時間の陥穽314 多元的宇宙論があるからには一元的宇宙論がある筈です。ところが現在のところ一元的宇宙論は神秘哲学や宗教及び一部の絶対哲学では現代にも説かれるものの、宇宙物理科学では凡そ少数派、皆無だとも云えます。但し、多元的宇宙の問題は、「起こり得ることは何回でも無限に起こり得る」としていること。例えば「地球サイズの環境惑星が無数にある」確率を計算することなど、ほとんど無意味になってしまいます。とは云え、此の多元的宇宙の確率に関する問題は、宇宙学者にとっては粗方論理的には問題とはならないとします。しかし、カリフォルニア大学バークレー校の物理学部にある理論物理学のためのバークレーセンター(University of California at Berkeley)に在職する教授ラファエル・ブソー(Raphael Bousso)は、物理学の法則に従えば「永久インフレーションを続ける宇宙」は説明出来得ないといいます。何故なら、現在の理論は、宇宙が「ビッグバン」により137億年前に始まり、永久に膨張を続けると予測している。しかし、その一方で、物理法則を計算するために理論上の宇宙の消滅時期を用いてきたとします。ブソーは世界三大通信社のひとつであるAFPBB-Newsの取材に「論文の要点は、永久にインフレーションを続ける宇宙で確率を計算するために広く使われていた特定の手法や仮定が、時間には終わりがあるとの結論を導き出すことだ。時間の消滅は、多くの第一線の物理学者たちが長年、計算上のツールとして用いてきたものだが、実際の物理的事象のように機能しており、単なる計算上のトリックと呼ぶことはできない」と語り、時間の独立性を仄めかしています。