照明・BLS・Fire brigade

照明・BLS・Fire brigade

舞台照明の種類と機材

舞台照明の種類

舞台照明と言っても、ただライトが点いたり消えたりしている
わけではなく、ライトの吊ってある(置いてある)場所によって
それぞれ色々な役割があります。
下記に主な明りを説明します。


■地明り
 ステージ全体を均一に照らす(染める)ベースライトです。
 通常は、色を使わない(生明り:なまあかり)のが普通です。
 ホールなどでは1Kwのフレネルライトが良く使われています。
 通常、サスペンションライトを使って作りますが、講演会等では
 ボーダーライト(BL)という直線状のライトを使う場合もあります。


■サス明り(サス)
 サスペンションライト。
 舞台上部にある〔サスバトン〕に吊ってあるスポットライト群です。
 光の輪郭がはっきり出る〔平凸レンズスポットライト〕と
 光の輪郭がぼやける〔フレネルレンズスポットライト〕の
 2つのスポットライトが良く使われます。
 キャストや舞台装置に真上や後ろから光を当てる事が出来るので
 立体感や奥行き感等を表現する事が出来ます。
 サスは、舞台照明におけるメインの照明となります。
 サスでは、前述の地明りのほかに、
 トップサス:特定の人物や装置だけに当てて意図的な表現をします。
 ぶっちがい:上手・下手から反対方向に当てる光。
       ベース明りの補助として、より自然な表現など。
 などの明かりの当て方があります。


■ステージスポット(SS)
 舞台の真横(舞台袖)から舞台中を照らすライト。
 普通、凸レンズのスポットライトが使われます。
 袖の床上に、スタンドやベース(床置き用の低いスタンド)
 を使って置きます。
 キャストに立体感を与える事が出来ます。


■前明り
 シーリングライト(CL)
 客席の天井にあるスポットライト。
 前から舞台を照らします。
 シーリングはあまり明るすぎると
 サスなどの照明の効果が薄れてしまい
 舞台全体が平板的になってしまいます。

 フロントサイド(Fr)  客席の前方上部にあるスポットライト。
 斜め上からキャストを照らします。
 シーリングと共にキャストのしぐさや表情などが  よく見えるようにします。  

■センターピン
 客席最後部中央(上部)にあるピンスポットライト。
 キャストの動きに合わせ灯体を動かして(フォロー)
 キャストをより目立たせます。
 このフォローには熟練を要します。
 このピンスポットを操作する人センターマン等と呼びます。
 ド暗転(真っ暗な)の舞台で、袖から出てくるキャストに
 (正確には眉間から徐々に)正確にピンを当てるのは至難の業です。
 まさにスナイパーです。
 ホールではピンルーム(センタールーム)という専用の部屋から
 野外ではイントレという足場を組んでそこからピンスポットを
 当てています。


■ホリゾントライト
 舞台の一番奥にあるホリゾント幕(白い幕)を色で染めるライト。
 上方から染めるアッパーホリゾントライト(UH:アッパー)と
 下から染めるロアーホリゾントライト(LH:ローホリ)があります。
 この上下のライトには通常3~4色の色が入っています。
 この色と上下の色の組み合わせを変える事で、空や地平線・季節や
 様々な情景を心象を表現する事が出来ます。


舞台照明に必要な機材

舞台照明をするのにはいろいろな機材が必要ですが
大まかに言うと、最低でも下記のモノが必要です。


ここではホールなど常設の照明設備ではなく仮設用の機材を想定しています。
所詮は素人なので、プロの方からみると説明がハァ?という部分が在ると
思いますが、ご容赦のほど‥。
もっとも、あまりにヒドイのは指摘して下さい、宜しくお願い致します。

■舞台用ライト

 ライトには大きく分けて、全体を明るくしたり一部分だけを明るく
 したり等、色々な調節の出来るスポットライトと
 舞台全体の色染めや、ビームを強調した演出をするパーライト
 カッターと呼ぶ羽根で照射面の形を変えるエリプソイダルライト
 様々なアダプターを付けて絵や柄を投影するエフェクトライト
 などがあります。

