June 21, 2006
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深夜にふと母 しみじみ話す事あり
歳重ねても なを命題尽きぬ
生き難し性（さが） 怒りを笑いに変じたし
決意込めし笑顔 輝けり
～梅雨明け蒸し暑き夜 かでぃ、母と同居の句～
疲れて曲がった腰を叩きつつ、あちらの一山がコレでこちらの一山がソレと示し
「自分では良くやったなあ！と思っても
人が見たら全然片付いてないわよねえ！」と笑う母だが
いやいや数日前の惨状を知ってる身としちゃ、良くやったとしか…(^_^;)。
久々の地元で、ご近所付き合いで話込めばいろんな方々より
良く言えば“永遠の少女”、仲良しの悪い口で言えば“天然”と称され
なんでこの母にして、この癇癪系ムスメかなーと思うけど
役員などで、難しい場面をのらりくらり片付けているように見える母から
折に触れて突如現れる「あの人だけは、どうしても許せないの！」の話に
驚く事しきり…。
今夜もそいつは、全然別口の仕事のゴタゴタから飛んだ。
どう頑張っても、相手に思いやりを欠片も感じられないので
自分の福運積みを先延ばしにしても縁を切りたいとまで言う。
（※和合できなきゃ福運を消すと信ずる、仏教徒家系独特の会話）
…あたしの癇癪と一緒じゃん(^_^;)。ソレ受け継いじまったんだ～。
しかし聞いてみればナルホド、あたしだったらとっくに縁切りだけどね。
ここを乗り越えたら、無敵の“天然”なんだろうねぇ。
父の葬儀について、なかなか触れられなかったけれど
ちょっと書いておけば、我が家の事ながら「素晴らしかった」んですヨ。
母からして朗らかで（かなり気張ってたんだけど）、お悔やみに来た人が
「旦那さんの死を、内心喜んでるの？」と疑問を持ったそうだけど
父の顔を見て納得したそうな。娘が言うのもなんだけど
パパ、とっても綺麗だったよ…。
で、葬儀に際して親族に喪主の母が出した指示が「ドレスアップ＠常識内」。
私も一度出した湿っぽい礼服を畳んで、レースヒラヒラの黒ブラウスをば。
通常、故人の好きだった食べ物などを飾るところ
「最期の10年間は病気のせいで、好きなものを食べるどころじゃ
ありませんでしたから」と、悪戯っぽく笑った母
ななんと、父の絵を展覧会風に飾る事をリクエスト！
話の分る葬儀社の粋なはからいで、本人の居る最後の展覧会が！！
いくらなんでもアリの現代でも、トンデモ葬儀でしょう？
でも、読経が終って通路に並べられた精選10点ほどの絵を見ながら帰る人々より
「感動しました」と言っていただきました。
我が家でも、あの故人にしてこの喪主あり。伝説として語り継がれるでしょう。
気力の続く限り、体力の回復する限り頑張り続けた父と
衰弱に負けて気力が落ちないよう、祈り励まし続けた母の10年間を
あの葬儀に来られた方は、みな一様に感じたはずです。
さて、その会葬者名簿に、あえて載せなかった人が一人…。
父の生前「ご主人さまのご回復は」云々と声を掛けて下さった方だが
訃報をどこぞで知ったか、電話で「お線香を」と言って下さったのにも
母は丁重にお断り申し上げたそうな。
母の親しい友人であったその方は、父の発病当初にご主人を亡くされ、
ずいぶん丁寧に病状を気遣ってくれたそうだが
今思えば持てる力を振り絞った、去年の夏の展覧会に招待した時
しばらく画廊の門前で躊躇され、招いても気もそぞろな風で
絵を見るともなく立ち去った。
母にショックを与えたのは、後日送られた手紙で
「元気なご主人さまと、仲の良さを見せ付けられ…」云々と
10年間引き摺った思いを書き連ねてあり
それは葬儀の場に相応しくない思いを呼び起こす。
…じゃあ、これであなたと同じ立場に立てたのね、と。
母の怒りは
「なんで、友人の病気の夫が必死に生きるのを喜べないのか？
私の周りの寡婦は誰も、自分に引き比べて幸せで良いわねなどと言わない。
私もパパが亡くなったって、他の人が元気で幸せで良いわねなどと思わない。
パパと散歩中に会って挨拶した事があるけど、元気で散歩なんてした事があるか？
あの展覧会だって、決して元気とは言えなかったのに。必死だったのに。
だからこそあの人に見てもらいたかったのに。
こうまであからさまに、死ねばいいと言われるなんて
あんまりだ…！！」
考え過ぎなんじゃと口を挟むのは、私だけでなく誰でも試すらしい。
そういう訳で、目出度く寡婦仲間となっても
彼女を我が家に呼び入れるつもりに、どうしてもなれないのが目下の悩み…。
それ以前に、出歩いても遭いもしないんだけれども(^_^;)。
ずいぶん前から歯車がズレていて、溝を深めている人間関係があり
その亀裂を知ってショックを受ける傷の痛みは、すでに母だけのものではない。
「もし会ったら、こんにちわー！！（笑顔）って言って
さようならー！！（ド笑顔）とだけ言ってやるんだけどな」と苦笑い。
ああ確かに、それだけで怒りの片鱗が伝わろう…。
やっちまって傷親子。人間関係の悩みにお互いエールを送りつつ
…でも、家庭内イザコザも毎日あるんだけどさ。
