Tough Boy-World of cap_hiro(Subtitle:sense of wonder)

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2023年03月12日
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カテゴリ: 霊魂論
「神秘学概論」読解
46 :霊的修行の前提
 本書の意味での超感覚的な認識のための修行にとって大切なのは、当然生じるべきいくつかの誤解を予め(あらかじめ)解いておくことである。そのような誤解の一つは、修行が人生を別のものにしてしまうと思うことである。しかし行(ぎょう)は、一般的な生き方の指針を与えようとするのではなく、それを実行すれば、超感覚的なものを観察する可能性を与えてくれるような、魂のいとなみについて語ろうとする。超感覚的なものの観察に関係のないような生活のいとなみに対して、この修行はどんな直接的な影響も及ぼさない。人はこれまでの人生の営みに加えて、超感覚的な観察力を身につける。この観察活動は、ちょうど目覚めと眠りの状態のように、人生の通常の営みから区別される。決して一方が他方を妨げはしない。第二の誤解は、超感覚的な認識へ導く魂の在りようは、身体の組織変化を問題にしていると思い込むときに生じる。そのような魂のありようは、生理学その他の自然認識の問題とは全く以て何の関係をも持っていない。それは健全な思考や知覚そのものと同様に、一切の物質的な在りようからまったく離れた、純粋に霊的、魂的な経過なのである。このいとなみによって生じる魂の有り様(よう)は、健全な表象や判断によって生じるものとまったく変わりはない。健全な思考が身体と関係しているのと同じ程度に、超感覚的な認識のための真の修行の諸経過は、身体と関係しているのである。そうでない仕方で人間に関わっているすべては、真の霊的修行ではなく、修行の誇張や歪曲の表象にすぎない。(P318-319)
 シュタイナーの示唆している修行は、基本的に現代人にとってだれにでも適用できる方法であって、それによって「出家」することが求められたり、超越的なパワーを身につけようとしたりするのではなく、将亦、そのために山にこもったり水にもぐったりするような超人養成的な修行とはまったく異なっている。あくまでも物質世界を対象とした通常の認識の射程範囲に「加えて」、そこから離れた「霊的、魂的な経過」によって育成される能力があるということなのである。然し乍ら、プラトンは数学の基礎を学んでない者はその自ら創立したアカデメイアへの入学が許さなかったように神秘学を学ぼうとすれば、思考の訓練は少なくとも必要になる。シュタイナーは著「神智学と心理学」のなかで、プラトンが要求した条件というのは、数学を学ばなければならないというのではなく、「人間には数学を学ぶことが可能である」ということを理解していることが重要なのだと述べている。
 思考の訓練をしない者、自己観察をなしとげることのできない者には、たんなる観察だけではもっとも簡単な数学の定理さえ得られないということがわかりません。自然のなかにはほんとうの円、ほんとうの直線、ほんとうの楕円はどこにも存在しません。そして、内面から得られた世界を、わたしたちは外界に適用するのです。この事実をじっくり考えることなしには、心魂の本質をほんとうに観照することはできません。(P20)
 シュタイナーの示唆している「高次の諸世界の認識」のための修行も、そのように「人間には数学を学ぶことが可能である」ということを理解するということがその出発点にあると思われる。



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最終更新日  2023年03月12日 06時10分05秒
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