Tough Boy-World of cap_hiro(Subtitle:sense of wonder)

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2024年09月10日
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カテゴリ: 霊魂論
ルドルフ・シュタイナー
「精神科学と医学」第五講 本文・解説 1920年 3月25日 ドルナハ
第五講●解説 ■テーマ1.患者に対するときに根本的にまず知っておかなくてはならないこと、目の前にいる人間の全体像を認識することの重要性
 医療科学のみならず人間が対象を治療するにあたっては、医科学全般における認識と患者の全体像を認識することが重要です。それは「生の最も重要な契機にまで至るべきもの」です。そのひとつが、「患者の年齢」について正確に知っておくということです。治療は、患者の年齢に左右されることがかなりあるからです。今回の考察において、病理学が治療のなかに浸透し、両者の間に橋が架けられるべきあの特殊な領域へと、私たちがますます肉薄していくことにより、いわば治療処置にとっての一種の理想として示すことは可能でもそのままでは至る処で活用することはできないありとあらゆる事柄に言及することが必要となってきます。とは云え、やはり、患者を治療するにあたって考慮されるべき汎ゆることを概観しようとすれば、個々の場合から彼是(あれこれ)のことを引き出すことができるでしょうし、少なくとも、断片的な診断結果からでも病気についていかに評価すればよいかを知ることができるでしょう。とりわけ不可欠なのは、きわめて特殊な場合であっても、治療処置にとっては、目の前にいる人間の全体像を認識するということがいかに重要であるかということに目を向けることです。この人間の全体像の認識は、本来常に生の最も重要な契機にまで至るべきものなのです。医療関係のかたがたが私を信頼してくださって、あれこれお話ししたこともあるのですが、そういうときしばしば驚かされたのは、たとえば私がちょっと話した後すぐに、その患者さんはいったい何歳ですか、とたずねると、その人はそれについて正しい情報を与えることができなかったこと、すなわち、当の患者が何歳なのか説明できなかったことです。これは明日以降見ていくことですが、患者の年齢についてかなり正確に知っておくということは、最も本質的なことのひとつなのです。何故なら、治療はかなりの程度患者の年齢に左右されるからです。そして一昨日ここである種の事柄について、それがある場合には非常に良く効き、別の場合には効き目がないという例が引合に出されましたが(☆1)、当の患者の年齢はこの効き目がないこととどう関係しているのかという問いは、こういう発言にきわめて近いところにあります。年齢というものの作用の仕方については、これは治療するにあたって何にも増して厳密に取りあげられねばならないことなのです。さらに、患者の「体格」を常に正確に見定めておく必要があります。それは、人間のエーテル体の状態について看取(かんしゅ)しなければならないからです。「エーテル体の作用の強度」が、体格から判定できるのです。患者が若いときにゆっくり成長したか、はやく成長したかということなども、物質体に対するエーテル体の関係を示しているので、そうしたことについて知っておくのも重要です。さらに重要なのは次のようなことです。当の患者がそもそもどのような体格であるのか、つまり背が低くてずんぐりしているのか、それとも背が高くてひょろっとしているのか、ということを常に正確に見定めておく必要があるのです。すでにこの、背が低くてずんぐりしていることと背が高くてひょろっとしていることから推定して、私たちが人間におけるエーテル体と呼んでいるものがどのような力を持っているのかを見て取ることが大きな意味を持っているのです。これはやむをえないことなのですが、これについては私もいろいろと考え込んだのです、皆さんはおそらくこういう、人間の実在の一部をともかくも表している表現、エーテル体云々といった表現を用いることはまったくお望みではないでしょう。こういう表現を人智学者ではない人々にとっても多少好もしい表現によって言い換えることも可能かと思いますが、それができるのは最後になってからかもしれません。今のところは、いっそう理解を深めるために、やはりこういう表現を用いることが必要であるという立場を堅持しておこうと思います。さてこのエーテル体の作用の強度と申しますか、そういうものは、当の人物がどのような体格であるかということから判定できるのです。