ハナちゃんといっしょ

ハナちゃんといっしょ

鹿児島ふらり旅



1日目
九州に住んでいながら、鹿児島を旅行したことは1回しかありません。1年間のニュージーランドでのワーホリから帰国し無職で暇人だった私は、金がないにも関わらずに鹿児島に行くことにしました。交通手段は鹿児島行きの高速バスです。バス停近くの叔母の家に車を駐車させてもらい、バスに乗り込みました。そこのバス停から休憩以外はノンストップで走ります。

朝9時前にバスに乗り込み、鹿児島市内に着いたのは2時半頃でした。驚いたのは鹿児島の町の大きさ。九州の南の県ってことで、田舎なんだろうな~なんて思っていたのですが、それはそれは大きな町でした。市内には路面電車も走っていました。私がバスを降りたのは終点でした。ここからフェリーに乗って、宿泊先のある桜島に向かいました。

最初、フェリーターミナルを間違えてしまいました。大きなターミナルで、奄美大島や沖縄行きの船なんかも出ているんです。桜島行きのフェリーは違う場所にあり、小さかったです。それでもフェリーには車が乗せられるし、24時間運航していました。

フェリーから見た桜島。
File7875.jpg

桜島は大隈半島と地続きで、島というよりは小さな半島です。でも、昔は本当に島だったんですね~。火山の噴火で溶岩が海に流れ出して地続きになったのだそうです。これは翌日訪れた博物館の展示で知りました。やっぱり自然の力ってすごいです。

すごい溶岩のあとです。
File7877.jpg

宿泊は毎度おなじみユースホステルでした。安いのに天然温泉付きでラッキー♪着いたのが3時を回っていたので、海岸線に沿って散歩をし、早速温泉へ入りました。お湯の色も茶褐色で、これは本物の温泉だ~!と喜んでお湯をかぶったのですが…熱い!半端な熱さじゃないんです。入ったら煮えてしまう…。結局、湯船にはつからず、お湯を洗面器に入れて水でうめながら温泉水をかぶるだけの入浴となりました。あとでホステルの方が
「熱かったでしょう~。うめるの忘れてました~。ごめんなさいね~」
なんて言っていましたけど…。遅いわ!

鹿児島に来て確かめたかったことがひとつありました。鹿児島に住んだことのある友人が、鹿児島では天気予報で火山灰注意報がいつも流れるって言ってたんです。その日の風向きで桜島から火山灰の降る地方を予報すると。そのニュースを見て、鹿児島の人は傘を持って歩くとか歩かないとか…。そういえば、歩いているといたるところに黒い砂があるんですね。阿蘇山が中規模以上の噴火を起こすと、私の住む地域でも火山灰が降ってくるので、それはすぐに火山灰であることがわかりました。

で、火山灰注意報ですが、本当に天気予報で流れていました。私は初めて見る予報にテレビに釘付け。時期によってどの地方に火山灰が降りやすいとかっていうのもあるみたいです。火山灰注意報なんて、鹿児島ならではですよね。私は鹿児島市に約3日間滞在しましたが、幸いにも火山灰には降られませんでした。あれは目が痛いんですよ~。ちなみに、うちのほうでは(鹿児島ではありませんよ)火山灰のことを方言で「よな」といいます。

しかし、8月下旬の鹿児島の夜は暑かったです。エアコンがかかっているのに、暑くて眠れませんでした。同じ九州でも、うちのほうはこの時期は夜は肌寒いのに。九州、せまそうで広いんだな~って実感しました。

2日目
鹿児島2日目は、鹿児島市内から路線バスに乗って知覧町へ向かいました。知覧で有名なものといえば知覧茶、武家屋敷、そして特攻隊の資料館があります。私はその特攻平和会館を見学するために知覧へ向かいました。

知覧へ向かうバスは田舎の普通の路線バスでした。観光客らしき人は乗っておらず、地元の方ばかりのよう。私の隣に座ったおじいさんは知人らしき人と話をしていましたが、その鹿児島弁での会話がまるで聞き取れません。やっと聞き取れた言葉は、バスが停車しないうちに立とうとして、運転手さんに注意されて
「はい、はい」
との返事だけでした。ある意味バイリンガルですね。

そして知覧に到着。地図を見るとバスの終点から特攻平和会館までちょっとした距離があります。タクシーは止まっているけどもったいないので歩くことにしました。8月の終わりとはいえども、日差しは強いし、帽子をかぶっていなかったので水分補給をしながらひたすら歩いていきました。平和記念会館までには、特攻隊員をレリーフにした石燈篭が道路の両脇に立っていました。

File7879.jpg

最後の坂を上ると平和記念会館です。記念会館、平和観音堂へ続く道は桜並木でした。夏だから葉桜だけど…。そして特攻平和記念会館へ。中へ入ると、ロビー正面には天女たちが特攻隊員の魂を衝天させようとしている大きな絵が飾られています。

ここで少し、特別攻撃隊とは…

『第2次世界大戦中、薩摩半島の知覧には陸軍の特攻基地がありました。昭和20年3月、最悪の戦局を迎えた軍部は、劣勢を挽回する策として特別攻撃隊を強化しました。その基地に選ばれたのが沖縄に最も近い本土最南端の飛行場がある知覧でした。

特攻隊員のほとんどは17歳から22歳ぐらいの若者たちでした。隊員たちはわずかの滞在で沖縄へと出撃していきました。飛行機の胴体に爆弾をつけ、片道だけの燃料で飛び立って敵の空母や戦闘機に体当たりしていきました。

