わんこでちゅ

19 ヤマダくん赤面










犬の映画を見て俺は久々に、リラックスして心から笑うことが出来た。はたときづいたが、俺は獣医にもなりたかったが、犬も飼いたかったのだ。そうだったんだ。そしてふと、昔はなればなれになり、その後すぐになくなってしまった愛犬のことを思い出した。俺は忙しさにおわれ、がむしゃらに仕事をこなしているうちに、忘れていたんだ、、、、色々なことを。

「いや~楽しい映画でしたね。」

「そうですね、なんかカークにそっくりのわんこがでてきたもので、おかしくて、おかしくて。」

食前酒に頬をほんのり染め、少し恥かしげにカーク君の飼い主は笑った。

「この前はわざわざ時間をとらせてすみませんでした。それにこの際、カーク君のお母さんには謝っておきたいことが色々ありまして、、。そのう、くまのぬいぐるみですりむけ事件(第一話参照)のときなぞは、ずいぶん無神経なことをしまして、、。」

「いやだ、事件ですか、、くすくす。仕方ないですよ。人間の病院だって同じようなもので、私も色々な目にあってますから、、。」

そういって話はじめたカーク君の飼い主の話は、これまた爆笑もので、アルコールも手伝って酸欠になるかと思うほど俺は笑った。








15
カーク王子



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