発達障害家族です

発達障害家族です

出生と、てんかん発病

二男は、H8年6月予定日でした。
でもそれは叶わず、3月の中頃にその日はきてしまいました。
二男は超未熟児で生まれてすぐNICUへ入院。
私も常位胎盤早期剥離と言う恐ろしい病気で、出血多量で輸血をするなど生死をさ迷いました。
後で夫に聞くと「危ない状態なので、会わせてあげたい人がいれば会わせてあげてください。」と医師から言われたそうです。
入院後、すぐ夫は自分の親に電話し、姉夫婦に「嫁さんの親父さんと兄を乗せて病院まで来てほしい」と頼んだそうでした。

NICUNICU2


みんなに心配されながら、母子共になんとか命は助かりました。
私は2ヶ月半入院。二男は4ヶ月入院しました。
ミルクの飲みもよく、元気に育っていましたが、退院後2ヶ月後に悪夢が襲いかかってきました。
あんなに元気だった二男が風邪をひいて鼻を詰まらせたりしていたので、近くの小児科でお薬をいただきました。
良く眠っていました。
起きても「やけにおとなしいなぁ」と思っていたら、急に頭をコクン、コクンとおじぎをするようにしだしました。
無表情で動作が終わると泣き出して寝てしまいます。
私はこの動作の病気を知っていました。
「まっ、まさか.....」青くなりました。
動転して泊まり勤務だった夫に電話をかけ、夫が帰宅後、病院に電話してすぐ出産した医大病院に駆けつけました。
病名は「点頭てんかん(ウエスト症候群)」。
恐れていたことが実際におきてしまい、どうする事も出来ませんでした。
夫はまた長男を実家へ預けに三重県まで急ぎました。
私は医師からこの病気の詳細を聞き、今後の治療方針について詳しく聞く事となりました。
「発達が遅れてしまうかもしれません」
この言葉だけが頭の中で木霊しました。

何度も考えた「このまま二男を抱いて窓から飛び降りよう...」
全然笑わなくなった二男を見つめ涙がとめどなく流れました。

9月の二週目のある残暑のきつい暑い日の事でした。

デパケンとフェノバ-ル。
止まりません。
ACTHを実行。
すごい食欲。ミルクをごくごく飲みます。
みるみるうちに太りだす二男。
使用から終わりまでの予定と同時に、やっと止まった発作。
暑い日だった入院から3ヶ月後の寒いもう年末になっていました。

それからリボトリールとデパケンを飲み続ける。
0才~5才まで飲み続け、6才でデパケンのみになり、7才でもう飲まなくてもよくなりました。
今は飲んでません。
でも、発達は遅れてしまいました。
まだ一人歩行も完全じゃないです。

でも、この子の笑顔が戻ってきて一番嬉しいです。
あの無表情の顔はもう忘れてしまいたい悪夢でした。

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WEST症候群(点頭てんかん)について
1.WEST症候群とは?
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WEST症候群は、乳児期に発病する難治性てんかんの一つで、症候性全般て んかんに分類されている。発作は、シリーズを形成する点頭発作(Epilep tic spasms)で、1シリーズの中で、瞬間的に上肢、下肢を強直させ て、頭部を前屈させる発作を数秒~数十秒おきに繰り返して、1日の発作回数が 数10回から100回以上に及ぶという発作回数が多いのが特徴です。初期の頃 は、いわゆる「けいれん」とは出方が違うので見逃していることもあります。好 発年齢は、3~6カ月頃で、典型的な発作が出現してくる前に、笑顔が少なくな ったとか、追視をしなくなったとか、首のすわりが悪くなったとか、いろいろな 発達の遅れや退行が先行する場合が多い。
WEST症候群は、潜因性(検査しても原因がわからない)と症候性(脳の器 質的な障害が原因している)に分類されています。潜因性のWEST症候群の方 が、症候性のものよりも、抗てんかん剤に対する反応もよく、発達的な予後もよ いと考えられています。
症候性点頭てんかんでは、治療に対して抵抗するものも多く、また、重度の脳 障害を合併しているような場合には、後述するACTH療法を行うと、肺炎など の感染症を併発することが多く、適用について十分な検討が必要と考えています 。
また、WEST症候群は、乳幼児期に再発しやすいという特徴があるのでやっ かいですが、再発したら、その都度ACTH療法を含めた適切な治療によって、 できるだけ早期に発作のコントロールをすることが大切です。
2.WEST症候群の治療について


Treatment lagと言って、発病してから治療を開始するまでの期 間が発達的な予後にも影響すると考えられています。点頭発作に気づかずに放置 していると、赤ちゃんの運動発達や精神発達の停滞や退行(今までできていたこ とができなくなってくる)が見られるようになってきます。
国によっても、第一選択薬の違いがあり、潜因性と症候性でも、症例によって も、有効なくすりが違うことがしばしばあります。日本では、潜因性の点頭てん かんに対して、しばしば、活性型ビタミンB6大量療法が第一選択として試みら れていますが、有効性は低く、約10%の症例で著効したと報告されています。
抗てんかん薬としては、VPA(デパケン、バレリン)、CZP(リボトリー ル、ランドセン)、NZP(ベンザリン)、ZNS(エクセグラン)が第一選択 薬ないし第二選択薬としてあげられていますが、有効なくすりは症例によって異 なります。
VPAとVitB6大量療法の併用が有効という報告や、CZPとVPAの併 用も行われています。
○ACTH療法について


以上のような抗てんかん剤で発作のコントロールが難しい場合には、ACTH 療法(副腎皮質刺激ホルモン)の適用になります。
これは、ACTH(コートロシンZ)を2週間連続注射、次の2週間隔日注射 その後漸減する方法で、6~8週間の入院治療が必要になります。 ACTH療 法は、有効性が高く、80~90%の症例で発作が止まりますが、副作用も多く 、最近では、ACTHの少量投与法が一般的になってきました。VitB6大量 療法とACTH少量投与の併用で、よい成績がでたという報告もあります。抗て んかん剤で発作が止まらない場合には、早めにACTH療法を行う方がよいと考 えています。
ACTH療法の副作用は、いろいろありますが、治療中、抵抗力がおちて感染 しやすくなること、CTスキャンでの一過性の脳の退縮現象(水分の減少)、食 欲昂進、不機嫌、その他があります。
ACTHの投与量が多くなれば、効果も大きくなりますが、副作用も出やすく なるため、少量投与と言っても、ACTH 0.01mg/kg/day~0. 025mg/kg/dayまで、かなりの幅があり、症例によって適量が選択さ れています。


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