時間の陥穽60 有史初期からの人類の古代思想を紐解けば時間と空間は其れ其れに独立したものだと観相されていたようです。其れ故、太陽と月は天上の空間を繰り返し循環、位置の移動は其れを再々永遠に繰り返すものであり、永遠の循環とは人間の時間の流れとは異相の無限サイクルと捉えられていました。即ち、太陽と月更には星々の世界は人間世界とは時制的には異相であり、時間の流れは全く異なって流れているとします。ギリシァ神話(Greek mythology)や中国古代文学「西遊記(Journey to the West)」を見ても人間の現世時間での百年は神々の世界では空間的には同一にしても、時間の流れは全く異なるとするのが古今東西の歴史が語っています。進んで深奥に眺めれば、色も形もない時間と空間は「無」ではないことは誰しもが観想しています。驚くべきことには、物理化学の恩恵なしに時間が空間的に相違し伸び縮みするかもしれないとの疑問がギリシァ神話やインド仏教を中心にして想起され、以降、現代にまで影響を及ぼしています。