愛し愛されて生きるのさ。

愛し愛されて生きるのさ。

その2

○RIP SLYME『JOINT』

 RIP SLYMEの新曲はドラムン・ベースだった。ちょっとびっくり。

 「意外とRIP SLYME嫌いじゃないかも?」と思った。テンポも速くて、言葉が洪水のように流れ込んできて耳馴染みがいい。声もわざと作ったりせずに自然な感じだ。その点ではZEEBRA兄さんのラップは野太くてちょっと苦手。いや、かなり苦手。

 『楽園ベイベー』もちゃんと聴いてみたら意外と良かった。横ノリな感じが心地よかったりするのね。

○Cocco『焼け野が原』

 久しぶりに『焼け野が原』のPVを観た。

 このPVは今まで観てきた中でもマイベスト1である。たかだか4~5分の映像作品であるのに魂を揺さぶられ、時には涙が出てくるのだ。

 大都会の、誰もが無関心な街のアスファルトの上で絶唱するCoccoが美しい。
そして踏みにじられた花をかき集める姿が何だか切ない。

 歌の持つパワーと映像が見事に融合した作品だと思う。

 歌のラストで、カメラに笑いかけ海に走り去るCoccoを観ると、「ああ、これで最後なんだなあ」といつも思う。

○中島みゆき『糸』

 「詞がいい曲は?」と聞かれたら迷わず答える中島みゆきの『糸』。

 人間を糸に喩えた名曲である。

 なんたってサビの「縦の糸はあなた 横の糸は私 織り成す布は いつか誰かを 暖めうるかもしれない」である。

 こんな詞があなたに書けますか?私には書けない。

 決して自分たちが暖まるのではなく、「いつか誰かを」暖めるであろうというところに懐の深さを感じる。

 中島みゆきの曲は詞が魅力だ。『わかれうた』『時代』『世情』『たかが愛』などなど。詞がちゃんとストーリーを持っていて人生の深淵を覗いたような気分になる。優れた詞は比喩に富んでいて、ちゃんと詞なのである。

 糸といえば、Coccoの『樹海の糸』。これも名曲。

○大黒摩季『あなただけ見つめてる』

 大黒様である。彼女の曲は出だしからテンションが高い。こんなテンションで迫られたら思わずごめんなさいと金を払ってしまいそうである。

 大黒様の歌はけっこう怖い。ハートマークやびっくりマークなど、キャッチーな雰囲気の中に女の情念がぐろぐろ渦巻いているような感じがする。この曲に関しても、ストーカー寸前のかなりギリギリな精神状態である。「嫌がってたあの娘とも絶交したわ」ときたら男はかなりひく。こういう女が一番タチが悪そうである。「独りで待つ二人だけの部屋」「あなたの微笑みはバラ色の鎖」おぉ怖い。笑いながら手首切られそう。こんな曲が「スラムダンク」の主題歌だったなんて訳がわからない。ビーイング長戸大幸社長さまさまである。

 大黒様が東芝EMIに移籍してからパッとしないのは、やはりビーイングの呪縛なのかと考えてしまう今日この頃。

○CHEMISTRY『明治チェルシーの唄』

 誰でも1度は耳にしたことがあるであろう、「明治チェルシーの唄」をケミストリーがカバー。以前にPUFFYが歌っていたのは何となく覚えている。オリジナルの作詞は故・安井かずみ、作曲は小林亜星。初めてフルコーラス聴いた。耳あたりはいいが、どこか切ない感じがする曲である。

 グロッケンが配されたイントロはなんとなく昔のままであるが、全体的のトラックは意外とアグレッシブ。ほのぼのした歌詞でありながらリズムは激しく刻まれる。コーラスもゴスペルちっくでそこがケミストリーらしさの象徴か。

 男声の「チェルシー」でもあまり違和感を感じないのはケミストリーの声質のおかげか。なかなか良い。

○オノ・アヤコ『青い鳥が逃げた』

 オノ・アヤコはオノ・ヨーコを意識した名前らしい。そんなことはどうでもいいが、この曲のプロデューサーは我がリスペクトアーティスト・コモリタミノル先生である。コモリタ先生と言えばシンセ全開のポップでエッジが聴いたサウンドと地を這うような野太いコーラスでおなじみである。ジャパニーズ・ハウスの大御所であると私は勝手に断言するが、世間がなぜ彼に注目しないのか不思議なところ。

 SMAPだってコモリタ先生がいなければ『ダイナマイト』『らいおんハート』のヒットもない。深田恭子だってデビュー曲『最後の果実』はコモリタ先生が手がけたものである。小室やつんく♂が世間を賑わせた隙に、コモリタ先生は地道にアイドルへの楽曲提供をしていたのである。

 楽曲提供した歌手も実に様々。安室奈美恵にaiko、今井美樹にMISIAあたりは流行どころであるが、三浦理恵子・国生さゆり・ゆうゆあたりになると懐かしさとともに悲しさも漂う。柏原芳恵・渡辺真知子・大地真央とくりゃ凄みが増してくる。とまぁコモリタ先生が手がけた歌手は多岐に渡っているのである。

 コモリタ先生の曲は聴いただけでわかる。他の人が真似できないほど特徴的なのである。だからコモリタミノルの名前を知らなくても曲を聴けば納得する人も多いと思う。まさにコモリタマジックである。コモリタ先生が小室やつんく♂と違うのは、アーティストの全面プロデュースを行っていないというところか。幅広く、色々な人に楽曲提供しているのである。

 そしてこのオノ・アヤコであるが、最近デビューした新人である。しかしまあ、あんまりパッとしない。確かに歌は上手いが、さして特徴があるわけでもない。顔がとりたてて美人なわけでもない。頑張っているのはわかるが微妙なものは微妙である。コモリタマジックで化けるか?オノ・アヤコ。

 ちなみにコモリタ先生作曲でお気に入りなのは篠原涼子『Goodbye Baby』、鈴木蘭々『Shoobie Doobie Doing!』、SMAP『ダイナマイト』あたり。ジャパニーズ・ハウスの名曲である。

○ロードオブメジャー『大切なもの』

 FLOWやら175Rやらチャコールフィルターやら最近の音楽チャートは若い血潮で彩られている。こういうチャートについていけないところで自分がつくづく歳を取ったと感じる。

 しかし私はこういうバンドたちは苦手である。街中で耳にするだけで、体がこそばゆーくなる。それはきっと彼らがプロっぽくなく、「高校の軽音楽部」っぽいからだろう。彼らの曲を聴いたときに感じるこそばゆさは、見たくもない軽音楽部のライブを見させられてしまった気まずさによく似ている。テレビの音楽番組などで、目の前にはカメラとスタッフしかいないのにノリノリで飛び跳ねたりしているのを見ても、こっちが恥ずかしくなってくる。「どーも、○○(バンド名)でーす」と自己紹介している姿もどうしようもなく恥ずかしい。FLOWというバンドは丸坊主の一見ヒップホップ野郎が妙に綺麗なハモリを聴かせる。やんちゃっぽいのにハモリは綺麗というミスマッチがまた恥ずかしい。

 これは私の青春に対する憧憬と嫉妬なのか、はたまた単に年寄りが最近の音楽についていけないということなのか。悩むところである。




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