わんこでちゅ

12 ヤマダくん爆笑









俺は久々に大声で笑った。おっと、いけない、いけない、こんな変態ネタで笑っていては。カーク君の飼い主が無理に話題をあわせてくれているだけかもしれない。調子にのったらえらい目にあうからな。ここは、まず接客マニュアルその1.お茶とお菓子を出すべきだ。

俺は冷蔵庫をあさってみた。昨日のうちにきがつけばよかったのだが、なにも用意していなかった。ペットボトルのお茶と、もらいもののスイカがあったので、切って出した。

「せんせい、、、これって、、ぷぷっ!」

「あっ、しまったぁ、まずいですよね、スイカ、、。でも他のものがなにもなくて、、」

「いいです、せっかくのご好意ありがたくいただきます。くっくっくっ。」

「すいません、ぷぷっ」

俺とカーク君の飼い主は、くすくす笑いをしながら、スイカを食べはじめた。俺がスイカの種をぷっとはくと

「ぐふっ、くふふふっ。」

とカーク君の飼い主が笑う。俺も種をひとつぶはきだすたびに、おかしくてたまらなくなった。

「いやだっ、ぷぷぷっ。あははははははっ」

「あはははっ、ひとくちたべるたびに、笑えますね、どうしよう、あーーーーはははっ。ぷっ。あーーはは。ひーーーーっひひひっ。」

二人は延々、涙がでるくらい笑いつづけながら、スイカを食べた。すいかの種の数だけわらっていたので、だいぶ疲れてきたが、それでも笑いは止まらない。カーク君はいつまで何をわらっているのかと、様子をみにきた。ところがカーク君は口のわきに、先ほど俺がとばして下におとしたすいかの種をつけていた。

「いやだ、カークったら、もう私だめ、ひーーーーーっ。ひっひっひっ。」

「俺もだめです、ひーーーー、ぐははははっ。」









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