 一般的に演劇と音楽物では主に使うライトの種類が違ったりしますし
 どう演出するかでも、ライトの種類や数が変わって来ます。
 照明はその照明を考える人(プランナー)の感性で全然変わります。
 どっちにしても、最低でも十数個から通常数十個のライトが必要です。


■調光卓(ちょうこうたく)

 ライトの明るさを調節する装置です。
 フェーダーというスライド式のボリュームが何十個も付いていて
 それを調節して各々のライトの明るさを変えます。
 実際には音楽や演技等に合わせ、幾つもの場面(シーンと呼びます)を造り、
 それを調光卓に記憶させておいて、本番ではそのシーンを呼び出して
 照明の操作(オペレート)をします。

 調光卓の種類も、記憶の出来ない6~12chのマニュアル卓から、何十chの
 コンピューター制御卓やムービング専用卓など色々あります。
 最近ではノートパソコンを調光卓として使うソフトも出ています
 価格は、数万円~数百万円くらいまでの巾があります。
 また、大ホールクラスの常設調光卓では100ch以上あります。


■調光ユニット(ディマー)

 ライトに電気(AC100V)を供給する電源装置です。
 実際には調光卓から制御信号(DMX512信号など)を受けて
 制御された電気を供給しています。
 舞台用のライトも家庭と同じ100Vなので、家庭用のコンセントに直接
 ライトをつなげてもライトは点きますが、明るさを変えたりすることは
 出来ません。
 また、家庭のコンセントでは最高15A(ライトの総W数で1500W)まで
 しか使えませんので多くのライトを点ける事は不可能です。
 明るさを変えたり、多くの照明を点けたりすることを可能にするのが
 調光装置(ディマー)です。

 最大1000W=1Kw(ワット)を1つの回路だけに(1ch:チャンネル)供給する
 小型のディマーから、12・24・30chに、2Kw/3Kw(トータルで数百A)の
 大電流を供給する事の出来るディマーまで、色々な種類があります。
 ごく一部のディマーは家庭用コンセントから電源を取ることが出来ますが
 最大でも1500Wですので、500Wのライトで3灯だけです。
 通常は配電盤に直接つないだり、大型の発電機から電源を取ります。
 例えば、〔12ch・2kw〕のディマーを使えば、12ch×2000Wで、最高24000Wの
 電源を供給することが出来ます。
 これは500Wのパーライトで、24000÷500=最大48個のライトを点ける事が出来ますが
 実際には、安全のために最大容量の半分までで使う様に推奨されています。


■ケーブル類

 大きく分けると、ディマーからライトに電源を供給するケーブルと
 調光卓からディマーへ制御信号を供給するケーブルが必要です。
 ライト用のケーブルにもいろいろな種類がありますが、2~3kwという
 大容量が流れるので、大変太いケーブルが使われています。
 また、何十というライトをつなぐには何十本ものケーブルが必要です。
 照明専用のコンセントが付いていて、買うと驚くほど高価ですので
 通常はケーブルとコンセントを買って自分で作ります。


■ライト用スタンド等

 照明のライトは当然どこかに固定する必要があります。
 体育館等のステージには看板などを吊るバトンというパイプがあります
 そこに〔ハンガー〕という専用の機材を使って吊ります。
 そのバトンが無い場合は、照明用のスタンドが必要になります。
 また、屋外等ではスタンドやイントレという足場を組んでそこに吊ります。
 吊るにしても、置くにしても、絶対に倒れたり落ちたりしないように安全を
 最優先にする必要があります。


■その他

 ・ライトをバトンに吊るすハンガー
 ・光に色をつけるための専用のカラフィルター
 ・演出効果を上げるためのスモークマシンなどなど
  まだまだ色々な機材があります。



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