Tough Boy-World of cap_hiro(Subtitle:sense of wonder)

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2023年09月14日
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カテゴリ: 霊魂論
「霊的世界の入口/DIE SCHWELLE DER GEISTIGEN WELT」
1:人が思考に対して持ち得る信頼、及び瞑想により思考する魂の本質
 人間の思考は、目覚めた日常意識にとって、印象、感情、感覚等の中で進行する魂的生活の流れのただ中にあるひとつの島のようなものである。人は印象や感情を理解したとき、言い換えれば、それらに照明を当てる思考を把握したとき、それらの印象や感情をある程度完遂したことになる。魂の船が思考という島に漕ぎ着けたとき、自我は情動や熱情の嵐の中にあっても、何らかの平安を得ることができるのである。魂は本来、思考に対する信頼を有している。もし、この信頼がなければ、人生におけるあらゆる確かさが失われるに違いないと感じているのである。思考に対する疑いが生じたとき、魂の健全な生活は終わりを告げる。何らかのことに関して、思考における明晰さの中に入っていくことができない場合でも、ただ思考の十分な力と鋭利さをかき集めることができれば、明晰さは自ずと生じる筈だという慰めを持つことはできるに違いない。何かを思考によって明晰さへともたらすことができないという自分の無力さに対しては落ち着いていられるとしても、ある特別な生活状況により、十全たる光に到達することが不可欠な領域に追い込まれている場合、思考そのものが満足をもたらすことはないだろうと考えることに人は耐えられない。思考に対するこの魂の気分は認識へと向かう人類のあらゆる努力の根底に横たわっている。その気分は特定の魂的状態によって弱められる可能性がある。魂の暗い感情の中では、それはいつでも検出可能な状態にある。思考の有効性と力そのものに疑いを抱くような考え方はその魂の基本的な気分を見誤っている。というのも、ある種の過剰を通して、疑いと謎を彼にもたらしているのは、やはり多くの場合、そもそも彼の思考の鋭さだからである。思考を本当には信頼できないのであれば、やはり単に思考の結果であるところの疑いと謎が根絶されることはない。思考に関連してここで示唆された感情を自分の中で発展させる者は、単に自分の中で人間の魂的力として構築するものだけを思考の中に感知するのではなく、彼や彼の魂に全く依存せず、それ自身の内にひとつの世界実質を担っているような何かをもその中に感知する。人が何らかのものの中で生きようとするのであれば、それに向けて努力しなければならない世界実質とは、彼に属していると同時に、彼には依存しない世界にも属している のである。思考生活に専念できるということには、何か深い平安がある。魂はそのような生活の中で自分自身から解き放たれると感じる。とはいえ、魂はそれと同時に、正反対のもの、すなわち、完全に「自分自身の内に居られる」という感情を必要としている。魂の健全な生活に不可欠な振り子のリズムは双方の感情の中に横たわっているのである。基本的には、睡眠と覚醒はこのリズムの究極の現れに過ぎない。覚醒時には、魂は自分自身の内にあり、それ自身の生を生きている。睡眠時には、一般的な世界体験の中へと自らを解消し、またある意味では自分自身から解放されるのである。魂の振り子の両方向への振れは内的な体験の様々に異なる状態によって表現される。そして、魂にとって、感情、感覚、情動などが「自分自身の内にあること」であるのと同様、思考の中に生きることは自分自身から解放されることでもある。そのように見るならば、思考が魂に提供するのは、世界から疎外されているという感情に対抗するために必要な慰めである。人が「次から次へと走り去る一般的な世界事象の流れの中で、私にとってしか意味をなさない私の感情、私の望みや意志を持つ私とは何者なのかと感じるのは当然のことである。人が思考の中での生を正しく感じ取るやいなや、そのような感情に対して、人は「これらの世界事象に関連する思考はお前をお前の魂とともに受け入れる。お前がその事象の本質を思考によってお前の中に流れ込ませるとき、お前はその事象の中に生きる。」という別の感情を対置する。そのとき、人は世界によって受けとめられ、その中で自らが正当化されていると感じることができる。そのとき、この魂の気分から、魂にとってのひとつの力づけが生じるが、魂はそれをあたかも世界の力そのものから賢明なる法則に従って送り届けられたもののように感じるのである。この感情から、「単に私が考えているのではなく、世界の生成が私で考え、私の中で自らを打ち明けているのだ、私は単に世界がそこで思考として生きていくための舞台を提供しているに過ぎない。」と魂に言わせる段階まではもうそれほど遠くはない。