルアウト、セカンドサマーラヴ、ラヴパレード、そしてデトロイトテクノ・・・。
日本ではヨーロッパと事情が違うとはいえ、当時ハウスやテクノが魅力的なダンスミュージックであったことにかわりありません。
当時21世紀はまだ未来のことでした。
その未来が現実のものとなったにもかかわらず、あいかわらず世界は重苦しいままです。せめて音楽に合わせて踊ることで辛い現実生活からつかのまエスケープしたい、という状況は基本的になんら変わっていないんではないでしょうか?
(Nov.2006)
Vol.35
Esquire2006年11月号(エスクァイアマガジンジャパン)
特集が「進化するマガジン・カルチャー」。
インターネットの出現で、雑誌は終わったメディアだと言われるようになりましたが、雑誌ならではの可能性はまだまだ捨てたもんじゃありません・・・というような主旨です。
それにしても分厚いですね。
広告ページに厚い用紙を使っていたりと凝った作りになっています。
印刷メディアならではの、写真やレイアウト・デザインの美しさ、読みやすい文字組の工夫、広告面と記事面のバランスなどなど、雑誌ってやっぱり楽しいですよね。
でも問題は、そんな楽しい雑誌でも、売れなくては存続し続けることができないこと。売れない雑誌に広告を出す企業はいないでしょう。
「エスカイヤ」が売れる雑誌の先頭に立ってくれることを期待します。
(Oct.2006)
Vol.34
Instant Light: Tarkovsky Polaroids / Tonino Guerra(Thames & Hudson)
映画監督アンドレイ・タルコフスキーが撮ったポラロイド写真集。
ヴィム・ヴェンダースの写真集もそうですが、映画監督の撮ったスチール写真って、味わいがありますよね。
タルコフスキーのポラロイド写真も、どうということのない風景を撮っているのですが、なかなかよいです。
映画作品と同様に、光と影、色彩、レンズ効果など「絵づくり」に対するこだわりが感じられます。
単なるスナップ写真といってしまえばそれまでですが、やっぱりタルコフスキーのポラはどこか違います。
1979-1984年にイタリアとロシアで撮影されたというから、「ノスタルジア」の前後ですね。
写真作品ではありますが、気軽に楽しめるペーパーバックです。
(Sep.2006)
Vol.33
small planet/本城直季(リトルモア)
ミニチュアの世界を本物っぽく撮影した写真集、だと思ってパラパラと見ていました。
競馬場、ゴルフ場、プール、高速道路、東京駅・・・どのミニチュア模型もディテールに凝っていて、その模型をうまくライティングしてきれいに撮れているんですね。
と、思ったらこれが「そうではない」ということが判明!
そうではない=「ミニチュアを本物らしく撮っている」のではない!
なんと、「本物の風景をミニチュアのように撮っている」のでした!
自分の目とか、脳とかを試されているような、なんとも不思議な感じ。
後で、ミクロス・ガール(Miklos Gaal)という写真家が同じような作品を撮っていると知りましたが、それにしても、驚きは驚きですね。
ぜひ、自分の目で一度見てみてください。ウロコがポロッと落ちますよ。
(Aug.2006)
Vol.32
書林逍遥/久世光彦(講談社)
書き出しはこうです。
「私はずいぶん長いこと<隠れ太宰>だった。
(中略)そのころ、私たちは、太宰のことは<ダザイ>、坂口安吾のことは<アンゴ>、そして織田作之助は<オダサク>と呼んでいた。
書店で手にとり、美しい口絵をへて、まるで昔ながらの活版で組まれたような書体でこう書いてあって、一気にひきこまれました。
そういえば久世氏とは世代が異なる僕らも、たしかに<ダザイ><アンゴ><オダサク>と呼んだ記憶があります。
この本には、惜しくも急逝してしまった久世光彦が愛した文学がぎっしり詰まっています。
とりあげられた作家を羅列すると、
太宰治・江戸川乱歩・柴田錬三郎・宇野千代・岡本綺堂・川口松太郎・三島由紀夫・舟橋聖一・幸田文・芥川龍之介・中川與一・川端康成・夏目漱石・柴田翔・吉行淳之介・伊集院静・吉村昭・山田風太郎・小沼丹・吉田満・向田邦子・近松秋江・上田敏・武田泰淳。
静まりかえった夜中に、ゆったりと味わいながら読みたい本です。
(July.2006)
Vol.31
メッツラー音楽大事典(教育芸術社)
ドイツという国はサッカーも強いし、芸術の伝統も重厚だし、なかなか大した国ですよね。
音楽の歴史に出てくる大作曲家にしてもドイツ人が何人もいますし。
さらにすごいことは、そういう音楽の伝統をベースにしっかりした教育がなされていることで、一般向けにこんな便利な本まで出版されているそうです。
メッツラー社の音楽事典『Das neue Lexikon der Musik』全4巻。そんな大著がデジタル版DVD-ROMになっている!
デジタルだから豊富な検索機能がついていて、しかも音楽サンプル、譜例の音、楽器の音色などの音源が入っているのが素晴らしいですね。
技術の進歩で、音楽の学習のしかたもずいぶんとラクになりました。
とはいえ、サッカーが巧くても経営の質を高められるとは限らない(詳細はApeos)ように、これで学んだ人すべてが音楽家になれるわけではありませんが。
(June.2006)
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