Tough Boy-World of cap_hiro(Subtitle:sense of wonder)

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2023年03月11日
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カテゴリ: 霊魂論
「神秘学概論」読解
45 :意識と無意識
 人間は睡眠と覚醒の外に、なおもう一つ第三の魂的な状態を獲得できたとき、高次の諸世界の認識に至る。睡眠時の深い眠りの中で、感覚の印象が遮断されている場合、それにもかかわらず魂が意識を保つようになれるだろうか。そのような場合、日中の体験の記憶は存在しない。一体、魂は無の中にいるだけで、どんな体験をも持ち得ないのだろうか.
この問いに答えるには、ひとつの状態を実際に作り出すことができなければならない。それは、感覚の働きやその働きの記憶が存在しないときにも、魂が何事かを体験することのできる状態、もしくはそれと似ている状態である。そのような場合の魂は、通常の外界に関しては睡眠時と同様の状態にあるが、しかし眠っていないで、覚醒時に現実の世界と向き合っているときのようであろう。(P311-312)
 「神秘学概論」の「高次の諸世界の認識」の章では、人の意識は通常は、起きているときの意識、眠っているときに夢を見ている意識、夢を見ないで眠っているときの意識、という3つの意識に区別できるが、夢を見ないで眠っているときの意識はまったく存在してないのだろうか。
 シュタイナーは、人間は肉体、エーテル体、アストラル体、自我で構成されていて、眠っているときには、アストラル体と自我が肉体とエーテル体から離れているという。死に際しては、エーテル体、アストラル体、自我が肉体から離れる。エーテル体は生命体でもあるので、まさに生命が離れていくのであると述べる。精神分析などで「無意識」といわれる意識の状態があるが、それはとても曖昧模糊として明快にはされていないし、そもそも意識というのが何なのかについても断言されてはいない、シュタイナーの意識についての説明は一応は精神科学的な世界観において一貫した形で位置づけられている。その「無意識」をとらえるために、超感覚的世界の認識を得る「行」が必要とされるという。「行」から神秘体験を得なければことなのだけれど、人間の肉体、エーテル体、アストラル体、自我で構成それ自体について理解できないというのではなく、「神秘学概論」の第十六版から第二十版までの序章にもあるように、「見霊能力がなくても、前提にとらわれぬ意識を持つ者にとって、見霊者の思考形式を通して表現された霊視内容は、完全に理解可能なのである。画家でない人が、画家の完成した作品を理解するのと同じように、理解できるのである。しかも霊界の理解は、芸術作品のように、芸術的、感情的な理解を必要とするのではなく、自然認識の場合と同じように、もっぱら思考の働きによってなされる。」。然し乍ら、それでも「神秘学の性格」の章にも述べられているように、「可視的な世界の背後には、隠された世界など存在しない」という人や、そういう世界を人間は認識できないという人もいてというか現代においてはそうした人であるや否やは夢想家とされよう。仏教などでは世界はマーヤ(幻)であるとかいわれるのだが、それがなぜそうなのかということ21世紀のIT時代の現代は我々の信じる実世界が仮想か実相かさえ疑う物理科学理論さえ生まれる今日、ただのナンセンス(nonsense)ではなくなっている。おそらく世界がマーヤなのであるというよりも、世界をとらえようとする意識がマーヤであるがゆえに、世界がマーヤとして立ち現われてくるということなのだろう。荘子は人が蝶になった夢を見ているのか、むしろ蝶が人になった夢を見ているのかわからないいう魅力的な寓話を残しているが、この意識というのはそれそのものが神秘そのものである。
 シュタイナーの意識についての説明は現在の覚醒意識を絶対化するものではもちろんなく、無意識を神秘めかして説明するものでももちろんない。意識する主体のありかたを問い直し変容を促すことによって、みずからが世界をより確かに生きたかたちで認識できるよう方向づけるものとなっている。



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最終更新日  2023年03月11日 06時16分34秒
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