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May 9, 2006
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カテゴリ: カテゴリ未分類
以前、同じ 『命をかける』ということ という題名で日記を書いた。
詳細はそれを読んでいただきたい。

これはその後の経過報告

気にしてくれている方もいらっしゃることだし、わたしも書かなきゃと思ってた。


4月11日。彼の 骨髄移植 が無事終わった。
とりあえず骨髄液注入時の副作用はなく、本人も意外に ケロッ としていたものだった。

骨髄移植をするにあたって それ以前にかなりキツイ抗がん剤を使用するのだが、
まずここで骨髄を空っぽにした患者は 薬の副作用 と闘わなければならない。
激しい下痢と嘔吐、ヘタをしたら腎不全になって命を落とすこともある。

彼が超えなければならない第一関門は トイレから立ち上がるヒマもない 下痢と嘔吐の嵐 だった。
夜も眠れないほどの症状が続き、うたた寝をしようものならうっかり失禁してしまうのだ。
それが数日あったあとは  口の中半分を覆い尽くすような口内炎 ができ、それが潰瘍化した。
唇は腫れ、湧き出てくる唾液を飲み込むことも出来ず膿盆にダラダラと流すしかなかった。
この痛みは尋常ではないことはお分かりだろう。
わたしたちは小さな口内炎が出来ただけで『食べ物がしみる』だの『しゃべりにくい』だのとブツブツ言うが彼のはそんなものじゃない。

これは移植したからではなく、全て骨髄生着以前の抗がん剤の副作用に過ぎない。

幸い、この『痛み』に対しては対処できるすべはある。
『モルヒネ』 である。
こいつを持続的に投与することで痛みはほぼコントロールできる。
もう一つのモルヒネの利点は腸蠕動の抑制だ。
モルヒネの投与によって あれほど激しかった下痢はピタッと治まった。

しかし、口内炎は治ったわけではない。
刺激をしない間の痛みは抑えられるが、必要な薬を飲んだりするときの痛みはなかなかコントロールできないものだ。
この痛みを抑えるために使うモルヒネを増量すると吐き気が強くなる。
どうしようもないイタチゴッコが続いた。

そうして14日間が過ぎた頃、ようやく空っぽにした白血球が増え始めた。

生着 である。

正直、わたしたちスタッフも主治医もここまで持ちこたえるとは思わなかった。
わが病院で の2座不一致移植の成功を収めたのだ。
NIMA-BMTという移植の成功率は以前の日記にも書いたように非常に成功率が低い。
研究段階である危険な移植ではあったが これを知った上で移植に踏み切った彼の勇気が
成功を導いたとしか思えない。

ところで、 移植の『成功』 とはどういうものかご存知だろうか。

成功とは 全く元通り元気になることではない。
『生着』した時点で『成功』なのだ。
たとえこの後、GVHDという移植の副作用のようなもので皮膚がただれて原子爆弾を浴びたようになっても、肝不全で命を落としても、免疫抑制剤の副作用で頭がおかしくなっても
『成功』ということになる。

彼の移植の目的は 社会復帰 である。
そうするためにはもちろん生きていなければならないし、
今までどおりの生活ができて、仕事もできなければならない。

今の段階で 彼はまだ点滴につながれ、出血性膀胱炎を起こし一日に数十回のドロドロの血尿を出し、まともに歩くほどの体力もない。
水と薬以外のものを口にすることもできないのだ。

移植してほぼ1ヶ月。

頻回の血尿のせいでほとんど眠れず、ただベッドの上に座っているだけの毎日である。

『家に帰りたい』

弱音を吐かない彼が数日前 ポツリと言った。

シャンデリアのように幾重にも吊るされた点滴を見ながら『 こいつを外してくれ 』と言う。

『頑張ろうね』という言葉をわたしたちは彼に言わないようにしている。
彼は充分がんばっているからだ。
これ以上の努力を彼に課すのは酷だ。
あとはわたしたちが彼に襲い掛かる予測できない様々な苦痛を出来る限りとりのぞく努力をするしかない。

これから先には移植後の副作用が待っている。
彼の闘いはまだまだ先が長い。

7月、わたしはしばらく病院を離れ指導者研修に入る。

彼の退院の目途がつくのが先か、わたしがここを離れるのが先か。
『命をかけた闘い』の結末 を見届けなければ
この病院を離れられそうもない。










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最終更新日  May 9, 2006 03:47:24 PM
コメント(13) | コメントを書く


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Re:『命をかける』ということ その3(05/09)  
【まっち】  さん
知ってはいるけど、目のあたりにした姿は壮絶だろうね。
とりあえず「成功」おめでとう。 だけど まだこれからだ。
結末(となるかどうか)は是非見届けてほしいね。 (May 9, 2006 03:55:35 PM)

Re:『命をかける』ということ その3(05/09)  
ぢんこω  さん
神様っ!としかお願いできません。
Monkeyさんも辛いでしょうけど乗り切ってくださいね。
(May 9, 2006 06:59:04 PM)

日記はこのくらいのペースが良いと思います。  
Heik  さん
指導者研修ですか。凄い。さすがですね。
さて私はこの骨髄移植のシリーズは、最初熱心に目を通しておりましたが、
この頃は、どうだっていいや、って感じですね。でもまあ生着したなら、それで結構。
「おめでとう」 と言いたい。