けれども、できる限り問い合わせて確認しておくべきは、先に申しましたように、私としてはすべてを引合に出したいのですが、端的にデータを得られないため、すべてを考慮することは常に可能であるとは限りません。けれどもあらゆることについて知るということは良いことです。とりわけ、当の患者が若いときにゆっくり成長したか、速く成長したか、すなわち、長い間小さいままだったか、比較的幼い時期にもう背丈が伸びてしまってその後は成長が遅れたかどうかということです。こういう事柄はすべて、物質体に対する、エーテル体すなわち人間の機能的な発現の関係と私たちが呼ぶことのできるものを示しています。そしてこれは、人間とその薬との関係を知ろうとすれば、考慮されねばならないことなのです。さらに、「物質体とエーテル体」が「アストラル体と自我」とどのような関係を持っているのかを認識することが必要です。そのために、たとえば、夢をよく見るかどうかといった質問が必要な場合もあります。夢をよく見るというのは、アストラル体と自我が、物質体にそれほど入り込んでいないということを示しているからです。患者が活動的で勤勉か、それとも怠惰な傾向があるのかも重要です。活動的で勤勉である人は、アストラル体と自我から物質体とエーテル体へと活動力を実際に導いていく能力が高いのですが、怠惰な傾向がある人は、アストラル体と自我が非常に内的な活動をしていて、それが意識されていないということを示していて、いわば「眠っている」のです。患者が近視であるか遠視であるかということを確認する必要もあります。近視の人は、自我とアストラル体が物質体に対して抑制されていて、霊的・魂的なものが、肉体的・物質的なものに介入しようとしていないということを示しています。さらに必要なのは、物質体とエーテル体の、人間の本性のより高次の構成要素との関係、すなわち私たちがアストラル体と呼ぶ、本来魂的なものと、私たちが自我(Ich)と呼ぶ本来霊的なものとの関係を認識することです。これを患者から見て取ることが必要なのです。ですからたとえば、夢をよく見るかあまり見ないかといった質問をその患者にすることもやむを得ません。ある患者が夢をよく見るのなら、それは彼の構成全体にとって非常に重要なことです。なぜならそれは、アストラル体と自我が、それ自身の活動を展開する傾向を持っていること、つまり物質体にはそれほど入り込まずそれほど密接に関わっていないこと、そのため本来の人間的・魂的な形成力が人間の器官組織のなかに流れ込んでいないことを明示するものだからです。さらに確認しておくべきことは、あまり愉快でないことかもしれませんが、当の人物が活動的で勤勉なのか、それとも怠惰な傾向があるのかということです。と申しますのも、怠惰な傾向のある人は、アストラル体と自我においては非常に内的な活動性を有しているからです。理屈に合わないように思われるかもしれませんが、この活動性は意識されておらず、無意識のものなのです。この活動性が意識されていないために、当の人物は、意識においてはどうしても勤勉ではなく、大体において怠惰なのです。なぜならば、私がここで怠惰の反対物と見なしているものは、その人の高次の人間をもって低次の人間に介入していくことのできる有機的能力、つまり、その人のアストラル体と自我から、物質体とエーテル体へと、活動力を実際に導いていく能力のことだからです。そして怠惰な人の場合、この能力が非常に少ないのです。怠惰な人とは本来、精神科学的に見れば、眠っている人なのです。続いて確認しておくべきことは、当の患者が近視であるか遠視であるかということです。近視の人というのは、いずれにせよその自我とアストラル体が物質体に対してある種抑制されています。近視というのはまさしく、その人の霊的・魂的なものが、肉体的・物質的なものに介入しようとしていないということの、最も重要な徴候のひとつなのです。さらに、人間の健康の指標を、歯の状態から見て取ることも重要な拠り所になる可能性があります。歯科医が治療処置の度に記録したものを、人間の生体組織全体を判定するのに使うということです。さらに、将来実施できる可能性があり、病気の治療処置にとってきわめて重要と思われることを指摘しておきたいと思います。私が思いますに、これは社会的な感情がもっと個々の職分にも浸透していけば、何らかの実践的な意味を獲得できることなのです。これはつまり、歯科医が、歯の組織や消化組織、およびそれに関連するすべてのことに関する知識を、次のようなやりかたで利用しつくすとすれば、きわめて意味のあることだろうということです。勿論そのために当の患者を味方にしなければなりませんが、これは今申しましたように、いくらか社会的感情があれば達成できるかもしれません。