U.R.E NET -type Y-

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「MY WAY」--AIR

「MY WAY」--AIR

2002/10/17発売--東芝EMI--TOCT-24869
オリコン--最高 13 位--登場回数 3

①Happy Birthday To Shining Star 
②Funk Core
③In The Sky
④Good To See You
⑤My Favorite Things
⑥Symphony(Classic ver.) 
⑦運命はいくつもある(Swinging ver.)
⑧One Love
⑨凪
⑩泡沫の虹
⑪Last Dance 




才人-。
その言葉が一番似合うのは車谷浩司=AIRだと思う。
そんなAIRの代表作となるべきalbum、
彼のこれからの方向性を示したalbum、
そして彼のワンアンドオンリーを確立した最重要albumが、
この「MY WAY」だと思う。
AIRとしては5作目のFull album。
それまでの彼はその有り余る才能ゆえに、
"完全なる作品"として聴き手に与えていなかった。
どうしても才能や技術が先立ち、曲や演奏の完成度が追いつかなかった。
それがまた彼の魅力でもあったし、
より彼の才能を感じさせてくれた要因でもあるのだが・・。
この「MY WAY」は良い意味で力の抜けた、
それでいて彼の音楽性と才能を最大限引き出した
まさにAIRとして完全なる作品として世に出された初のCDだと思う。

流れるようなギター音で始まる①Happy Birthday To Shining Star。
この曲がもう「MY WAY」の全てを表している。
楽器はドラム・ベース・ギターのみで、恐らく4トラックしか使ってない。
後は車谷君の透き通るような声だけ。
シンプル・イズ・ベスト-。
曲によっては1つ、2つ、音を増やしてるものもあるが、
album全体を通してこの精神は貫かれている。
(同じ音楽人でもaccessとは正に真逆の世界)
その中でもこの①はJAZZYで、且つ最高にハマる曲である。
歌うこと。
弾くこと。
叩くこと。
この基本的な全てが気持ちよく、
JAZZの"演奏する素晴らしさ"という特徴を最高に惹きだしてる。
正直、日本でこれだけレベルの高い演奏をしてるBANDはあまりない。
(バックが素晴らしい方々なので・笑)
とにかく出だしからもう圧倒されてしまうのだ。
続く②もその部分は変わらずに、ロック色を強めたラップミクスチャー
に仕上げており、ファンキーでノリは最高。
しかし圧巻は③で訪れる。
気の抜けたギタメロで始まるこの曲は
出だしで期待を裏切られた思いにふけてしまうのだが
ベースが入り、ドラムが入り、口ずさむようなラップ調の歌が始まると、
最初のギタメロがなかなかどうして格好良い。
そのまま曲はラップ状態で延々と続く、、と思いきや、
突然視界が一気にパーっと開けるようなサビが訪れる。
そのサビは同じフレーズを車谷君の美しい声で何重にも重ねあげられていて
そう、まるで空高く飛んでいるような情景が、
否応なく脳内ビジョンに写しだされる。
この気持ちよさは、何物にも代え難い。
それとこの曲のギターソロもかっちょいいよね。かなりシブイ。
やっぱBAKUの時を思うとね上手くなったよなぁって思うよね(爆)
さて、次の④Good To See You。
ここから⑩までの間がこのALBUMの核心なんだろうね。
どの曲も全然違うけど、感じる空気は同じ香りがする。
AIRがこのALBUMで伝えたい事はこの間にあると思う。
その中でも特筆すべきなのが④と⑩の曲。
彼の才能とは独特な世界観を持つ詩と、
良質なメロディを生み出す部分だとぼくは思う。
その才能が一番煌めいているのがこの2曲。
「名曲」とは正にこの2曲の為にある。
少し寂しげなアコギのコード進行で始まる④は
車谷君いわく「みんな元気してた?」みたいな気持ちで書いた曲。
その言葉通り、懐かしい誰かと久しぶりに会って感動-、
という気持ちにさせてくれる。
それも涙が溢れるくらいの感動を。
聴いてると本当に泣けてきそうになる。
そしてぼくは思う。
(ひさしぶりだね、ありがとうAIR!)
さらに⑩泡沫の虹(うたかたのにじ)
これにはもう出だしの歌詞から心を打たれます。
その出だしの歌詞↓

 いつのことだろう 思い出してみる
 水たまりの中を わざわざ歩いた
 あの日 あの時 ずっと ずっと

なんてことない言葉かもしれないけど
これだけですっごく胸に染みるというか
実際にそんなことした記憶がないにもかかわらず
懐かしく感じさせるあたりはサスガ。
これだけでもヤラれてるのに
この後に続くサビメロディの美しさはなんなんでしょう?
それに儚げな車谷君の美しい声が加わるわけです。
もう止められません、溢れる涙を!
心は悲しみに溢れ、切なさに満ち、胸が苦しい。
そのまま曲が終わるまでずっとこんな気分になってしまいます。
そしてこのALBUMラストソング⑪Last Danceに続くわけですが、
⑩の胸が苦しい状態で終わった後の⑪が素晴らしく地よい!
出だしのギター音だけでほっとするこの曲の安心感と包容力は
一体なんなんでしょう?
あれだけ悲しかったのに・・なんでこんなに安心するの?
それは恐らくAIR=車谷君の包容力に溢れた大きな心なんでしょうね。
彼の考え方はすごい好きです。
抽象的なようでも言いたいことは話し方やフィーリングでわかります。
そんな彼は本当に大きな人だと思う。
その大きさがこの⑪に発揮されたとぼくは思うわけです。

と、長々と語ってしまいましたが、本当にこのALBUMは癒されます。
そして、深い・・。
今のMUSICに飽きてきた方は是非聴いてみてください!




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