なぜ私がこのシリーズの熱心な読者になれないか、はそもそも私が移植手術全般に関して、
批判的な意見をもっているからです。輸血が限度、それ以上の移植手術は、
「勝手にやれば・・・」 って感じですね。このシリーズにしてもそうです。死期を引き延ばす行為自体が
馬鹿馬鹿しく思えます。 (May 9, 2006 07:09:33 PM)

Re:  Heikさん  
monkey77  さん
いつもコメントありがとうございます。
ちなみに 骨髄移植は死期を引き延ばす行為ではなく『生きるための行為』だとわたしは考えています。
移植に対して批判的なのはおおいに結構ですよ。
それにたずさわっているわたしもそうですから。

移植って意外にたいしたものなんですよ。
放っといたら死んじゃうものが他人の身体の一部を植えつけただけで生きちゃうんですからね。
あ、どうだっていいですね(笑) (May 9, 2006 11:33:03 PM)

Re:日記はこのくらいのペースが良いと思います。(05/09)  
【まっち】  さん
Heikさん
>この頃は、どうだっていいや、って感じですね。
>「勝手にやれば・・・」 って感じですね。このシリーズにしてもそうです。
>死期を引き延ばす行為自体が馬鹿馬鹿しく思えます。
-----
どういう意見を持とうが、それは個人の自由です。
が、どうでもよければ読まなくていいのでは?
また それにコメントもつけなくてもいいのでは?
少なくとも 本人、家族はどうでもよくないはずですし、もし これを関係者が見ていればどう思うでしょう。
馬鹿馬鹿しければ、読まなくていいのですよ。 (May 9, 2006 11:48:31 PM)

Re:『命をかける』ということ その3(05/09)  
shima0915  さん
私も経過報告を気にしていた1人です。
「成功」という言葉を聞くと無意識に「おめでとう」と言いたくなるけど、それに伴う副作用は私たちが「成功」から想像するものとは程遠いんですね・・・。
今日の話を読んで、健康であることはなんてありがたいんだろうと改めて感じさせられました。世の中にはこんなに命と闘ってる人がいるのに、健康である私たちはそのありがたみを忘れがちですよね。
彼の「社会復帰」が実現するように祈っています。 (May 10, 2006 12:39:52 AM)

Re  shima0915さん  
monkey77  さん
健康があたりまえだから忘れがちなんですよね。
わたしも多少身体の調子が悪いだけで『ツライ』と思ってしまうし、すぐ薬に頼ってしまいます。
でも薬が効かない人がいたり、もう何もできないほど状態の悪い人がいることを最近になってあらためて知ったような気分です。
ようやく『看護師』になった…のかもしれませんね。
気にしてくださってありがとうございます。
少しでも彼の希望に近づけるようにわたしたちもがんばります♪ (May 10, 2006 07:37:48 PM)

Re:『命をかける』ということ その3(05/09)  
私の家族が骨髄登録(ドナー)していて、適合したので、手術するらしい。
こちらもドキドキしています。 (May 11, 2006 12:38:28 PM)

はじめまして。  
なでしこと申します。
私も、血液内科勤務のナースです。
うちの病棟は移植が始まって3年で、兄弟間でのミニ移植ばかりだったので、みんな元気に退院していきます。
今年の4月から骨髄バンクでの移植が認可されたところです。
なので、↑のような激しい副作用が出現している患者さんなんてみたことないです。
無菌室で患者さんと二人になり、病状の看護はもちろん、精神的な支援までできるかとっても不安です。
苦しい思いをしながら移植を頑張っている患者さんは本当に大変な努力をされていると思います。
生着してよかったですね。
これからGVHDなどいろんな問題も起こってくると思いますが、少しでも安楽に過ごせるよう、そして、社会復帰できるよう祈っています。 (May 12, 2006 02:13:47 PM)

Re みらくる☆宮浦アトリエさん  
monkey77  さん
うわぁ~~♪
こちらもドキドキです!!
ドナーさんもものすごく勇気がいるんですよね。
一人でもそんなふうに見知らぬ人の命を救いたい!という方が増えてくれるのが嬉しいですね。
ありがとうゴザイマス。
その善意が人ひとりの命を救うのですよ♪ (May 13, 2006 11:27:18 PM)

Re :なでしこ☆彡さん  
monkey77  さん
>私も、血液内科勤務のナースです。

うれしい~~☆ 仲間ですね♪

>これからGVHDなどいろんな問題も起こってくると思いますが、少しでも安楽に過ごせるよう、そして、社会復帰できるよう祈っています。

ありがとうございます。そのんなふうに祈ってくださる方が一人でも増えることがわたしたちの励みにもなります。

お互いがんばりましょう!!! (May 13, 2006 11:31:35 PM)

Re:『命をかける』ということ その3(05/09)  
命・・命が大切だとか・重いとかそんな世界ではないですね・!
命をかける・・真剣勝負ですね。。。患者も医者も・。
生きることの壮絶さ生きるって大変なのに甘えて生きている自分が恥ずかしくなりました。
陰ながら祈らせていただきます。
(May 14, 2006 11:01:51 PM)

Re エアロミーゴさん  
monkey77  さん
お返事がたいへんおそくなりました。すみません。
少しでもこういう患者さんがいることをわかっていただけたなら書いた甲斐があるってもんです。
温かいコメントありがとうございました! (May 16, 2006 11:08:28 AM)

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