Tough Boy-World of cap_hiro(Subtitle:sense of wonder)

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2022年04月19日
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カテゴリ: 絶対存在論
神の存否-384
 第四部 人間の隷属あるいは感情の力について
   定 義
 一 善とは、それが我々に有益であることを我々が確知するもの、と解する。
 二 これに反して、悪とは、我々がある善を所有するのに妨げとなることを我々が確知するもの、と解する。
 この二つについては前の序言の終り(抜粋:善とは我々が我々の形成する人間本性の型にますます近づく手段になることを我々が確知するものであると解するであろう。これに反して、悪とは我々がその型に一致するようになるのに妨げとなることを我々が確知するものであると解する)を見よ。
 三 我々が単に個物の本質のみに注意する場合に、その存在を必然的に定立しあるいはその存在を必然的に排除する何ものをも発見しない限り、私はその個物を偶然的と呼ぶ。
 四 その個物が産出されなければならぬ原因に我々が注意する場合に、その原因がそれを産出するように決定されているか否かを我々が知らぬ限り、私はその同じ個物を可能的と呼ぶ。
 第一部定理三三の備考一(抜粋:その本質が矛盾を含むことを我々が知らないような物、あるいはその物が何の矛盾も含まないことを我々がよく知っていてもその原因の秩序が我々に分からないためにその物の本質について何ごとも確実に主張しえないような物、そうした物は我々に必然であるとも不可能であるとも思われないので、したがってそうした物を我々は偶然とか可能とか呼ぶのである。)においては可能的と偶然的との間に何の差異も設けなかった。これはそこではこの二つを精密に区別する必要がなかったからである。
 五 相反する感情ということを、私は以下において、人間を異なった方向へ引きずる感情のことと解するであろう。これは共に愛の種類である美味欲と食欲のごとくたとえ同じ類に属するものであってもかまわない。この場合は本性上相反するのではなく偶然によって相反するのである。
 六 未来・現在・および過去の物に対する感情ということを私がどう解するかは第三部定理一八の備考一(抜粋:物を過去のものとか未来のものとか呼ぶのは、我々がその物によって刺激されたかあるいは刺激されるであろう限りにおいてである。)および同じく定理一八の備考二(我々は希望、恐怖、安堵、絶望、歓喜および落胆の何たるかを理解する。すなわち希望とは我々がその結果について疑っている未来または過去の物の表象像から生ずる不確かな喜びにほかならない。これに反して恐怖とは同様に疑わしい物の表象像から生ずる不確かな悲しみである。さらにもしこれらの感情から疑惑が除去されれば希望は安堵となり、恐怖は絶望となる。すなわちそれは我々が希望しまたは恐怖していた物の表象像から生ずる喜びまたは悲しみである。次に歓喜とは我々がその結果について疑っていた過去の物の表象像から生ずる喜びである。最後に落胆とは歓喜に対立する悲しみである。)において説明した。そこを見よ。
 しかしここになお注意しなければならぬことがある。それは我々は、時間的距離を、空間的距離の場合と同様、ある一定の限界までしか判然と表象しえないことである。すなわち、我々から二百フィート以上も離れているすべての対象、あるいはその距離が我々の判然と表象する距離以上に我々の居る場所から隔たっているすべての対象を、我々は我々から等しい距離で隔たりかつ同一の平面にあるかのように表象するのを常とするが、これと同様に、その出現の時間が我々の通常判然と表象する間隔よりもいっそう長い間隔で現在から隔たっていると表象されるすべての対象を、我々は現在から等しい時間的距離で隔たっているように表象し、これをいわば一時点に帰するのである。
 七 我々をしてあることをなさしめる目的なるものを私は衝動と解する。
 八 徳と能力とを同一のものと私は解する。言いかえれば(第三部定理七(おのおのの物が自己の有に固執しようと努める努力はその物の現実的本質にほかならない。)により、人間について言われる徳とは、人間が自己の本性の法則のみによって理解されるようなあることをなす能力を有する限りにおいて、人間の本質ないし本性そのもののことである。



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最終更新日  2022年04月19日 06時08分51秒
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