歳重ねても なを命題尽きぬ
生き難し性（さが） 怒りを笑いに変じたし
決意込めし笑顔 輝けり
～梅雨明け蒸し暑き夜 かでぃ、母と同居の句～
疲れて曲がった腰を叩きつつ、あちらの一山がコレでこちらの一山がソレと示し
「自分では良くやったなあ！と思っても
人が見たら全然片付いてないわよねえ！」と笑う母だが
いやいや数日前の惨状を知ってる身としちゃ、良くやったとしか…(^_^;)。
久々の地元で、ご近所付き合いで話込めばいろんな方々より
良く言えば“永遠の少女”、仲良しの悪い口で言えば“天然”と称され
なんでこの母にして、この癇癪系ムスメかなーと思うけど
役員などで、難しい場面をのらりくらり片付けているように見える母から
折に触れて突如現れる「あの人だけは、どうしても許せないの！」の話に
驚く事しきり…。
今夜もそいつは、全然別口の仕事のゴタゴタから飛んだ。
どう頑張っても、相手に思いやりを欠片も感じられないので
自分の福運積みを先延ばしにしても縁を切りたいとまで言う。
（※和合できなきゃ福運を消すと信ずる、仏教徒家系独特の会話）
…あたしの癇癪と一緒じゃん(^_^;)。ソレ受け継いじまったんだ～。
しかし聞いてみればナルホド、あたしだったらとっくに縁切りだけどね。
ここを乗り越えたら、無敵の“天然”なんだろうねぇ。
父の葬儀について、なかなか触れられなかったけれど
ちょっと書いておけば、我が家の事ながら「素晴らしかった」んですヨ。
母からして朗らかで（かなり気張ってたんだけど）、お悔やみに来た人が
「旦那さんの死を、内心喜んでるの？」と疑問を持ったそうだけど
父の顔を見て納得したそうな。娘が言うのもなんだけど
パパ、とっても綺麗だったよ…。
で、葬儀に際して親族に喪主の母が出した指示が「ドレスアップ＠常識内」。
私も一度出した湿っぽい礼服を畳んで、レースヒラヒラの黒ブラウスをば。
通常、故人の好きだった食べ物などを飾るところ
「最期の10年間は病気のせいで、好きなものを食べるどころじゃ
ありませんでしたから」と、悪戯っぽく笑った母
ななんと、父の絵を展覧会風に飾る事をリクエスト！
話の分る葬儀社の粋なはからいで、本人の居る最後の展覧会が！！
いくらなんでもアリの現代でも、トンデモ葬儀でしょう？
でも、読経が終って通路に並べられた精選10点ほどの絵を見ながら帰る人々より
「感動しました」と言っていただきました。
我が家でも、あの故人にしてこの喪主あり。伝説として語り継がれるでしょう。
気力の続く限り、体力の回復する限り頑張り続けた父と
衰弱に負けて気力が落ちないよう、祈り励まし続けた母の10年間を
あの葬儀に来られた方は、みな一様に感じたはずです。
さて、その会葬者名簿に、あえて載せなかった人が一人…。
父の生前「ご主人さまのご回復は」云々と声を掛けて下さった方だが
訃報をどこぞで知ったか、電話で「お線香を」と言って下さったのにも
母は丁重にお断り申し上げたそうな。
母の親しい友人であったその方は、父の発病当初にご主人を亡くされ、
ずいぶん丁寧に病状を気遣ってくれたそうだが
今思えば持てる力を振り絞った、去年の夏の展覧会に招待した時
しばらく画廊の門前で躊躇され、招いても気もそぞろな風で
絵を見るともなく立ち去った。
母にショックを与えたのは、後日送られた手紙で
「元気なご主人さまと、仲の良さを見せ付けられ…」云々と
10年間引き摺った思いを書き連ねてあり
それは葬儀の場に相応しくない思いを呼び起こす。
…じゃあ、これであなたと同じ立場に立てたのね、と。
母の怒りは
「なんで、友人の病気の夫が必死に生きるのを喜べないのか？
私の周りの寡婦は誰も、自分に引き比べて幸せで良いわねなどと言わない。
私もパパが亡くなったって、他の人が元気で幸せで良いわねなどと思わない。
パパと散歩中に会って挨拶した事があるけど、元気で散歩なんてした事があるか？
あの展覧会だって、決して元気とは言えなかったのに。必死だったのに。
だからこそあの人に見てもらいたかったのに。
こうまであからさまに、死ねばいいと言われるなんて
あんまりだ…！！」
考え過ぎなんじゃと口を挟むのは、私だけでなく誰でも試すらしい。
そういう訳で、目出度く寡婦仲間となっても
彼女を我が家に呼び入れるつもりに、どうしてもなれないのが目下の悩み…。
それ以前に、出歩いても遭いもしないんだけれども(^_^;)。
ずいぶん前から歯車がズレていて、溝を深めている人間関係があり
その亀裂を知ってショックを受ける傷の痛みは、すでに母だけのものではない。
「もし会ったら、こんにちわー！！（笑顔）って言って
さようならー！！（ド笑顔）とだけ言ってやるんだけどな」と苦笑い。
ああ確かに、それだけで怒りの片鱗が伝わろう…。
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June 22, 2006 05:44:20 AM
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