この感情はあれこれの哲学によって拒絶される。「人間の魂の中での世界の自己思考」という今述べた考え方を全くの間違いであるとすることは、様々な根拠に基づいて、一見完全に説得力があるものとされ得るのである。それに対して、このような考え方は、内的な体験を通して、苦労して獲得されるようなものであるということが理解されなければならない。そのようにしてそれを手に入れた者にしてはじめて、その有効性を完全に理解し、いかなる「反証」もその有効性を揺るがすことはできないということを知るのである。それを自分で手に入れた者は、幾多の「反証」や「証拠」にどれ程の価値があるのかを直ちに全く明確に理解する。それらの内容の証明力についてまだ間違った表象を有する可能性がある限り、それらはしばしば実に的確なもののように見える。そのとき、そのような「証拠」をそれ自体で権威あるものと見なす人達と了解し合うのは困難である。これらの人達は、まだ自分の中で内的な努力をしていないので、間違って、恐らく愚かにも彼らに生じるものの承認へと彼をもたらした他の人達を誤って信じることになるのである。自ら精神科学への道を志す人にとって、ここで示した正に思考についての瞑想のように、瞑想することが有効である。そのような人にとってやはり問題となるのは、彼の魂を精神的な世界への扉を開く状態にもたらすかどうかである。もし、魂が自分の中に入り込もうとしている霊的な事実あるいはその告知に何も注意を払わないのであれば、この扉は最も鋭敏な思考、最も完成された科学性にも閉じられたままに留まる。
 「私は自分が宇宙事象の流れとひとつになって思考するのを感じる」という魂の気分の中にいかなる力づけが横たわっているかを繰り返し感じ取るならば、霊的な認識の把握にとって良い準備となり得る。その場合、これらの思考に値する抽象的な理解が問題なのではなく、そのような思考が内面生活を通して力強く流れ、魂的な生活の中に霊的な生命の風のように広がるときに体験するような、賦活する働きをその魂の中に感じることの方が遥かに重要である。そのような思考の中に横たわっているものの理解だけではなく、それを体験することが重要なのである。十全たる信じる力をもってそれが魂の中に現存するとき、はじめてそれは理解される。霊的な世界、及びその存在や事象を理解するための機が熟すべきであるとすれば、それが理解された後も、それは魂の中で何度でも活性化させられなければならない。魂はそれ以外の思考、感情、記憶等々を排除することで、それだけを魂の中に存在させながら、繰り返し完全にそれで自らを満たさなければならない。そのように、ひとつの透徹した考えに繰り返し自己集中することで、日常生活においてはある程度分散している力が魂の中に結集する。魂は自分自身の中で自分を強めるのである。この結集された力が霊的な世界とその真理のための知覚器官となる。
 上で示唆されたことによって、正しい瞑想のプロセスを知ることができる。まず、日常的な生活や意識が提供する手段によって洞察可能なひとつの考えにできるだけ集中する。次に、この考えの中に何度も沈潜しつつ、それと完全にひとつになる。そのようにして理解された考えとともに生きることによって魂は強化されるのである。ここでは思考の本質そのものから取り上げられた考えが例として選ばれたが、それはそれが瞑想にとって特別に実り多いものだからである。とはいえ、瞑想に関連してここで述べられたことは、先に説明したやり方で獲得されるそれぞれの考えについても有効である。
 上で示唆した魂的生活における振り子のリズムから生じる魂の気分を知っていることで、それは瞑想にとって非常に実り多いものとなる。それによって最も確実に、瞑想の中で霊的な世界に直接触れられたという感情に至るのである。そして、この感情は健全な瞑想によるひとつの成果である。この感情は覚醒時におけるその他すべての日常生活の内容へとその力を及ぼす。それは必ずしもその瞑想の気分の直接的な印象のようなものがいつもそこにあるということではなく、その瞑想体験によって人生全体に活力が漲(みなぎ)ると言い得るような仕方でその力を及ぼすのである。もし、その瞑想の気分が常に存在する印象のように日常生活を通して流れていくならば、この生活の天真爛漫さを乱すような何かをその上に浴びせることになる。そうなると、その気分は、正に瞑想時において、十分に強く、そして、十分に純粋であることができなくなる。瞑想が正しく結実するのは、正にその気分とともに他の生活部分から突出することによってである。瞑想は、何か特別なもの、高められたものと感じられるとき、その他の生活部分に対しても、最も良く働きかけるのである。



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最終更新日  2023年09月14日 06時10分08秒
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