Tough Boy-World of cap_hiro(Subtitle:sense of wonder)

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2021年10月24日
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カテゴリ: 絶対存在論
神の存否-209
 現代物理科学のの最先端を走る量子重力理論といえども、充足の粋に達しているかといえば未だに課題を抱えています。宇宙の始まりに半古典的に量子論を適用したのが、かってのソ連ウクライナのハルキウ出身。25年にわたり現代宇宙論の分野で活動する理論物理学者であり、タフツ大学の宇宙学研究所の所長を務め、これまでに150以上の論文を執筆しているアレキサンダー・ビレンキン(Alexander Vilenkin/1949年5月13日 -)です。彼が提供した「無からの宇宙創生」という論文は今までの物理科学的な「無」概念を覆します。「無」がスピノザの云う宇宙=世界=実体を産み出すのであれば、神はその「無」であり、スピノザの云う宇宙=世界=実体としての神の公式は破綻します。然し乍ら、ビレンキンの「無」概念はそれとは些か異なります。ビレンケンはまず真空のエネルギーを持つ閉じたインフレーション宇宙を考えると、ポテンシャルエネルギーと膨張の運動エネルギーを合計した全エネルギーがゼロである条件から、宇宙はある大きさより小さくなれないド・ジッター宇宙であることを示しました。つまり、一(点)の「無」から始まる宇宙は量子論を考えない古典論ではもはや不条理で許されないのです。しかし、量子論的に考えればより小さな宇宙を考えることができ、宇宙の波動関数はホイーラー・ドウィット方程式に従います。宇宙の始まりは1点ですが量子論的には物理量の発散は無く、ポテンシャルエネルギーはゼロです。これをビレンケンは「無」の状態と呼んだのです。つまり宇宙はそこでは大きさを持ちませんが、宇宙の波動関数とポテンシャルが宇宙の発展を記述し、「無」の状態では宇宙の大きさはゼロ点振動によってゆらいでいます。そして「トンネル効果」によってポテンシャルの壁を通り抜け、あるときある大きさを持った実時間、実空間の宇宙が創生されます。ホーキングとハートルはそれをより厳密に取り扱い、虚数の時間と実数の時間を解析的に接続したリーマン面を考え、その上で宇宙がゆらいでいるとしました。するとそこには「時間の果て」は無くなるので、「無境界仮説」と呼ばれます。此れは、泡ぶくのような我々の宇宙とはかかわりの無い無数のほかの宇宙が存在することを示唆しています。はたして此れがスピノザの云う宇宙=世界=実体としての神の公式にどう嵌るのかは「エチカ」を尚、読み解く必要がありそうです。



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最終更新日  2021年10月24日 06時24分17秒
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