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Edward Van Halen以後、私が最も影響を受けたギタリストはZakk Wyldeだと思う。Ozzy Ozbourne bandの3代目(ブラッド・ギルスを入れれば4代目か)ギタリストとして発掘されたこの男、当時全盛だった凡百のハードロック系ギタリストとは何もかもが違った。まずそのルックス、ちょっとなよっとして華麗な雰囲気の主流とは正反対に位置する。当時は過去の遺物とされていたベルボトムジーンズを堂々と履きこなし、ストレートの超ロングブロンドヘアにミリタリー系Tシャツ。筋肉は隆々としてたくましく、大股開きで髪を振り乱し、唾まで吐きながらゴン太の腕でレスポールをガンガン弾きまくる。

ギターのトーンはあくまでへヴィなオーバードライブトーンなのだが、当時流行だったドンシャリ系ではなく、中低域の強調されたレスポールらしさの延長線上にある音。かつハイポジションでのソロプレイなどは、これまたレスポールらしい丸い音だ。スウィープだとかクラシカルな響きのおかしなスケールは一切使わない。王道のペンタトニックスケールにこだわり、ラン奏法を多用する。王道テクニックを駆使する人としてはジョー・ペリーやスラッシュが思いつくが、彼らのようにちょっと頑張れば出来そうかな?とも思えない圧倒的なプレイ。上手すぎてかつ格好良すぎなのだ。使用機材がまた私の琴線に響く。アンプはMarshall JCM800。ラックタイプのエフェクターは一切使わない。ワウペダルにBOSSのスーパーオーバードライブ、その先でコーラスで二股に分けて2代のMarshallに突っ込んでいるだけ。Zakk曰く「JCM800ならどこにいってもあるし、難しい機材はわけわかんねえから嫌いだ」。このへんの潔さには深く感銘を受けた。
彼のメインギターは当時、南軍の星条旗(お判りになるだろうか)のペイントが施されたレスポールカスタムなのだが、塗装は剥げ、ビールの王冠が打ち付けられ、所々に焦げ目もあるとんでもない代物。なんとバブルガムメタルと揶揄されたウォレントのギタリストが同じペイントのギターを持っていたらしく、Zakkは「奴らと同じにすんじゃねえ」とお怒りになり、ギターを燃やして、かつビールの王冠を釘で打ち付けたのだそうだ。

90年代初頭、Ozzyと袂を分かち、(数年後呼び戻されるのだが)トリオで結成したPride&Gloryは素晴らしいバンドだった。同名のアルバムも素晴らしい。おそらく90年代でいちばん聴いたアルバムだと思う。サザンロック+へヴィロック。ほとんど一発録りだったというグルーブ感溢れる生々しい演奏。ギター、ベース、ドラムという必要最小限の編成。各人の卓越したテクニックと緊張感あふれるインプロヴィゼーションが展開される。アコギによるNeil young的なエッセンスもある。暖急自在。心打たれるメロディに意外に聴かせるZakkの歌声。ピアノもまた上手い。ライブ時に3人が中央で小さく固まって向かい合いながら延々と演奏するのだが、これはNeil young&crazy horseの影響が大きいのだということは後になってよく判った。
もう10年ほど前になるか、新宿厚生年金会館で見た彼らのライブは、「おまえら見てろよ。バンドっていうのはこういう具合に演るんだよ!」とZakkに言われたような気がした。いや、確実に言われた。音がそう言っていた。2時間半はプレイしただろうか?アンコールで演奏したジミヘンのVOODOO CHILEは30分は演奏していただろう。
97年、お台場で開催されたフェスROCK AROUND THE BAYのオープニングでみたZakkはまた感動的だった。真夏だったが曇り空で若干の肌寒さを感じる野外ライブだったが、ZakkがMACINEGUN MAN(Pride&Glory収録)のブルージーなイントロを奏でると、ステージ後方の雲が切れ、光が差し込んだ。Zakkに後光がさしたようだった。同時にオーディエンスにも光があたり、身も心も温かくなって嬉しいような悲しいようなおかしなものがこみ上げてきた。
ファンには悪いが、最近のZakkはすっかり超へヴィ路線を行っていて、とてもじゃないが着いていけなくなってしまった。キャラクターも現実離れしている。どうかあの頃の人間臭いサウンド・スタイルでたまには演ってほしいと願うのは私だけだろうか。本当の本当はジェイムス・ロメンゾ(B)、ブライアン・ティッシー(D)と共に、Pride&Gloryを再結成してほしいのだが、これは夢のまた夢かもしれない。
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