Tough Boy-World of cap_hiro(Subtitle:sense of wonder)

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2024年08月04日
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カテゴリ: 霊魂論


ルドルフ・シュタイナー
「精神科学と医学」(GA312) 第一講(本文・解説付) 第6回
第1講・第6回
 今日医学に携わる者にとって、病気とはいったい如何なるプロセスかという疑問は必然的な疑問として提示されて然るべきであるにもかかわらず、病気とは、人間の生体組織のいわゆる正常な状態からネガティブに逸脱している状態であると指摘されるだけが現状なのです。そこには、人間の本質をしっかり認識しようとする姿勢が欠けています。そういう認識が欠けているこそそのものが、現代の医学的見解全体が病んでいるということを示しているのだといえそうです。さて、次のようなことに注意してくださるようお願いいたします。私は、今日医学に携わっている人は必然的に、そもそも病気とはいったいいかなるプロセスなのかという疑問を提示せざるをえないということに皆さんの注意を向けることから出発いたしました。病気は、人間の生体組織のいわゆる正常な状態からいったいどのように区別されるのでしょうか。と申しますのも、このような逸脱に関するポジティブな観念をもってのみ活動もできるというものなのに、公認の科学において通常見出され、与えられる表現は結局ネガティブなものでしかないからです。もっぱらこのような逸脱があると指摘されるだけなのです。それから、この逸脱をいかにして取り除けるかが試されます。けれども人間の本質に関する透徹した見解はそもそもそこにはないのです。人間の本性に関するこういう透徹した見解が欠けているということにおいて、根本的に、私たちの医学的見解全体が病んでいるのです。外的な自然のプロセスを正常と看做し、病気のプロセスを異常であると看做すのは、いったい何故なのでしょうか。その正常・異常というとらえ方について、それを絶対化することによって、病気のプロセスそのものが見えなくなってしまうということに注目する必要があります。そうした、正常・異常は、ある意味では言葉遊びに過ぎない部分があるのです。いったい病気のプロセスとは何なのでしょうか。やはり皆さんは、それは自然のプロセスであると言わざるをえないでしょう。外部で進行していてその結果を追求できる何らかの自然のプロセスと、病気のプロセスとの間に、すぐさま抽象的な区別を立てることはできないのですから。自然のプロセス、皆さんはこれを正常と称し、病気のプロセスを異常と称します。その際、人間の生体組織におけるこの病気のプロセスがなぜ異常なものなのかについては注意しておられません。少なくともこのプロセスがなぜ異常なのか説明できなくては、実際のところ実践に移ることはできないのです。説明できてはじめて、このプロセスをいかにして終結させることができるかを探究していけるのです。そうすることによってはじめて、このような病気のプロセスを取り除くことは、宇宙に存在するもののどの一隅から可能なのかという問題に行き着くことができるからです。つまるところ異常とみなすこと自体が妨げになるのです。いったいなぜ、人間における相当数のプロセスが異常とみなされねばならないのでしょうか。私が指を切ったとしても、それは人間にとって単に相対的に異常であるだけなのです。私が自分の指を切るのではなく、一片の木材を何らかの形に切るとしたら、これは正常なプロセスといえるからです。自分の指を切ると、これを異常なプロセスと呼ぶわけです。おわかりでしょうか、自分の指を切るのとは違うプロセスの方を追求するのに慣れているということによっては、実際何も語られはしないのです。単なる言葉遊びが世に広まっているにすぎません。なぜなら、私が自分の指を切る時に起こっていることは、ある側面からすれば、その経過においては他の何らかの自然のプロセスと全く同様に正常なものと言えるからです。ですから、病気のプロセスを異常だというふうにとらえるのではなく、プロセスとしては正常であるけれども、特定の原因によって生じたに違いないプロセスと、通常健康であるとしている日常的なプロセスとの差異を見ていく必要があるのだといえます。この決定的な差異を見出すことこそが重要課題です。この導入部としての第1章では、その差異を見出すための観察方法についての最初の基礎が示され、次章からそれが個別的に話されていくことになります。さて、次のようなことに行き着くのが課題です。つまり、私たちが病気のプロセスと呼んではいるけれども、根本においては全く正常なプロセスであり、ただ、特定の原因によって引き起こされたにちがいないプロセスと、私たちが通常健康なプロセスとみなしている日常的なプロセス、人間の生体組織におけるこの二つのプロセスの間にどのような差異があるのかということです。この決定的な差異が見出されねばなりません。この差異は、真に人間の本質へと導く観察方法に立ち入ることができなければ、見出すことはできないでしょう。この導入部において私は皆さんにそのための少なくとも最初の基礎を示しておきたいと思います。その後あらためて個別的に詳しくお話していくつもりです。
参照画:指を切ると枝を切る



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最終更新日  2024年08月04日 06時13分24秒
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