クリ(栗)止血、足腰の強化、解毒、かぶれ


日本の栗は日本に自生するシバグリから作られたものらしい。

縄文時代に栗が食べられていたことが遺跡から知られる事実である。

奈良平安の時代には広く栽培されていたようで山上億良「子等を思う歌」にも「爪食めば子ども思ほゆ 栗食めばまして思はゆ」と詠んでいるのだ。

栽培栗は品種が多いそうだが、品種の特性が継ぎ木によって維持され増やされているとのことである。

それゆえにその品種の栗はすべてクローン栽培ということになる。

クローン技術という言葉は最近になって普及したが、その技術は太古の昔、奈良時代から使われていたのだ。

栗には自家不和合性(同じ固体の花粉では結実しない性質)があるそうなのだ。

クローンで育てた栗は、クローンで増やした同じ品種の花粉では実を結ばないとのこと。
その為に栗林では、ところどころに別品種の木を植え込んで結実させるそうである。

そして実を結んだ木に接ぎ木して、品種の性質を保つとのことらしい?

かなりの古い時代からすでにそうした生物学の知識が栽培技術に生かされていたとは、驚き!桃の木!山椒の木!である。

ヨーロッパでもギリシャ時代以前から地中海沿岸を中心に栽培され、焼き栗などにしたり、親しまれてきたらしい。

日本でもおなじみのマロングラッセやパリの街角で新聞紙などに包んでもらい食べる焼き栗は秋の風物詩とのこと。

パリの焼き栗はヨーロッパクリ、天津甘栗はもちろんチュウゴククリ、日本のクリとは違うのだそうである。



(迷カメラマン未来コバちゃんの私でも写るんです。富士山は独立した山なんだよね?その右に続く高い山は天下のけん箱根連山、それから伊豆半島に続くんだよね。本当は富士山は独立した山ではないのかも?)

***クリの効能***

栗はブナ科の落葉高木で、北海道西南部から本州一帯の山地に自生し、果樹は各地で種々の改良種が栽培されている。

漢方の古典「ほんぞうこうもく本草綱目」にはクリの効能について「主として気を益し、腸を厚くし、人をして飢えに耐えしむ」とあり、また「生食すれば腰部の悪いところを治し、筋骨の切れたるを療す」そして「腫れ痛み、(古血)には生をかんでこれをつけると効あり」と記されている。

民間にも「腎を補って気を増し、腸・胃・腰・脚・骨を強くする」と言い伝えられてきた。
「腎を補う」とは、この場合は強精・強壮を意味しているとのことである。

健胃、滋養強壮に効用があるほか、生のクリを細かく砕いたり擂りおろしたものは、鼻血や外傷による出血の止血や、筋力の強化に役立つらしい。

また、魚介類の中毒にも効くとされるが、生グリは消化が悪いので、摂るときは少量をゆっくり噛んで飲み込むことである。

また、「りつよう栗葉」と呼ばれるクリの葉は、煎じた液がウルシや毛虫のカブレの外用薬とされてきたのだ。

クリは馴染み深い秋の味覚の一つだが、糖質のほかカリウム、ビタミンB1・Cなどが意外に多く、タンパク質、脂肪、糖質の消化特性も穀類に匹敵するほど優秀とのことである。

つづく



© Rakuten Group, Inc.
Create a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: