夫はむちゃびるとお洗濯物


多分私が人生でであった人材の中でもっとも特異な人物であろう。
恋人時代(といっても1ヶ月くらいしかないが)くれた様々な「なんじゃこれ?」級のプレゼントをはじめ、結婚してからもおなかがよじれるくらい笑ってしまったり「なーんじゃーこーれーーーーーーーきゅいんきゅいんきゅいいいんん」と
叫びながら何かに変身してしまいたくなる様な事が一杯あった。

今でも思い出すことの一つに「洗濯物を干す」というのがある。

結婚当初フルタイムで外で働いていてしかも週末は出張などもおおく
「寝たきり奥さん」(←つまり夫は私が寝ているときしか見たことが無いという意味)と言われていた私だったので洗濯物を干すのもともすれば「夜中」になってしまったりしていた。

ある日ぽろっと「ああ、くたくたになって仕事から帰ってきて
夜真っ暗なベランダで洗濯物を干していると涙がでてくるくらい
つらいなー。手元もみえないし。めげるわー」といった・・・・。

ら、どうなったと思います?(急にきいてみたりする、だって私は
想像出来ない展開だったから)

ぽろっとこぼした一言は「もしできるならあなたもちょっと一緒にやってくれると
早く終わるし嬉しいな」程度の気持ちだったのだが翌日私ぽにおんは
ベランダをみてびっくり仰天はげちゃびーん。という状態になった
以下はそのときの会話である


ぽにおん「ななななななななに?この巨大なのは?」

夫はむちゃびる「え?君が昨日洗濯物を干すのがつらいっていってたから
少しでも楽になればいいなとおもってかってきた」

私「だっだだだだだから。これは何?」

夫はむちゃびる「(自信たっぷりに)夜でも昼間のようにあかるくなる合計
○○ワットの超強力業務用蛍光灯一式だよ。パチンコ屋さんの外回りとかに
ついているやつ。メーカーに行って卸でかってきた。これで夜お洗濯干すときも
悲しくないよね。(にっこり)」


そこによこたわっていたのは多分全長一メートル半くらいはある蛍光灯の長方形の
フードのなかに蛍光管が6本くらいついている巨大な電気。
しかもしっかりしたくさりが四方向につけられていてまさに「いまから
ベランダの天井につるします」という状態にしあげられたものだったのだ!!

いっておくがうちは瀟洒な一戸建ての素敵なお家なんかではなく
正真正銘ばりばり賃貸住宅、しかも七階である。

これだけの重量があるものをつけるためにドリルで天井にフックをねじりつける
わけにもいかなければ、太いくさりにつながれた巨大な蛍光灯が7階のベランダに
ぶらぶらしていたら危険きわまりない!!

即刻好意はうれしいが返品してきて欲しい・・・・・と何故だめなのかを
説明した。

夫はむちゃびるはマンションに住んだことのない男だったから
「そんなに上の方は風があったりするのか。しらなかったーーーー。
え?ベランダにはコンセントがない。そうだよな・・・・。」と
がくぜん。

私はちょっとお手伝いしてほしかったんだよー。ベランダが昼間のように
明るければいいなーと願ったんじゃないよーーーー。
し、しかしどこからきたのだろうこのすばらしい発想の転換。と
当時は彼のアイデアにこちらこそ愕然として蛍光灯の値段をきいて
さらに「ひょえーーーー」さらにさらに直接買って返品ができないものだったということがわかり二重に「ひょえーーーーーーーー」だった。

でも今になってみるとそれも良い想い出である。
ちなみにそのときの巨大蛍光灯セットは彼の実家の2階のベランダ、
お義父さんの「ゴルフパター練習エリア」を明るく照らし出すのに役だって
いるようだし、夫はむちゃびるも「わたしのぽろっいった一言はこういう意味だったんだよ」というのをすっかり理解して

「洗濯物を干すのには冬場必需品だ」といって通称宇宙服と我が家で呼ばれている
冬山登山用のダウンフルコートを着込んで何故か下は柄パン一丁で
よく洗濯物を「夜」干してくれている(笑)

ということで結局忙しい我が家である。


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