夕食はギリシャ料理だった。初めて食べた。店の名前はMy Big Fat Greek Restaurant…。どこかで聞いたことのあるような。映画のタイトルをもじってつけたのだろう。ラム肉と野菜をピタで包んだものとカッテージチーズのたくさんかかったサラダのセットを食べた。おいしいんだけどやっぱり量がやたらと多いし、肉が塩辛い。それに、サラダのドレッシングも味が濃すぎた。
さて、私たちが泊まったホテルはSedona Real INN & SUITESというリゾートホテルだ。しかも、300ドルを超える一番高い部屋にタダで泊ったのだ。それも2晩も。私にはよくわからないけど、ジェームスがタイム・シェアっていう特典を利用していたらしい。なんだ、それは?日本にもあるのだろうか、そんな特典が。そんな美しくて立派な部屋を、やつらアメリカ人3人は汚すは、散らかすは、汚いのなんの。使ったタオルはそこらじゅうに放り投げているし、ベッドのシーツもメチャメチャ。翌日、部屋の掃除に来た人は嫌だっただろうなぁ。
ところで、私はこの場で徹底的にジェームスが苦手になってしまった。まず、彼はフレンドリーで誰にでも話し掛ける。異常なくらい話し掛ける。欧米人って、初対面の人ともよく話すしすぐに打ち解ける。日本人の私にはちょっと苦手なところだ。このときも彼は通りすがる人たちと話をしていたけど、だいたい最初の会話は 「Where are you from?」 で始まる。これを聞かれたとき、ジェームスは 「僕らはトゥーソンからやってきた。仕事は不動産で、彼女(マンディ)は教師で彼女(マユ)は大学院生で…」 どうでもいいけど、全ての会話で私を除外している。別にコイツに知ったかぶって私を語って欲しくもない。見かねたマユが 「彼女は日本から来たのよ」 と言うものの、ジェームスは気がつかない。自分中心に地球の回っている人なのだ。