すなわち歯科医が治療処置のたびに、いわば一種の概略図を患者に渡すことによってその知識を活用できれば良いのです。その概略図には、歯の成長に関するすべての活動をどう診断したか、早い時期に齲歯(うし/Zahnkaries 齲触症、齲歯、虫歯)への傾向があるかどうか、比較的高年齢まで歯が良く維持されているかどうかといったことを記録するわけです。これは、明日以降見ていきますように、人間の生体組織全体を判定するのにきわめて意味のあることです。そして個々の病気の症例を治療処置していくべき医師が、こういう指標、言うなれば人間の健康の指標を、歯の状態から見て取るようになれば、これは医師にとってきわめて重要な拠り所となるでしょう。患者の「身体的な共感と反感」、とくに、塩分をむやみに欲するかあるいは他のものを欲しがるかどうか、どのような食品を特に欲するかどうか、さらには、体を機械的に運動させるときに眩暈の発作を起こしやすいかどうかということを知っておくことが重要です。塩分を欲する人は、自我とアストラル体が物質体、エーテル体と強く結びついていることを示しているのだといえます。常に調べておかなければならないのは、人間の腺の活動全体について、つまり分泌の障害についてです。分泌の障害がある場合、自我およびアストラル体と、エーテル体および物質体との結合にも障害があるといえるのです。さらには、患者の、こう言ってよろしければ身体的な共感と反感についても知っておくことがとても重要でしょう。とりわけ重要なのは、治療されるべき人が、たとえば塩分を無闇矢鱈に欲するかあるいは他のものを欲しがるかどうか、確認しておくことです。当の人物がどのような食品を特に欲するか、聞き出しておかなければならないでしょう。その人が塩性のもの全般を欲するならば、その人にあっては、自我とアストラル体が物質体、エーテル体と強く結びついていること、いわば霊的・魂的なものと物質的・肉体的なものとがきわめて強い親和性を示していることがわかります。同様に、このような強い親和性を裏書きするものは、外的な機械的経過、たとえば体を急速に回転させるといったことによって引き起こされる、眩暈の発作です。つまりその人が、体を機械的に運動させるときに眩暈の発作を起こしやすいかどうかを確認しておかねばならないのです。そしてさらに常に調べておくべきことは、たぶん一般的にかなりよく知られたことですが、分泌の障害、すなわち人間の腺の活動全体についてです。なぜなら、分泌障害があるところには常に、自我およびアストラル体と、エーテル体および物質体との結合にも障害があるからです。ここでは、患者に対するときに知っておかなければならない典型的なことがいくつか比較的具体的に示されていました。その視点は、患者のエーテル体の働きについて知るということであり、また、霊的・魂的なものと物質的・肉体的なものとの関係、つまりアストラル体と自我がエーテル体と肉体とどのような関係をもっているかを知るということです。そのことによって、治療しようとする患者がどのような性質を持っているかを洞察することができ、そうすることで、どういう薬を用いるかということも明らかになってくるわけです。以上、私は皆さんに、患者に対するときに根本的にまずもって知っておかなくてはならないことをひとつひとつ挙げて参りました。個別的に取り出されはしたのですが、当の事柄が身体の構成そのものに関わっている限り、これらのことがどういう方向に向かっているのか、皆さんにはおわかりだろうと思います。生活習慣、つまりは衛生的な空気を呼吸しているのか、不衛生な空気を呼吸しているのかといった可能性等を、聞き出しておくべきであるといったことについても、だんだんとお話ししていこうと思います。これは個々の問題を議論するときにもっと考察できるでしょう。さてこのようにして、治療すべき患者がどのような性質を有しているのかについて、まずは一種の洞察を得ることができるでしょう。なぜなら、何らかの薬をどのように混合すべきかを個別的に確実にすることは、おそらくこういうことを知っているときにのみ可能だからです。
参考図:physical assessment



記:フィジカルアセスメントには、視診(inspection)、触診(palpation)、打診(percussion)、聴診(auscultation)などの方法があります。
   (第五講●解説 ■テーマ1、患者の全体像を認識する必要性-了)

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最終更新日  2024年09月10日 09時01分08秒
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