知覧を飛び立って亡くなった隊員は436人でしたが、基地は万世、都城、台湾、熊本、鹿屋、太刀洗にもあり、総勢1035人の若者が特攻隊で命を落としたといいます。』
※参考:「知覧特別攻撃隊」 村永薫編

平和会館の中に入ると、隊員たちの遺品や遺書が展示されています。この展示場内にいる人たちは、ご年配の方が多く、みなさん涙を流していました。特に遺書は達筆で、20代前後の青年たちが書いたとは思えません。書きたいことも十分に書かれないご時世だったけど、親や家族を想う気持ちでいっぱいだったと思います。隊員たちの写真も展示されているのですが、その表情もすがすがしく笑顔のものもあって、とてもこれから死ににいく人の顔には思えませんでした。

ありきたりの感想しかかけませんが、何事も命あってのことだし、自ら命を絶つことを考えたり死にたいなんて思うことは、生きたくても生きられなかった人たちに申し訳ないなって思います。自分だけの命って考えがちですが、その命は親からいただいたものだし、命を粗末にしては親にも申し訳ないって思います。

特攻隊員の遺書の中に、
『俺が死んだら 何人泣くベ』
というものがありました。きっと、彼のご両親、親戚、友人たち、仲間、みんな泣いたにちがいありませんよね。

たくさんの方に見ていただきたい博物館です。私も鹿児島へ再び訪れることがあれば、また必ず行こうと思っています。

特攻銅像「とこしえに」。
File7882.jpg

3日目

鹿児島3日目は指宿方面を観光しました。鹿児島に着いたその日に、市内に住む友人夫婦に電話しました。突然の来訪にもかかわらず、3日目は奥様のほうが快く観光案内をしてくれました。お2人は以前私の地元に住んでいて、十数年前にご主人の転勤で鹿児島市に引っ越しました。私とは年の離れたお2人は兄と姉のような存在です。

朝、奥様のNさんが迎えに来てくれました。どこへ行きたいと聞かれても、鹿児島のことなんてほとんど知らなかった私、とりあえず指宿って答えました。指宿には九州でいちばん大きな湖の池田湖があります。

池田湖です。
File7891.jpg

ここはネス湖のネッシーならぬ、池田湖のイッシーという海獣が目撃されたという有名な湖です。湖沿いに石でできたイッシー(洒落ではないですよ)の像が立っていました。ただそれだけって感じの湖でした。あ、あとオオウナギが飼育されていました。これはでかくてまずそうだ~。果たして、数年たった今も存命でしょうか…。

そしてお昼。何が食べたいって聞かれたので、指宿の有名なものって答えました。うん、無難な答です。Nさんが言うには、指宿といえばお蕎麦なんだそうです。これは初耳でした。けっこうおいしかったって記憶があります。ここではNさんのご馳走になりました。

次に進んだ先は開聞岳山麓自然公園でした。開聞岳は薩摩半島の南端に位置する山で、標高は924m。なだらかな美しい山で、知覧を出発した特攻隊員たちは、この山を何度も振り返りながら沖縄へ飛び立って行ったといわれています。山麓自然公園は2合目にあり、車で登ることができます。

山麓自然公園からの眺め。海がきれいでした。
File7886.jpg

この公園内には天然記念物のトカラ馬が放し飼いにされています。小型の小さな馬で、大人しくてひたすら草をはみはみしていました。近寄っても人を怖がらなければ逃げもしませんでした。

かわいいでしょう♪
File7890.jpg

それから一路鹿児島市内へ戻りました。車に乗っていて思ったのですが、鹿児島は進学塾が多いです。当時自宅で塾を開業していたNさんが言うには、鹿児島には有名な地元企業が少なく、親は子どもを地元の国立大学に入れて、公務員や医者にさせたがっている人が多いとか。

市内に戻ってからは、鹿児島名物の「白熊」を食べに行きました。白熊を知らない人はいませんよね。白くてフルーツの入ったでっかいカキ氷です。これを食べるために鹿児島へ行ったと言っても過言じゃありません。

これですよ、これ!
File7895.jpg

白熊の元祖という某有名店に入り注文。それはそれは大きかったです。冷房がガンガン効いた真冬のような店内で食べる大きな白熊、まるで我慢大会のようでしたが完食しました!おいしかった…。

夜はご主人のYさんとも合流し、食事に行きました。Yさんにご馳走していただきました♪それも「さつま定食」。それは、黒豚の角煮、キビナゴの刺身、揚げたてのさつま揚げなどの鹿児島名物が並んだ、おいしい、おいしいお食事でした。最初の2日間は1人だったので適当に食べていたけど、3日目にして鹿児島名物を満喫できました。それも全ておごり…。

帰りのバスは夜の11時。時間までNさん&Yさん宅で過ごし、それからバス停まで送っていただきました。突然の来訪なのにありがたかったです。帰りの高速バスは高速道路もすいていて、寝る暇もなく2時過ぎには到着しました。丑三つ時、お寺の前のバス停に一人ぼっち…。ちょっと怖かったです。

おわり♪

おまけ:バス停から車の停めてある叔母の家まで行くと、まだ明かりが!ラッキー!帰れると思ったら、叔母は電気もテレビもつけたまま爆睡中。朝方までテレビを見て過ごしました…。


鹿児島土産で買ったもの。

やっぱりさつま揚げですよね~。本場のは甘くてふわふわでおいしいです。
【揚立屋】味のべっぴん!お土産パックC

かるかんに、カスタード入りの蒸ケーキもおいしいんです。
お子様からお年寄りまでみんなに人気のふわっふわクリーミーな蒸しケーキと真っ白かるかんのセ...


© Rakuten Group, Inc.
X
Create a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: